2017.02.02 | UX

皆さんこんにちは。ルグランインターンの外園賢太です。

全国各地で初雪が観測されつつある今日この頃、雪の降る日に思い出すのは、スキー場のあの独特なひんやりとした雰囲気です。どうやらそれは私だけではないようで、この季節になると仲間内で今年はどこに行こうか、いつ行こうかなどという話題が持ち上がります。皆さんは今年、どこか滑りに行く予定はありますか?

スキーが最も流行ったのはバブル期。多くの人々がスキー場に詰めかけました。しかしバブル崩壊後は来場客の低迷が続き、全国の2割のスキー場が廃業に追い込まれる事態となりました。

そんな中、全国のスキー場に19歳の若者が一斉に押し寄せる現象が起きていました。そこには、的確なデータ分析や優れたUXデザインを用いて、ユーザーの隠れたニーズを上手く引き出したサービスの存在がありました。

kenta0126-01

このロゴを見たことはありますか?これは、株式会社リクルートじゃらんが展開する「雪マジ!19」というフリーミアムを利用したプロジェクトです。
(フリーミアム:基本的なサービスや製品は無料で提供し、さらに高度な機能や特別な機能については料金を課金する仕組みのビジネスモデル。最近ではソーシャルゲームなどが代表的)

ロゴにある通りにサービスの内容は至ってシンプルで、19歳という条件さえ満たせばリフト券が無料になるというものです(対象スキー場に限る)。

なぜ19歳なのか?ここにはデータに裏付けられた戦略がありました。株式会社リクルートじゃらんリサーチセンターは2011年、3万人に対する大規模な調査を実施。そこで得られた仮説は、「19歳前後の時代に、友人とスキー場に行くことがその後のスキーエリア訪問を左右している」というもの。

これによりリクルートは19歳というピンポイントなターゲットに対し、中長期的な利用促進計画を計るという大胆で壮大な計画を打ち出したのです。

果たしてうまくいくのか?会社内外から賛否両論だったこのプロジェクトは、結果的に大成功といえる結果を生み出しました。
じゃらんリサーチセンターによれば、初年度のこのプロジェクトによるゲレンデ延べ動員数は約13万人。翌年度のリピート率が9割であったというデータもあり、若者のスキー需要は間違いなく存在し、それが単発的なものではないことも実証。

スキー場においては来場者が1人でも100人でもリフトなどの運営コストは変わらないため、増えた来場者がホテルやレストラン、レンタル用品等にお金を使い、直接的な利益をも生み出しました。

ユーザーとスキー場双方に大きな満足を与え、大きな成功を収めた「雪マジ!19」。その後も年々規模を拡大させ、今ではスキー場や19歳という要素だけでなく更にアプローチの幅を広げています。

kenta0126-02

マジ部」という括りでJリーグや釣りなど、「若者の~離れ」と言われる分野を中心にサービスを展開。それぞれの業界の発展に大きく寄与しています。

このように、サービスを通して実際に体験・満足につなげる環境作りやデータを使った分析は大きな可能性を秘めています。

ルグランでは、エクスペリエンスマップを作成し、UXをお客様と一緒に考えるワークショップの開催、ビッグデータ分析やアクセス解析、効果検証を基に、クライアントの方向性を定め、次へのアクションへと促すお手伝いをしております。ぜひ、お気軽にご相談ください。



Back to Blog Top