2020.04.22 | コラム

ルグラン・インターンの北原です。

東京など7つの都府県に緊急事態宣言が出されて2週間が経ちました。政府は5月6日までの外出自粛を要請していますが、その後も、宣言が解除されるかどうかはまだ不透明なようです。そのため大学によっては新学期の授業を全てオンラインで行うことを決めているところもあります。会社でも引き続きリモートワークを実施しなければいけないかもしれません。(このブログも自宅からリモートワークで書いています。)

さてコロナウイルスの深刻さが増していく中、現在の生活は「コロナ前」と比べると大きく変わってきていると思います。そこで、本ブログでは、様々なデータから、人々の思考や行動の変化を探ってみたいと思います。

1.人々の行動の変化

グーグルはユーザーの位置情報などからわかる各国の人々の行動の変化まとめた報告書を発表しました。既に、ご覧になった方も多いと思いますが、日本ではどのような変化が起こっているのか見てみましょう。

上図は、2月下旬以降、東京の人々の様々な場所への訪問数や滞在時間について、基準日となる1/3〜2/6からの変化を示したものです。

下段中央にある「職場(Workplace)」を見てみると3月21日から緩やかに減少して4月11日には基準日から37%も減少しています。特に、4月上旬からの減少率が大きく、緊急事態宣言が発表された後、リモートワークを導入した企業が増えたと思われます。また上段左のグラフから「商業施設」「娯楽施設」の利用も大幅に減少していることがわかります。これは、映画館などの密閉空間がある施設や、遊園地など、人が多く集まる施設の閉鎖の影響がとても大きいと思われます。一方で、下段右下の「住宅」をみると3月終わりから徐々に増加しています。職場や娯楽施設に行かなくなった人は家での生活時間が長くなっていると思われます。

2.検索動向の変化

人々の思考や行動の変化は、検索動向の変化にも表れています。Google Trendでは、特定のキーワードについて、検索数の増減をみることができます。

(上図は過去12ヶ月間の日本における検索数の増減を相対的に表したもの)

まず最初に、「レストラン」というキーワードの検索数を見ると、家で過ごす人、外食を避ける人が増えたせいか、検索数は大きく減少しており、1年前と比べると検索数は約75%も減少しています。

反対に「ウーバーイーツ」というキーワードの検索数は、緊急事態宣言を期に急上昇しています。外食を避け、家で過ごす人が増えたことで、宅配サービスのニーズが高まっていると推察されます。

レジャー関連のキーワードはどうでしょうか。3月上旬からは旅行の検索数が大幅に減少しています。ウイルスの影響が大きくなる中、不要不急の外出や移動を控えようと考える人が増えたことで、旅行に関する情報収集をする人も減っているようです。 

それとは逆に家にいる時間を楽しく過ごすための情報収集は、非常に活発になっているようです。例えば「ボードゲーム」の検索数は、緊急事態宣言後、急速に増えており、1年前の2倍以上の検索数となっています。他にも「ギター」「自宅トレーニング」などの検索数も増えており、それらに必要な機材や器具の需要が高まってくるのではないでしょうか。

3.終わりに

以前から、検索キーワードは、「人々の意思を反映したデータベースである」とも言われていますが、こうしてみると、様々なキーワードの検索回数の増減から、コロナの影響による人々の気持ちや思考の変化が見てとれるということがわかります。 

「ポストコロナ」あるいは「ウィズコロナ」時代のコンテンツマーケティングやSEM戦略を考える上でも、こうしたデータから、人々の生活様式や行動パターンの変化を読み取り、適切なキーワードを選ぶことが重要になりそうです。



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