2016.09.01 | UX
 
ようやく台風が過ぎ去ると、日中には、気持ちのいい日差しが降り注ぐようになりました。

20160804_海の家_1
 
 
梅雨明け宣言がされた先月のこと、筆者は海へと行ってまいりました。訪れたのは鎌倉の由比ガ浜海岸。湘南の中でも有名な海岸で、毎年多くの利用者で賑わっています。
 
鎌倉駅から10分程歩き、海に到着。「暑い暑い」と言いながら支度をしていると、私たちへ近づいてくる浅黒い2人組の男女が。そして、何故か1人はタブレット端末を手にしていました。
 
「実は今、私たちの海の家に登録して下さると、ビーチパラソルを一本無料で貸し出すキャンペーンをしています。」
 
更にもう1人が、タブレットにつながれた機器を指差しながら、
 
「その登録は指紋認証で行います。登録が完了すると、提携している数店の海の家で、指紋認証で決済出来るようになり、後日コンビニでお支払いいただけます。」
 
O2Oの波がここまで来ているのか、と素直に驚く私でした。
 
調べてみると、レノボジャパンが「ITの力で由比ガ浜にWOW!な体験を」をコンセプトに、海の家「Lenovo House at Quick Silver」をオープン。ここでは、生体認証決済サービス「Liquid pay」を導入し、指紋と携帯番号を登録するだけで、提携店舗にてキャッシュレスでの支払いが可能となるようです。
 20160804_海の家_2
 
海でお財布を盗られた・失くした、と言う問題はよくあるようで、荷物から離れることが多い海水浴場では、貴重品の管理は常に悩みの一つとなっています。
一方で、盗まれる危険性から、利用者が海水浴場にお金を持ってこなくなることは、飲食を提供する海の家にとっては避けたい話。しかし、指一本でオンライン決済が出来るこのサービスがあることで、貴重品をロッカーに預けた後、手ブラで海の家を楽しむことができるのです。このサービスを導入した店舗では、昨年、一人あたり2000円程の利用料金だったのに対し、今年は3000円程に伸びているとのこと。また、海の家側としては、業務効率の改善にも繋がるでしょう。
 
指紋という個人情報が取られる抵抗感や、「Liquid pay」の導入店舗が少ないなどの課題はありますが、海水浴場のUXを考えると、優れたO2O施策であると感じました。地域との「共創」によって行われた企画であったそうなので、今後の取り組みにも期待が高まります。
 
ルグランでは、ペルソナ創り・ワークショップを経て、エクスペリエンスマップを作成。そこから浮き彫りとなった改善点から、UXの最大化へと導きます。今回のようなO2O施策であれば、そこから得られるデータから、解析を行い、次のアクションへと繋げていきます。
 
ルグランとも共に、優れたUXを、押し寄せる波のように次々と創り上げていきましょう。
 
 
[参考ページ]
 


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