2015.10.21 | UX
11月10日に開催される第3回『CNET Japan CMO Award』のセッションに、弊社代表 泉が登壇することが決定しました。

セッションのタイトルは

DMPからEMPへ〜データではなくエクスペリエンスを支配せよ

データを使って人々を「ターゲット」して追い回すだけではなく、顧客視点で、最良のカスタマーエクスペリエンスを実現するために活用してこそ、データは本当の意味でマーケティングに活かされるのではないか、といった点について、ディスカッションします。

ビッグデータがマーケティングを変えると言われて久しいですが、日本では「コンバージョン」や「CPA」といった分かりやすい指標でしか「成果」を測ることを知らない、「第一世代」のデジタルマーケターがまだまだ幅をきかせています。このため、高度な解析力が自慢のDSPも、多様なデータを統合的に解析できるプライベートDMPも、彼らの前では、「リターゲティングツール」に成り下がっているというのが実情ではないでしょうか?

ちょっと大げさに言えば、分かりやすく、即効性があるというソリューションにしか興味・関心を示さない、という日本人の悪習が、データドリブンなマーケティングの実践を妨げているのかもしれません。

EMPというのは、”Experience Management Platform”というルグランの造語ですが、ここには、マーケターが、本当にマネジメントすべき対象は「データ」ではなく、「カスタマーエクスペリエンス」なのだ、という私たちの意志や思いが込められています。

当日は、データドリブンマーケティングを現場の第一線で実践する方々をパネリストに招き、どうすればデータドリブンマーケティングが実践できるのか、また、それを阻む要因・原因は何なのかについて、ルグランが取り組む、EMPの実践例などもご紹介しながら、大いに議論をしてみたいと考えています。

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CNET Japan Conference 2015
日時:2015年11月10日(火) 13:00開演
場所:東京都千代田区神田美土代町7住友不動産神田ビル2・3F
ベルサール神田[会場について]
セミナーお申込みページ


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2015.10.09 | イベント
今回参加したSpikes Asiaでは、広告やマーケティングコミュニケーションに関する最新トレンドといった話に交じり、「どうすれば人や組織のクリエイティビティを高められるのか?」という視点からの、組織論・人材活用論についてのセッションも、いくつか開催されていました。

今回はその中から、店舗の設計・デザインや、店頭プロモーションの企画などのコンサルテーションを行うFITCH社のメンバーによる「オムニチャネル時代に求められるクリエイティビティ溢れるチームの作り方」というセッションについてご紹介したいと思います。

<FITCH社のウェブサイト>

世界各国で、スマートフォンの普及が急速に進む中、FITCH社のクライアントにおいても、ネットとリアルという垣根を越え、どうすれば、一貫したブランドのイメージやメッセージを伝えられるのか、が大きな課題になっていると言います。

コンサルティングの現場では、店舗のデザイン・施工から、モバイルアプリのプログラミングまで、検討すべき領域・項目も多岐に渡っており、もはや、一人のコンサルタントが全ての課題を解決できる時代ではありません。

そのような中、FITCH社では、多様なスキル・経験を持つメンバーが集まり、お互いに意見を交わす中で、クライアントが求めるソリューションを見つけ出すという「アジャイル」的なアプローチを大切にしています。

登壇したYukiko Kawabata氏も、元々はインテリアデザイナーでしたが、FITCHに入社後は、クライアントと一緒に、店舗における最良の「エクスペリエンス」をデザインすることが主な仕事になっているそうです。

<登壇したYukiko Kawabata氏は元インテリアデザイナー>

その他にも、FITCH社には、元建築家・元グラフィックデザイナーなど、多様な人材が集い、お互いが協力・刺激しあうことで、時代や技術が大きく変化する中でも、チームとして、クリエイティブな発想や提案を出し続けられるような組織運営に力を入れているようです。

ちなみに、このセッションは、展示会場内のオープンな場所で開催されているのですが、「サイレント・ステージ」という名の通り、傍から見ていると、殆ど何の音も聞こえません。

<騒がしい会場でもセッションに集中できるサイレント・ステージ>

これは、登壇者の声をヘッドフォンで聴くというスタイルを取っているためで、参加者は周囲の騒音を気にせず、登壇者の話に集中できますし、一方、登壇者の声が展示会場に響き渡って、他のセッションの邪魔になることもありません。

隣のブースに負けまいと、スピーカーのボリュームを最大にして、登壇者が声を張り上げるため、ますます騒音に拍車がかかる日本のイベント・展示会でも、ぜひ導入して欲しいシステムですね。

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2015.10.01 | クリエイティブ

ルグランでは、POPSクリエイティブ・ディレクター田中淳一さん(元ADKクリエイティブディレクター)と共に、建設業界のイメージアップを目的とするキャンペーンを企画しています。その一環として、9月20日~27日の8日間、清澄白河のギャラリーで土建屋さんをモチーフとしたアート展「LOG OF MUD」を開催、建設業界最大の専門誌「建通新聞」をはじめとして、メディア・建設業に携わる方々など多くの方にご来場いただきました。

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2015.09.24 | イベント
日本にやってくる中国人観光客の「爆買い」が話題になって久しいですが、大手広告代理店BBDOで中国市場を担当するArthur Tsang氏・Hans Lopez-Vito氏は、近い将来、中国をはじめとするアジアの消費者は、「爆買い消費」を卒業し、先進国のような「ライフスタイル消費」に関心が移ることは間違い、と言います。

彼らをターゲットと考えるなら、マーケターは、そうした消費者マインドの変化を先読みして、今から動き始めることが必要である、と話します。

<Spikes Asia 2015に登壇したBBDO Greater ChinaのLopez-Vito氏>

爆買いに走る中国人富裕層は、中国語で「土豪」と呼ばれ、「趣味やセンスは最悪だが、高級品を買い漁るスーパーリッチ」というネガティブな意味がこめられているそうです。一方で、中国でも、若者たちの中には、こうした中国人の典型的な旅行スタイルに対して、否定的な見方をする人が増えています。

そうした変化に目をつけ、Visaが展開したのが「The Voice」というキャンペーンです。

<Visa The Voiceキャンペーン>

これは、中国人観光客が多く訪れる観光地などに、Visaが自転車のレンタルステーションを開設し、ナビ機能の付いた自転車を貸し出すことで、旅行者一人ひとりが、自分の行きたいところを決めて、自由に見て回るという新しい旅行スタイルを提案しています。(もちろん、ナビの中には、Visaの加盟店の案内もある訳ですが。)

さらに、そうして街を見て回る様子を撮影した動画は、ネットにも公開され、それを見ている中国人たちも、新しい旅行のスタイルを疑似体験できるようになっています。

いま、世界で最も消費意欲が旺盛な国を調査すると、トップ10のうち、7つがアジアの国々となっています。

<Consumer Confidence>

経済成長が著しい、アジアの人たち。今はまだ生活必需品や家電製品・宝飾品などの「爆買い」が目立つかもしれませんが、早晩、彼らも、自分たちの意志や好みで、本当に価値があると感じられるものを選んで買い求めるようになっていきます。それは、アジアに、非常に大きな「ライフスタイル消費」市場が誕生することを意味します。

我々日本のマーケターも、来たるべき「その日」に備えておく必要がありそうですね。

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2015.09.17 | イベント
Spikes Asiaでは、特に「基調講演」と題されるようなセッションはありませんでしたが、振り返ってみると、第1日の冒頭に行われたこのセッションは、ある意味で、今回のSpikes Asiaで行われた多くのセッションに共通する1つの大きなテーマを扱っていたように感じられたので、その内容をご紹介したいと思います。

セッションの原題は”CreateContents that Matters”となっており、日本語に訳すと、『(多くの人々に)意味がある、あるいは大切だと感じてもらえるような、心に響くコンテンツを作るには』というような意味になるかと思います。

<CreateContents that Matters>

面白かったのは、登壇したのが、広告業界の関係者ではなく、All India Bakchod(AIB)というインドのお笑いグループに所属するコメディアンだったということ。

<登壇したAIBのKhamba氏>

彼らのグループは、現在、YouTube上で人気を博していますが、そもそも、インドでは、コメディを披露できるバーやクラブなどがあまり無く、また、お笑いネタの定番である「政府や政治家への不満や風刺」をテレビで流すと、政府が口をはさんでくるという事情もあり、ネットを活動の場にせざるをえないという事情があったそうです。

そして彼らのコメディに注目を集めるきっかけとなったのが、2013年に公開された”It’sYourFault”という動画。

<It’sYourFault>

インドでは、女性に対する権利・人権の侵害がしばしば問題になりますが、この動画も、レイプ被害にあった女性が、世間から「レイプされるのは被害に遭った女性の側に責任がある」という目でみられてしまう風潮に対し、痛烈な批判を、コメディタッチで世界に訴えかけて、注目を浴びました。

今日、ネット上では、膨大な量の情報やコンテンツが産まれ続ける中、どうすれば人々の注意や関心を惹くことができるのかは、多くのマーケターの重要な関心事となっています。実際、今回のSpikes Asiaでも多くのセッションで、このテーマが取り上げられていました。

そして、このセッションから得られた一つの示唆は、社会的な問題を提起したり、更には、その解決に資するアクションを取ったりすることで、そうしたメッセージは、多くの人々にも「自分事」として受けて止めてもらえる可能性が高い、ということでしょう。

実際、今回のSpikes Asiaでも、盲目の少年に最新の技術を使ってピアノを弾くという体験を提供した”EyePlay thePiano”(日本)や、自閉症の子供達に他人と視線を合わせる練習をさせる”Lookat Me”(韓国)など、いわゆるSocialGoodと呼ばれる取組みが注目されていました。

では、SocialGoodであることは、単なる慈善活動なのか、それとも、最終的には企業の利益に資することなのか?

これについては、別のセッションで取り上げられていましたので、また改めてレポートしたいと思います。

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