2017.06.09 | ビッグデータ

今年も、この季節がやってまいりました。

ルグランでは、2012年から、Twitterやブログ、掲示板などの書込・クチコミといったソーシャルデータを解析することで、AKB選抜総選挙の結果を、「順位」だけでなく、「得票数」もあわせて予測しています。

今年の予測が出ましたので、以下、分析方法とあわせて、ご紹介します。
<2017年選抜総選挙 ルグラン予測結果>

<今年の予測のハイライト>
1.昨年は2位を大きく引き離した指原莉乃と、今年こそはと期待される渡辺麻友の間で熾烈な1位争いが展開。
2.渡辺・指原の予想獲得票は20万票超え。上位20人の総獲得票数は前年より約20万票の増加が見込まれ、そのうち上位3人だけで10万票の増加を見込む。
3.荻野由香を擁するNGTなどの「支店」メンバーが上位進出を果たす一方、AKB「本店」が奮闘し、上位16人中10人はAKBメンバーとなると予測。

<順位・得票数分析手法>
分析にあたっては、まず2016年選抜総選挙の得票数を従属変数、2014~2016年のクチコミデータ(SNSで名前が挙げられた回数)を独立変数として重回帰分析を行いました。分析には、今回も、株式会社ホットリンク クチコミ@係長 のデータを使用しています。また、分析にはIBM SPSS Modelerを使用しました。

予測作業の過程では、100以上のモデルを構築し、それらの1つひとつについて、様々な視点から、その妥当性を検証し、最終的に選定された予測モデルに今年のクチコミデータを変数として入力した上で、更に、速報発表後に想定される投票行動の変化についても調整を行い、今年度の「得票数」を予測しました。

<分析モデルについて>
①所属グループ別のモデル作成
今年の分析では、所属グループによってクチコミデータが得票数に与える影響が大きく違うという点に注目しました。
具体的には、地方の「支店」メンバーには、相対的なクチコミ数が少なくても、得票数は多くなるといった差違・傾向がある点にも注目し、所属グループ毎に標本を振り分け、それぞれのグループ毎に、独自のモデルを作成し、得票数の予測を行いました。
実際、例えば、AKB48のメンバーは、2ちゃんねるへの書込数が得票数と大きな相関関係を持つ一方、HKT48ではブログのポジティブな書込数が、SKE48ではTwitterでの男性の書込数が、得票数と特に強い相関関係を持つ、といったことが見えてきました。

②モデルへの速報値の組み込み
クチコミデータだけでは得票数が予測しづらいメンバーや、短期間で台頭したダークホース的メンバーの得票数についても漏らさず予測するため、速報結果も、予測モデルに組み込んでいます。具体的には、過去の投票行動を分析し、速報発表から最終得票数への伸び率などを予測モデルに組み込んでいます。

AKB選抜総選挙を予測するという試みは、一見すると、みなさんのビジネスとは無関係に見えるかもしれませんが、ルグランでは、コンサルテーションの現場でも、今回の予測を担当した分析チームのメンバーが中心となり、ブランドや商品・サービスに関するクチコミデータの解析はもちろん、ウェブの解析データや広告配信の成果、コンテンツの視聴・閲覧状況、顧客リストや購入履歴などのCRMデータなど、様々なデータの分析・解析を行っています。

それらの分析結果から、顧客やユーザーの行動・心理を把握・推測し、理想的なユーザーエクペリエンスの設計・デザインや、マーケティングオートメーション・パーソナライズ戦略の設計・立案〜実装など、データから得られる様々な知見・発見を、マーケティング戦略の立案・実施につなげるお手伝いをしています。



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