2017.04.13 | コラム

日経新聞によると、2017年度の世界の広告費において、インターネットの広告費がテレビを追い抜き、首位に立つ見通しであると発表された。その額は約2000億ドル(22兆円)と予測されている。

(参照:日本経済新聞)

その大きな成長を支えるのは、スマホやタブレット端末に配信するモバイル広告で、2016年度は前年度比で約49%となっており、インターネット広告費をすさまじい勢いで押し上げている。この勢いは新興国でのスマホの普及も伴い、2019年度までは上昇傾向が続くという見込みである。

また、ネットという環境は広告の形態を1つにとどめることなく、SNSでの広告配信も若者を対象に大きな影響力を与えている。全世界で19億人ものユーザーを抱えるFacebookや、Twitter・LINEをはじめとする多くのSNSが広告の機能を携帯し、SNSを日常の一部として取り込んでいる若者へ向け広告発信を行っている。さらにNTTコムリサーチによると、企業側としてはInstagramにおいての広告配信を今後増やしていきたいとの結果が出ており、若者のInstagram中心の生活へシフトを見越しての事だと予測できる。

しかし、ネット上という、一昔前より更に簡単にユーザーに広告を配信できる時代となった今、新たにリテラシーの問題も懸念されている。3月にはYoutubeの差別やテロを示唆する動画に、有名企業の広告が掲載されている事が発覚し、一時期大きな騒ぎとなった。この事態を重くみた大手広告主が、Youtubeへの広告掲載を取りやめる結果になってしまった。現在はGoogleがYoutubeの広告掲載の審査基準を厳格化するなどの対応に追われている。

ウェブ広告の躍進はこれからも当分続いていくであろう。しかし、ネット上という顔の見えないフィールドでの広告掲載のマナーやルールというものを今後明確に基準化していかないと、ユーザーの広告の信頼度にも大きく影響してくるだろう。ネットの広告情報リテラシーが今後の大きな課題となるだろう。



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