2016.07.21 | ビッグデータ

7/14の告示から1週間が経過した東京都知事選挙。

「先出しジャンケン」「保守分裂」「文春スキャンダル」などなど、政策以外での話題にも事欠かない選挙戦となっていますが、東京都・約1,130万人の有権者は、どの候補を支持しようとしているのでしょうか?

本ブログでは、過去の選挙でも、ブログやTwitterなどソーシャルメディアのクチコミデータから、有権者の興味・関心を分析し、ルグランなりの情勢分析を行ってきました。今回の都知事選については、増田ひろや氏、小池ゆりこ氏、鳥越俊太郎氏の主要3候補について、現時点での状況を分析してみたいと思います。なお、分析には、今回もホットリンク・クチコミ@係長のデータを使用しています。

話題量では小池氏がリード、鳥越氏が急追

まずは、各候補がソーシャルメディアでどのくらい話題になっているかを見て行きましょう。

図1は、各候補に関するブログでのクチコミ数について、2016年5月1日を起点に、その累計数の推移を示したものです。

21_都知事選1

各候補とも、6月頃までは、クチコミ数はそれほど多くありませんでしたが、「先出しジャンケン」で、6月末に、いち早く出馬の意向を示した小池氏については、クチコミ数も、他の2候補に先駆けて、7月初頭から急増していることが分かります。

これに対し、「後出しジャンケン」で告示直前に名乗りを上げた鳥越氏ですが、知名度の高さもあり、その後、一気にクチコミ数を伸ばし、小池氏を急追しています。一方、増田氏に関するクチコミ数も増加はしていますが、そのペースは緩やかで、他の2候補に比べると、かなりの差が開いており、やはり知名度の低さの影響が出ているようです。

次に、Twitterでのクチコミ数の推移を見てみましょう。(図2)

21_都知事選2

なお、Twitterのクチコミ数は日本語の全ツイートの1/10を抽出したサンプルからの調査結果を示しています。 各候補のクチコミ数が増加し始めるタイミングは、ブログとほぼ同じ傾向ですが、Twitterでの書込では、後出しジャンケンの鳥越氏が、先出しジャンケンの小池氏に、あっという間に追いついていることが分かります。

評判を上げる増田氏、安定の小池氏、鳥越氏は下降傾向

次に、本ブログでも度々取り上げてきた「永田町インデックス」の手法を使って、各候補に関する評判を分析してみましょう。(図3)

21_都知事選3

クチコミ量では、他の2候補に差をつけられている増田氏ですが、ポジティブな書込の割合は着実に増加していることがうかがえます。

一方、クチコミ量では、3候補の中で、爆発的とも言える増加を示している鳥越氏ですが、話題量の増加に伴って、ネガティブな書込の割合が増加しているのが気になります。本日(7/21)発売の週刊文春でも、同氏に関するスキャンダル記事が掲載されており、話題量の増加と共に、今後の評判の推移も気になるところです。

一方、小池氏は、話題量を大きく伸ばしながらも、安定した評判を維持しており、ポジティブなイメージを維持しながら、多くの人々の興味・関心を集めることに成功しているように見えます。

話題量と評判のバランスから総合的に判断すると、現段階では、小池氏が、他の2候補をややリードしているようにも感じられます。

選挙戦もいよいよ中盤から終盤へ。都民の一人としては、東京都が抱える様々な課題としっかり向き合ってくれる候補者は誰なのかを見極め、投票に臨みたいと思います。



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