2015.09.24 | イベント
日本にやってくる中国人観光客の「爆買い」が話題になって久しいですが、大手広告代理店BBDOで中国市場を担当するArthur Tsang氏・Hans Lopez-Vito氏は、近い将来、中国をはじめとするアジアの消費者は、「爆買い消費」を卒業し、先進国のような「ライフスタイル消費」に関心が移ることは間違い、と言います。

彼らをターゲットと考えるなら、マーケターは、そうした消費者マインドの変化を先読みして、今から動き始めることが必要である、と話します。

<Spikes Asia 2015に登壇したBBDO Greater ChinaのLopez-Vito氏>

爆買いに走る中国人富裕層は、中国語で「土豪」と呼ばれ、「趣味やセンスは最悪だが、高級品を買い漁るスーパーリッチ」というネガティブな意味がこめられているそうです。一方で、中国でも、若者たちの中には、こうした中国人の典型的な旅行スタイルに対して、否定的な見方をする人が増えています。

そうした変化に目をつけ、Visaが展開したのが「The Voice」というキャンペーンです。

<Visa The Voiceキャンペーン>

これは、中国人観光客が多く訪れる観光地などに、Visaが自転車のレンタルステーションを開設し、ナビ機能の付いた自転車を貸し出すことで、旅行者一人ひとりが、自分の行きたいところを決めて、自由に見て回るという新しい旅行スタイルを提案しています。(もちろん、ナビの中には、Visaの加盟店の案内もある訳ですが。)

さらに、そうして街を見て回る様子を撮影した動画は、ネットにも公開され、それを見ている中国人たちも、新しい旅行のスタイルを疑似体験できるようになっています。

いま、世界で最も消費意欲が旺盛な国を調査すると、トップ10のうち、7つがアジアの国々となっています。

<Consumer Confidence>

経済成長が著しい、アジアの人たち。今はまだ生活必需品や家電製品・宝飾品などの「爆買い」が目立つかもしれませんが、早晩、彼らも、自分たちの意志や好みで、本当に価値があると感じられるものを選んで買い求めるようになっていきます。それは、アジアに、非常に大きな「ライフスタイル消費」市場が誕生することを意味します。

我々日本のマーケターも、来たるべき「その日」に備えておく必要がありそうですね。

Read more
2015.09.17 | イベント
Spikes Asiaでは、特に「基調講演」と題されるようなセッションはありませんでしたが、振り返ってみると、第1日の冒頭に行われたこのセッションは、ある意味で、今回のSpikes Asiaで行われた多くのセッションに共通する1つの大きなテーマを扱っていたように感じられたので、その内容をご紹介したいと思います。

セッションの原題は”CreateContents that Matters”となっており、日本語に訳すと、『(多くの人々に)意味がある、あるいは大切だと感じてもらえるような、心に響くコンテンツを作るには』というような意味になるかと思います。

<CreateContents that Matters>

面白かったのは、登壇したのが、広告業界の関係者ではなく、All India Bakchod(AIB)というインドのお笑いグループに所属するコメディアンだったということ。

<登壇したAIBのKhamba氏>

彼らのグループは、現在、YouTube上で人気を博していますが、そもそも、インドでは、コメディを披露できるバーやクラブなどがあまり無く、また、お笑いネタの定番である「政府や政治家への不満や風刺」をテレビで流すと、政府が口をはさんでくるという事情もあり、ネットを活動の場にせざるをえないという事情があったそうです。

そして彼らのコメディに注目を集めるきっかけとなったのが、2013年に公開された”It’sYourFault”という動画。

<It’sYourFault>

インドでは、女性に対する権利・人権の侵害がしばしば問題になりますが、この動画も、レイプ被害にあった女性が、世間から「レイプされるのは被害に遭った女性の側に責任がある」という目でみられてしまう風潮に対し、痛烈な批判を、コメディタッチで世界に訴えかけて、注目を浴びました。

今日、ネット上では、膨大な量の情報やコンテンツが産まれ続ける中、どうすれば人々の注意や関心を惹くことができるのかは、多くのマーケターの重要な関心事となっています。実際、今回のSpikes Asiaでも多くのセッションで、このテーマが取り上げられていました。

そして、このセッションから得られた一つの示唆は、社会的な問題を提起したり、更には、その解決に資するアクションを取ったりすることで、そうしたメッセージは、多くの人々にも「自分事」として受けて止めてもらえる可能性が高い、ということでしょう。

実際、今回のSpikes Asiaでも、盲目の少年に最新の技術を使ってピアノを弾くという体験を提供した”EyePlay thePiano”(日本)や、自閉症の子供達に他人と視線を合わせる練習をさせる”Lookat Me”(韓国)など、いわゆるSocialGoodと呼ばれる取組みが注目されていました。

では、SocialGoodであることは、単なる慈善活動なのか、それとも、最終的には企業の利益に資することなのか?

これについては、別のセッションで取り上げられていましたので、また改めてレポートしたいと思います。

Read more
2015.09.17 | イベント
9月15日から2日間、大阪で行われたアドテック関西に参加しました。
昨年に続き、ルグラン・LAデザインセンターによるUXランキングの発表には、
多くの方にご興味をお持ち頂けたようで、たくさんの方にブースにお立ち寄り頂きました。
お名刺を頂いた方には、後日ランキング情報と解説をお送りします。


そして来る12月のアドテック東京に、再びルグランが登場します!
今年はどのような内容になるのか、どうぞお楽しみに!

Read more
2015.09.17 | クリエイティブ
連日ニュースを賑わせていた佐野研二郎氏の2020年東京オリンピック・パラリンピックエンブレム盗作疑惑。今回の事件で思ったことは、結局、国民が佐野研二郎氏のエンブレムのデザインが好きじゃなかった、ということです。あのエンブレムを見た時の第一印象の”え?これが?”というネガティブな直感が全てだったのです。色の暗さ、バランスの悪さからくる不安感 、オリンピックというエネルギーあふれたスポーツの祭典をまったく表現しない自己満足のデザインに、美意識の高い日本国民が嫌悪感を持つのは当たり前です。やっと白紙撤回になり、 新デザインの再公募には大会組織委員会がオープンで公平な審査をしてくれることを心から期待します。

エンブレムやロゴはデザイナーにとって一番ハードルの高い仕事の一つだと思います。あんなに小さいくせに、意味があり、 一目でコミュニケーションできて、美しく魅力的で、飽きがこなくて、新鮮で、自然で、普遍的、大きなサイズでも小さいサイズでも、webでも印刷でもOK。。。つまり「完璧」でないとなりません。私はロゴを「小宇宙」と密かに呼んでいます。存在意味があり昔からそこにある完璧な小宇宙。これを締め切りまでに制作するのですから、そのプレッシャーたるや半端ないです。でも満足できるものが完成した時にはこれ以上の達成感はなく、 クライアントが喜んでくれてロゴが世に出た時は本当に嬉しいものです。デザイナーになって本当に良かったなと思う瞬間です。

ロゴ制作過程は、クライアントの打ち合わせ、リサーチ、ラフスケッチ、完成スケッチ、色選択とデジタルデータ制作が主な流れです。佐野研二郎氏が8月5日の釈明会見で「Pinterestを見た事はありません。」と言っていたがそれがまず嘘くさい。なぜなら商業デザイナーはロゴ制作前に必ずリサーチするからです。Pinterest以外にも、最近のロゴデザインのトレンド、クライアントの同業者のロゴ、過去の秀作、色合い、スタイル。。などありとあらゆるリサーチをする。 雑誌を見たり、とりあえず街に出てウィンドウを眺めたり。。それは模倣するものを探すためでなく、インスピレーションを得るためで、目の前にあるものを見ながら、頭の奥で自分のアイディアをまとめていく、みたいな感じだろうか。私が師と仰ぐOverture/Yahoo!時代のアートディレクター、Ken Loh氏(現 WW apple online store art director)が、「クリエイティビティーはすぐに現れるわけではなく、色々なものを見たり、聞いたり、作ったりしながら最後にやっと現れるもの。」と常々言っていた。色んな刺激を受けながら試行錯誤するのが大事なのです。

リサーチが終った後は ラフスケッチに入る。これが一番大事な過程でとにかく無心になるまで書きなぐる。佐野研二郎氏は釈明会見の時に何故これを出さなかったのだろう?ロゴ制作後に作ったアルファベット展開なんかじゃなく自筆のラフスケッチを見せるべきだった。ロゴがどんな過程を経て誕生したかの産みの苦しみを見せれば盗作疑惑も晴れるのに、とあの会見を見たデザイナー達はきっとそう考えたと思う。

ルグランのロゴは思い入れの深い大好きなロゴの一つです。イメージは、青、 大きな海原、自然、自由、波を次々と産み出す強さ、創造の源、またIT企業としてでなく 他分野のビジネスにもマッチするロゴにしようと話し合ってコンセプトを固めて行きました。こちらが漠然としたイメージからロゴが出来上がる過程です。

ラフスケッチの一部。オーガニックなライン使いにしようと決めてスケッチを始めました。何個も思うがままに描いて行きます。

ファイナルロゴ候補の一部。スケッチの段階でファイナルを選びます。

ロゴ決定

デジタルデータ製作用クリーンアップスケッチ

ファイナルロゴ

ロゴ制作は作れば作るほど奥が深く難しいです。うまく出来た時はずっと前から存在していたかのごとく自然で、見る人に好感を与えるから不思議です。

これから好きなロゴを見つけたら、なぜ良いロゴだと思うのかを考えながら見てみると面白いですよ。 オリンピックの新しいエンブレムも今度こそ素敵な作品が選ばれると良いですね。

Read more
2015.09.17 | クリエイティブ
弊社でプロデュースをお手伝いしている土建屋さんの全国組織『どけんやナビ』がこの度、清澄白河のギャラリー「Gallery Forgotten Dreams」にて『陶藝家 瀬川辰馬が焼成した土建屋の夏の日の記憶』と題した作品展を開催することになりました。

<作品展のご案内>

日本には約47万もの建設会社があり、全国では、約447万人の、いわゆる「土建屋さん」が建設業に携わっています。しかし、土建屋さんの数は1995年の663万人をピークに年々減少傾向にあり、人手不足から、東北地方では、東日本大震災からの復興工事が進まないといった社会問題にもなっています。

建設業界については、公共事業の受注獲得に伴う談合疑惑や、税金の無駄遣い等々、そのイメージは必ずしも良いといえません。また、土建屋さんの仕事は、キケン・キツイ・キタナイの3K職種などと言われ、建設業界で働きたいという若い人たちも減っており、人手不足・後継者不足も深刻な問題となりつつあります。

しかしながら、頻発する自然災害からの復旧作業はもとより、除雪や治山・治水、道路や橋などの老朽化対策等々、私たちの日常は、日本の津々浦々で、黙々と汗を流す多くの土建屋さんたちの働きによって支えられていることも事実です。

そこで、今般、ルグランでは、クリエイティブディレクター・田中淳一さんと共に、こうした土建屋さんたちの日々の活動や生き様に焦点をあて、土建屋さん、延いては建設業界に対する人々のイメージを刷新し、建設業界で働いてみたいと思う人が一人でも増えることを目的としたキャンペーンを企画・実施することとなりました。このアート展も、その一環として開催されるものです。

なお、作品展の会場では、Go Pro社のご協力も得て、最新のモバイル・映像技術も駆使しながら、来場者の方々に、社会のインフラを支える土建屋さんたちの姿を、リアルに感じてもらえるような仕掛けも用意しています。

シルバーウィークのひととき、お散歩がてらに、ちょっと変わった作品展をのぞいてみませんか?

【アート展について】
 日時:2015年9月20日(日)~9月27日(日)*
 場所:Gallery Forgotten Dreams
 住所:135-0021 東京都江東区白河1-3-21, 2F MAP
 電話:03-5809-8217
 主催:どけんやナビ
 協力:GoPro

*20日(日)と26日(土)は、一般入場を制限させていただく時間帯があります。詳細はギャラリーにてお問合せください。

Read more