みなさま、体調管理はしっかりできておりますでしょうか?
昔から、春は、“三寒四温”と言って、徐々に暖かくなる。はずなのですが。今年(2024年)は、中々暖かい気温が続かず、気温が下がると、寒さを感じ、暑くなると25℃を超える夏日となってしまうような日々が続いていて体調を崩されている方が多いのではないかと思います。
「春が無くなってしまった」という表現もニュース等で見かけますが、今迄の気候とは明らかに変わってしまったのではないか。と自身の体感からも考えさせられます。
さて、そこで気になるのは、今年(2024年)の夏はどのような夏になるのか?
昨年(2023年)は、東京の観測データでみても、35℃以上の日が22日もあった、非常に暑い、では表現が足らず、まさに“酷暑”の夏でした。
最初に米国で発表された、大西洋ハリケーンシーズンの予報から見ていきたいと思います。
2024年の米国におけるハリケーンシーズン予測と日本への影響
毎年、米国においては、6月1日から11月末までを”ハリケーン・シーズン“と定義して、ハリケーンの発生する規模を具体的な個数や規模などについて予測が発表されます。
(表1.コロラド州立大学による2024年ハリケーンシーズン予測個数)
(下図2.コロラド州立大学によるハリケーンシーズン予測年表)
2024年シーズンもこの4月4日に、一番最初の予測が発表されました。
おおよそ30年ぶりになるであろう記録的な年になる可能性がある。とのことから注目が集まっています。
簡単にその根拠を整理します。
昨年(2023年)の猛暑は、太平洋東部(アメリカ大陸側)で発生している、エルニーニョ現象によるものであると言われています。そのエルニーニョは、ある一定の周期(詳細は不明)にて、ラニーニャに入れ替わるようになっており、今年(2024年)は、このハリケーンシーズンにラニーニャへの入れ替えが発生する確率が非常に高いと考えられています。ラニーニャ現象の到来のタイミングが、来るべき大西洋ハリケーンシーズンのピークと一致してしまう可能性があるためです。
エルニーニョは、ハリケーン発生のブレーキの役割を果たしますが、(下図2。2023年の予測:総数13個、大6個)ラニーニャは、ハリケーン生成のアクセルの役割となるため、今年のハリケーン予測個数は、昨年(2023年)の倍近い(13個→23個)数字となっています。
米国において深刻な影響を及ぼすハリケーンは、大西洋上で発生するため、そのハリケーンによって日本への直接的な影響は無いものの、輸入品等では影響が出る可能性が高いと思われます。過去にハリケーンによって影響を受けた輸入品は以下です。
- ・原油
- ・柑橘類
- ・サトウキビ
- ・トウモロコシ
- ・大豆
- ・酪農
これら輸入品は、すでに円安の影響で価格が高騰しておりますが、秋口にはハリケーンの影響でさらに値上がりしてしまう可能性が高いと考えていた方が良いかもしれません。
2024年夏の日本の気象動向について
日本全体として今年の夏は“平年よりも暑い”という予想が出ています。
また、その暑いという確率が60%と、ここ10年で最も高い確率となっています。
この予想の精度に関してですが、今年の暖候期の予想精度は高いと考えます。
また、世界的に見ても2024年は暑くなると予想されており、平均気温が歴代トップ5に入る確率が99.1%と予想されています。これもエルニーニョ現象の影響と温暖化の影響によるものです。
4月~6月は、全国的に気温は平年よりも高くなり、ゴールデンウイーク後は最高気温が25℃以上の日があると予想されています。また、今年の梅雨入りは例年よりも“遅く”なる可能性が示唆されており、降水量は多く、大雨に警戒が必要です。梅雨明けは、前線が気圧配置的に停滞しやすいため、例年よりも遅れる予想です。このことから長雨や一時的な低温のリスクが懸念されます。
商材への影響として夏商材(スポーツドリンク・アイスクリーム・制汗剤 等)は、早い時期から需要が高くなりますが、7月は梅雨明けが遅れ、長雨・一時的な気温低下により需要が落ち込むのではないかと考えられます。
8月以降(梅雨明け後)は厳しい暑さの影響で夏商材の需要が非常に高まりそうです。
残暑が例年よりも長くなると予想されているため、秋のはじめまで夏商材の需要が高くなると考えられます。また、その影響で冬商材の需要が高まる時期が遅れると考えられます。
このように、“今迄”と同じでは、季節の商材の投入タイミングや、広告配信のタイミングも難しい時代に突入していると考えるべきと思います。今回ご紹介させて頂いたような長期予報も視野にいれながら、直近では短期予報と連動させるような動きが必要なのではないでしょうか。
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