2016.08.25 | UX

UXの聖地、Adaptive Path UX Week 2016は連日興味深いWorkshopが沢山で、全部に参加したくなってしまいました。レポートの3回目となる今回は、3日目の8月10日に行われたワークショップ『Prototyping as Craft』をご紹介します。

講師はHead of Design, Capital One LabsのChris Risdon氏です。彼はもとAdaptive Path社のデザインディレクターでエクスペリエンスデザインのコンセプトを作ったパイオニアです。現在はストーリーテリングや行動心理学を統合した次世代のインタラクションデザインの理論を教えていて、このワークショップも彼の新しいプログラムの一つです。

Prototyping as Craft』は紙、板などを使用したクラフト(工作物)で、 立体模型のプロトタイプ(雛形)を作り、そこからユーザーの感じる問題点を洗い出して、改善策を見つけようという 試みです。プロトタイプは空港などの施設だけではなく、サービスやシステムの改善にも効果的とのことです。Risdon氏は紙のプロトタイプをBusiness Origamiと呼んでいました。

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“Business Origami”

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サービスブースのデザインもまず雛形を作る。

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プロトタイプでユーザーの導線を確認

ワークショップは5人一組のチームが一日がかりで『サンフランシスコ空港のチェックイン周辺の問題点を空港施設(ハード)とモバイルアプリ(ソフト)で改善する。』というお題に取り組みます。

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ワークショップのお題

ワークショップは時間との戦いですから、全員がものすごい速さで話し合いながら作業を始めます。Experience map、ペルソナ、をさくっと作って、紙で空港のチェックインカウンターやセキュリティーポイントの模型を作ります。一見、遊んでいるようですが、これが効果絶大ということに後々気がつかされます。

雛形という有形物を作る事で、現場の 視点や感覚が良くわかる。そこで普段気がつかなかった事、たとえば『なぜ一番混んでるセキュリティーチェックポイントで出発予定時刻の遅延やゲート変更のお知らせが見れないの?』『フライト情報のディスプレイが後ろにしか無いのは何故?』『ディスプレイは視点の前方にこそ必要』『チェックインした時のキオスクで出発遅延のお知らせを大きく表示して欲しい』。など普段見落としている問題点が沢山出て来ました。その後、雛形を動かしながら、導線の改善方法を検討します。さらに、そこにモバイルで出来る事は何なのかも探しながらアプリ開発のアイディアをまとめて行きます。

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サンフランシスコ空港のチェックポイント

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セキュリティーポイント

今回のUX Weekを通して学んだ一番大きな事は、『UXは気づきである。』ということです。UX Week 2016レポート第1回にある

You are not your users.

つまり、『あなた自身は、あなたが提供しようとする製品やサービス・技術を必要とするユーザーではないのだ』ということを認識することから始めよう。まさにこれです。
ユーザーの感覚になる事の大事さに気づく。自分の思い込み(エゴ)を捨てて、ユーザーの視点となる方法に気づく。ユーザーの問題点に気づく、そして改善点に気づく。この感覚を忘れないようにしたいと思いました。

そのためにAdaptive Pathは色んなボール(Workshops)を投げてくれているのだと感じました。

ルグランでは、今後、プロトタイピングや、エクスペリエンスデザインの手法を、日本のみなさんにもお伝えできるよう、UXをテーマとしたセミナーやワークショップの開催を予定しています。詳細が決まりましたら、本ブログやニュースレターで、随時、お知らせをしますので、どうぞ、お楽しみに!



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