いま、日本そして世界の人々の関心は、新型コロナウィルスの感染拡大をどうやって食い止めるか、という一点に集中しています。東京にも緊急事態が宣言され、弊社も3月末以降、全てのスタッフが自宅からリモートで勤務する体制に移行しています。
今回は、こうした特異な状況が続く中で、色々と見えてきたこと、感じたことを思いつくままに書いてみたいと思います。
1.リモートワークは想像以上に効率的。だけどちょっと疲れるね。
私の自宅はオフィスから徒歩圏内にあるので、もともと大して通勤時間はかからないのですが、それでも、完全リモートワークになると、
・(それなりに)身支度をする
・オフィスに寄る途中でスタバに寄って、時には、お店の人と雑談もしながらコーヒーを買ったりする
・オフィスに着いたら、出勤してきたスタッフとちょっと雑談をしたりもする
・社外での打合せに移動する途中で、ランチを食べたり、お茶を飲んだりする
といったことが、ほぼゼロになります。これによって、業務は非常に効率化されている訳ですが、たとえるなら、毎日、起きてから寝るまで、連続ドラマをCMの入らないネット配信で見続けている、みたいな感じで、集中はできるし、効率もアップしますが、意識してブレイクも取らないと、長続きはしなそう。
完全リモートワークにしてみると、普段は、こういう無駄に見える時間も、実は良い感じの「緩衝材」になっていた部分もあるなあと感じたりしています。
2.「要らないもの」が怖いくらいにハッキリしてしまうなぁ。
弊社には、海外にも多くのクライアントがあるため、このコロナ騒動の前から、ZoomやSkypeによるビデオ会議は頻繁に行っていましたが、いまは社内・社外の会議や打合せ、採用面接、そして新規案件の提案プレゼンまで、ほぼすべてがビデオ会議で行われています。
もちろん、弊社業務の多くがネット上で実施・完結できる恵まれた状況にあることが大前提にある訳で、医療現場や社会インフラ・物流を支える方々など、緊急事態宣言が出ても、「現場に向かわなければならない仕事」に携わられている方々には、最大限の感謝と敬意を表したいと思います。
一方で、弊社のような組織では「実は要らないモノやコト」がたくさんあったことにも気づき始めています。
(1)オフィス
突き詰めると、結局、オフィスって「紙で送られてくる請求書」と「営業電話」を受けるためにあったのかなとも思い始めている今日この頃です。今のところ、5/7からはオフィスでの業務を再開する予定ではありますが、オフィスのあり方については、真剣に考え直そうかと。
(2)打合せのための出張や外出
ある日のビデオ会議の予定を振り返ってみると、その相手は、大阪→都内(社外)→都内(社内)→LA(社内)→奈良→ロンドンという感じでした。コロナ騒動がなければ、大阪や奈良、都内(社外)の打合せは、出張や外出をして行っていたかもしれません。もちろん、時には顔を合わせて話をすることも大切ですが、今後は日本でも「ビジネスミーティングはFace-to-Faceが原則」という考え方は変わってくるのではないかと想像しています。(というか、そうあって欲しい。)
(3)結果や成果を出せない人や会社
リモート環境下では、「その場にいるだけ」で仕事をしたことにはできません。一人ひとりの顔もアップになるビデオ会議では、居眠りもできませんしね。(笑)
3.戦略的にコミュニケーションするスキルや力が重要になるね。(個人も企業も政治家も)
(1)個人
きちんと成果や結果を出すのは当然として、それを、然るべき相手に、見える形で示すというスキルが無いと、リモート体制下では、「あいつ、居るのか居ないのかも分からんね」ということになってしまいます。一方で、「自らを戦略的にアピールする」というスキルは、これまで、日本のビジネスシーンでは、必ずしも重視されてこなかったので、今後は、こういうスキルも磨いておかないと「幽霊社員」になってしまうかもしれませんね。
(2)企業や政治家
ここ数年、「戦略的なPR」とか「ブランドパーパス」といったことが言われてきましたが、今回のコロナ騒動にあたり、日本の企業・ブランドの動きを見ると、残念ながら、戦略的にブランドや企業の存在意義を示すようなコミュニケーションが行われている都感じられる例は、なかなか無いなぁ、と感じています。今回のコロナ騒動を機に、日本においても、戦略としてのコミュニケーションに真摯に向き合う企業やマーケター、そして政治家がたくさん現れてくることを期待したいものです。
最後に。
もうご覧になった方も多いと思いますが、先日、英国のエリザベス女王が、コロナウィルスに立ち向かう全て人々への感謝と賛辞、そして更なる団結と協力を呼びかけた動画を紹介したいと思います。よその国の女王陛下ではありますが、ここには「言葉の力」を感じます。。。
(BBC News Japan YouTubeチャンネルより)
We will succeed.
We will meet again.
私たちも、コロナウィルスの感染拡大を食い止めるために、ひとりの市民として、できる義務を果たしていきたいと思います。そして、この問題でビジネスに影響を受けている企業や団体の方々に対しても、一企業として、少しでも問題解決につながるようなお手伝いをしていきたいと思います。
Stay safe, and stay home!