2017.06.09 | UX

「ユーザーエクスペリエンス」などという言葉を全く知らなかった大学生時代。当時、私は、地元のイタリアンレストランでのアルバイトに精を出していました。

早さを重視するUX
酒蔵が経営していたそのレストランは、昼は主婦グループの憩いの場、夜はお酒を楽しむカップルやファミリーで溢れる、地元に根付いた人気レストランでした。
そんなところに、料理の経験もなくキッチンとして働き始めた私は、毎日怒られながらも、精一杯働き続けていました。
ある時、歳も変わらない若いシェフのサポートとして、私が入ることになります。そのシェフは、仕事が早く、忙しい休日でもスピードを落とすことなく、次々と料理を出していました。一方、個人的には、仕事が早い分、料理の質は他のシェフとは少し劣っているな、という印象を受けていました。

本来のUX
ある日、いつものように忙しい中で、そのシェフが手元の料理をいつも以上に丹念に火を入れ、味見をし、丁寧に盛り付けているのを目にしました。出来上がった料理は明らかにこれまでのものよりも美味しそうであったことを覚えています。後からわかったのですが、その日はシェフのご家族が来店されていて、あの料理は自分の家族に提供するものだったとのこと。その時はその理由に納得したものの、それ以上何も感じなかったのですが、今思うと、そのシェフはいつもとは違い「UXの最大化」に努力していたのだと思います。

その若いシェフは、普段、 “料理提供の早さ”という点に重点を置いていました。しかし、自分の家族への料理は、 “美味しいと感じてもらう”という点を意識したのだと思います。もちろん、お店の状況により、その時々で早さと質のバランスを調整することもあり、またターゲットや営業目的として、早さを重視する場合もあると思います。

お客様が帰り道に「お料理が早くて良かったね」と会話してくれるよりも、「お料理が美味しくて良かったね」と言ってもらえる方が、お店として、シェフとして、メリットのあることではないでしょうか。

商品やサービスを提供する側が、ユーザーが本来求めているものを忘れてしまう、といったことはよく耳にする話です。 クライアントのニーズや納期等を意識するあまり、開発者ファーストになってしまうこともあると思いますが、そんな時は一旦立ち止まり、本来求めていたUXに目を向けることも大切ではないでしょうか。

ルグランでは、お客様の求めるUX最大化を実現するためのお手伝いをしています。ユーザーファーストのサービスとは何かについて、一緒に考えてみませんか?



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