2025.02.02 | UX

12月に書いたブログ『デジタルマーケティングのルールブック』で、今年は人事異動や入社・転職をきっかけにデジタルマーケティングに携わることになった方々に向けて、デジタルマーケティングの歴史や基本的なロジックなどを体系的に理解してもらうための情報を積極的に発信していくと書きましたが、今回は、古くて新しいAISASというフレームワークについてのお話です。

  1. AISASとは?基本をおさらい

マーケティングの世界では、消費者の購買行動を理解し、効果的な広告戦略を立てるために様々なフレームワークが活用されています。AISAS(アイサス)もそうしたフレームワークの一つです。

AISASは、2004年頃に広告代理店の電通が提唱した消費者行動モデルで、5つのアルファベットはそれぞれ以下の内容を指しています。

  1. Attention(注意) – 商品やサービスに対して注意を向ける
  2. Interest(興味) – 興味を持ち、より詳しく知りたくなる
  3. Search(検索) – インターネットで情報を検索する
  4. Action(行動) – 購買や申し込みなどの行動を起こす
  5. Share(共有) – SNSなどで購入や利用体験を共有する

AIDMA(アイドマ)(Attention, Interest, Desire, Memory, Action)というフレームワークもよく知られていますが、AISASでは 「検索」や「共有」 という消費者行動に即した要素が追加されています。

  1. AISASは今でも有効?

今後、生成AIの普及やWeb3の進展などにより、商品やサービスの選択や購入に係る消費者行動が変わっていく可能性もありますが、今のところ、AISASも多くの人々の消費者行動を理解するためには引き続き有効なフレームワークと言えるでしょう。

  • 大量の情報に囲まれた中での消費者行動の変化 今日、私たちはテレビCMや雑誌広告だけでなく、SNSや口コミ、YouTubeやInstagramのレビュー動画など、さまざまな情報をもとに購買決定を行います。AISASの「検索」や「共有」は、こうした消費者行動を捉えたモデルです。
  • SNS・口コミ・検索エンジンの影響力 企業の広告だけでなく、一般消費者の口コミやレビューも購買決定に大きな影響を与えています。例えば、急増する外国人旅行者の多くは、Googleの口コミ評価やInstagramの投稿などを参考にどの店に行くかを決めています。
  • 「シェア」の重要性が高まるマーケティング 消費者が購入した商品や利用したサービスの利用体験をシェアすることで、新たな消費者の興味を引き、さらに検索・行動へとつなげられる可能性が高まります。この「シェア」が、企業の広告やPR活動以上の影響力を持つことも少なくありません。
  1. AISASを広告戦略にどう活用するか?

最近デジタルマーケティングを担当することになった方からは、

  • 検索とディスプレイはどう使い分けるべき?
  • 自社の事業戦略を実現するためにどちらに予算を配分すべき?
  • 検索エンジンやSNSについては広告以外の活用も考えるべき?

といった質問・相談を頂くことも少なくありません。

AISASのフレームワークに沿って考えていくことで、打つべき施策の優先順位や予算やリソース配分の整理・検討がしやすくなります。以下、各フェイズごとに検討や実施可能な施策例を紹介します。

  • Attention(注意):
    • SNSやYouTube広告などで人々の注意を惹くメッセージを配信
    • 近年はTVerなどのコネクテッドTVの活用も盛んに
  • Interest(興味):
    • 対象となるオーディエンスが「知りたい」と思う情報を「知りたい」タイミングで発信
    • 天気に連動した広告やメッセージの配信も有効
  • Search(検索):
    • キーワードを指定して検索連動型広告を配信
    • サイトやブログで役立つ情報を発信し、自然検索の上位表示を狙う(コンテンツマーケティング/SEO)
  • Action(行動):
    • 購入や申込を促すメッセージや条件を効果的に提示
    • スムーズにアクションが取れるサイトの設計・デザイン
  • Share(共有):
    • 共有してもらえるような購入/利用体験の提供
    • ハッシュタグを活用したキャンペーンやリポストによるユーザ投稿の促進
  1. まとめ:AISASを使いこなして、戦略の内容と優先順位を考える

AISASは、インターネット時代の消費者行動に適したフレームワークとして、いまでも有効です。特に、

  • 想定される消費者の行動をシンプルに整理できる
  • 商品やサービスの検討・購入プロセスのどこに一番インパクトを与えたいかを考える手がかりが得られる
  • 予算やリソース配分の優先順位を客観的に整理できる

などのメリットがあります。

ぜひ、このフレームワークを活用し、効果的なマーケティング戦略を立てていきましょう!

ルグランでは、デジタルマーケティングの知識・経験があまり無い企業や担当者の方にも、理論と実践の両面から丁寧なサポートをしています。何かお悩み・お困り事がある場合には、まずはお気軽にご相談ください。

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