2017.07.21 | UX

昨今、企業のテレビCMやキャンペーン動画が、放映・公開後に、SNS等で批判を浴び、あわてて放映や公開を中止するという話をよく耳にします。 
テレビ番組やネット動画を見ている多くの人たちにとって、広告は、”招かれざる存在”である訳ですが、かといって広告がスキップ・ブロックされてしまう事を恐れ、広告をまるで広告ではないように見せてしまうことは、道義的にも、時には法的にも問題になります。

このような中、企業が、商品やサービスをユーザーに認知させるためにメッセージを届けるには、やはり、人々の思いや感情に思いを馳せ、極力、人々のテレビやネットの利用・視聴を妨げないような広告体験を提供する、というUX思考が重要になります。 

そうした観点で、私たちの目に止まったのが、先月開催されたカンヌライオンズで、チタニウム部門のショートリストに選出された、IKEAの「Retail Therapy」という作品です。

【IKEA】Retail Therapy 

IKEAの商品は”現実を生きる人々を助けるためにある”というコンセプトのもと、まず、IKEAのオンラインショッピングサイトにある商品を改名しました。例えば、ソファであれば「my husband falls asleep on the couch(亭主がソファで寝る)」、ミラーボール型照明なら「My daughter is out all night(娘が朝帰り)」といった具合に。

そして、こうした商品名をリスティング広告のキーワードとして登録・出稿しておくことで、このような悩みを持つ人が検索をすると、改名したIKEAの商品が検索結果として表示されるというプロモーションを展開したのです。

この事例は、「人の悩み」を起点としたカスタマージャーニーの中で、できるだけ自然な文脈で商品の広告を出すという、UX的にも優れた広告体験を実現していると言えます。 また、多くのECサイトでは、「サイト内検索」をしてもお目当ての商品が見つからないという課題を抱えており、そうしたユーザービリティ上の問題にも解決のヒントを与える取組みであると考えます。

ルグランでは、来月8/8(火) に「カンヌライオンズ報告会〜新たな広告体験・ブランド体験の創り方:総合的な分析をどこよりも早く~」と題し、セミナーを開催します。

カンヌライオンズを定点観測されている、多摩美術大学教授 佐藤達郎氏、株式会社ワン・トゥー・テン・デザイン 最高経営責任者 小川丈人氏をお招きし、今年のカンヌライオンズの傾向をお話しいただくと共に、弊社代表・泉も加わり、UX視点から見た広告体験・ブランド体験の創り方について、パネルディスカッションを行います。 

広告関係者やマーケターの方、UXデザインに興味がある方には、必見のセミナーとなっています。是非ご参加ください。

詳細・お申し込みはこちら↓



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