2015.07.13 | ソーシャル
アップルのWWDC(Apple Worldwide Developers Conference)2015レポート第2弾です。

さて、先回リストアップした公開10項目のリスト、当然なのですが WWDC2015 のビルボードにあったように、ほとんどはアップルのエンジンである新型 OS X, iOS , watchOS に関連したものでした。でも、ほんのちょっと斜め目線で眺めてみると、やっぱり「だから何なのよ~ソレって?」という訳なのです。ご存知のように、システムは絶えず改良されていくモノであり、それらのパッチ(アップデート)は、バグがあるごとにあてがわれていくモノ。

今回キーノートで発表されたアップルミュージックやアップルニュースなどは、すでに優れたサービスが存在しています。マップや Siri のアップデートなどは、これまでの不具合を改良した、パッチ以外の何モノにも他なりません。では、多くの参加者が口にしていたように、クリエィテブな目新しい発表って、ホントに何にも無かったのでしょうか?

今回の WWDC のキーノートでアップルは、確かに修正に次ぐ修正をアナウンスしていたようにも聞こえました。これは、アップルが「アップルには今まさに追いつかなければいけないターゲットがあること」を明言したことになりませんか?アップルミュージックとアップルニュースであれば、スポッティファイやフリップボードなどがそれでしょう。アップルマップであれば、まさにグーグルマップですよね。

スティーブ・ジョブズが残した、こんな言葉があります。

”Most people makes the mistake of thinking design is what it looks like. That’s no what we think design is. It’s not what it looks like and feels like. Design is how it works.”

「ほとんどの人は、デザインとは見た目だと考える間違いをしています。私たちは、デザインとはそうではないと考えます。どのように見えてどのように感じるかではないのです。デザインとは、どのように機能するかなのです。」

これまでアップルは競合他社と比べると、まさに時代を何光年も先取りした最先端デザインで、インダストリアル・デザイン界をリードしてきました。今でもアップルが業界のトップレベルに位置付けられることは、間違いないでしょう。
でも、もう何光年も先取りした「遠くに立ちそびえる巨人」・・・的な存在感はなくなってしまったようです。見た目のデザインだけを学ぶことは、他のジャイアントにとって、そんなに難しいことでは無かったのです。そう、以前ここでも取り上げたグーグルのマテリアルデザインの台頭以来、デジタルのUI/UX分野では、アップルはすでにトップの座を受け渡しているのかも知れません。

これは、ボクのようなデザイン現場育ちの往年アップルファンにとって、ちょっと受け入れ難い事実です。最初にアップルを使い始めたのは80年代後半、そして90年に入るとすぐに初のマイ・マックをアメリカで手にしました。確かその当時、マック本体とマックのモニターは5000ドル強、マックのパーソナルレーザープリンターは2000ドル弱で、当時のレートで換算すると、日本円で優に100万円超えでしたっけ・・・というくらい、当初からマックで行くぞ!的な思い入れがあったのです。プロジェクト管理やサーバ管理にはいくらウィンドウズを使おうとも、やっぱりマックで、ついに iPhone の誕生だ!と・・・話が逸れてしまいましたね。

では、アップルが率いてきたデザインはこれからどうなるのだろう?という話です。新型OSが出たのは当たり前、よしよし!としておいて、ここからどうなるかを考えてみたいですね。
ご存知のように、アップルは、ウォッチ、タブレット、スマートフォン、ラップトップ、デスクトップのすべてのハードを持っています。そして、これらのエンジンとなるOSもすべてオリジナルです。

次の最終回では、OSの枠を超えて、これらマルチプラットフォームにおける、UXの展開についてレポートしてみたいと思います。



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