子どもの頃よく行く駄菓子屋さんがありました。夕方は、小学生や幼稚園くらいの子どもたちでいつもいっぱいです。勿論、小学校や幼稚園の通学路の途中にあり、立地がよかったというのもありますが、人気の理由は他にもありました。
その駄菓子屋を営むおじさんは、「○○くんはこの味が好きだったよね」、「すごい汗かいて、今日は暑いもんなあ」といって、子どもの好みや状況に合わせ、一人一人に駄菓子を薦めてくれるのです。全員にではなく、自分のために何かを提案してもらえると、子どもながらに嬉しかったのを覚えています。
このように個人の関心や行動に合わせ、サービスを最適化するパーソナライズ(又はパーソナライゼイション)は、最良なUXを実現する上で、重要な要素の一つとなっています。今回は、フランスの化粧品ブランド、Garnierがフェイスマスクを訴求するために行なった、パーソナライズなYouTube広告を紹介します。
■YouTubeの検索結果に応じたプレロール広告
動画コンテンツが開始される前に再生されるプレロール広告。Garnierは、ユーザーがYouTube内で行なった検索に応じて、カスタムされた60種類以上のプレロール広告を配信したのです。例えば、「旅行先トップ10」というような旅行に関する検索を行なったユーザーには、「フェイスマスクをパックし忘れないように」という表記にし、旅先へフェイスマスクを持って行こう、という提案をしています。
また、コメディ作品の予告を検索したユーザーには、「フェイスマスクが落ちるぐらい笑おう」というアピールを。
更にカナダ出身の人気R&Bシンガー、The Weekndのミュージックビデオを検索したユーザーには、アーティスト名にちなんで「週末はいい顔でいない?」という文章で商品を訴求しています。
これらは60種類以上ある中のうち、ほんの一例にすぎません。この広告を配信した結果、6週間で2,400万ものインプレッションを獲得したようです。
「旅行」のようなビッグワードだけでなく、映像作品やアーティスト名といったスモールワードに対する広告文を用意している点も、興味深いと感じました。一体、他にどんなバージョンの広告があるのか、気になりますよね。YouTubeの検索を活用し、パーソナライズな広告配信を実現した本施策は、実にユニークであったと思います。
ルグランではUXを起点としたマーケティング施策全体をお手伝いしております。ぜひ、ご相談ください。
[参考]