2017.02.23 | UX

「ユニバーサルデザイン」という言葉を聞いたことはありますか?
一般財団法人国際ユニヴァーサルデザイン協議会によると、ユニバーサルデザインとは、「性別、年齢、人種や能力の違いなどに関わらず、できる限り多くの人々に利用可能なように最初から意図して、機器、建築、身の回りの生活空間などをデザインすること」とあります。

また、別の団体、一般社団法人ユニバーサルコミュニケーションデザイン協会は、このようなユニバーサルデザインの考え方を取り入れて、「見やすい、わかりやすい、伝わりやすい」コミュニケーションを実現できるのではないか。という考え方を「ユニバーサルコミュニケーションデザイン」と名付けて、普及・啓発活動を行っている団体です。
そのユニバーサルコミュニケーションデザイン協会による「UDCAアワード2016」が開催されました。「UDCAアワード」は、企業・団体が生活者に発信するさまざまな情報媒体を、産業・学術・生活者の知見により開発した尺度を使用して「第三者」が客観的に評価し、優れたコミュニケーションデザインを表彰するものです。「UCDAアワード2016」の選考結果報告会が、2016年12月に東京の電通本社ビルで行われました。

今回は、食品パッケージ(表示)部門で、消費者が選ぶ「アナザーボイス賞」を受賞した石井食品株式会社の商品パッケージをご紹介します。

パッケージ

受賞理由は「アレルギー対策表示の明快さ」です。
パッケージ上部に、「特定原材料7品目、卵、丹生、小麦、えび、かに、そば、落花生を使用していません」と目立つように書かれています。特定原材料7品目ではないが、表示が推奨されている原材料である大豆、鶏肉については、それらがアレルギーの原因物質になることも目立つ場所に書かれています。両方とも、文字の羅列ではなく、デザイン化されて書かれていることが、わかりやすさを高めています。

食物アレルギーの子供を持つ親としては、わかりやすい表示を心から望んでいます。

以下は、アレルギーを持つ子供の親である私が頻繁に経験するアレルギー表示がわかりづらいことによって発生する問題の例です。
・加工食品を食べる前には、毎回原材料チェックをしているアレルギー持ちの子供の親でさえも、文字の羅列を読むのには、たいへんな時間と集中力が必要で、小さい子供は待ちきれない。
・祖父母に子供を預ける際、祖父母は細かい文字が読みづらく、正しく読めない。
・アレルギーを持たない子供の親は、原材料を正確に読むことに慣れていない。アレルギーを持つ子供にお菓子をあげたくても、原材料の文字の羅列では、正しく読めているのかわからず、あげることができない。

これらの問題は、わかりやすい表示によって解決できます。
アレルギーは、命に関わる問題です。全部書いておけば、「情報が載っていなかった」との苦情は来ないという考え方では、それでは、文章が読まれず、情報が伝わらないリスクがあります。

今後、超高齢化社会を迎えるにあたり、細かい文字を羅列し情報を詰め込む形式は通じません。

ルグランでは、ユーザエクスペリエンスを意識する上で、ユニバーサルデザインの考え方を取り入れ、サイトコンテンツの見直し等を行うお手伝いをしております。
興味のある方は、お気軽にご相談ください。



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