2018.08.30 | イベント

先日8/1(水)にて、「カンヌライオンズ報告会:新生カンヌはどう変わったのか?総合的な分析をどこよりも早く」を開催いたしました。

今年も、多摩美術大学教授で元カンヌ国際広告祭フィルム部門日本代表審査員の佐藤達郎さん、株式会社ワントゥーテンデザイン最高経営責任者の小川丈人さん、弊社共同代表の泉浩人の講演、ならびに登壇者3名でのトークセッションを行いました。最終回となる本レポートは、弊社共同代表の泉のセッションとパネルディスカッションをご紹介します。

前回のレポートでも触れましたが、今年はCreative eCommerce部門が新設されました。これにより、来年からは、クリエイターやマーケターだけでなく、いよいよUXデザイナーもカンヌライオンズに参加しても良いかもしれないとコメント。Creative eCommerce部門については、データや技術を用いて秀逸なUXを実現することで、優れたネットや店舗でのショッピング体験を提供し、結果として売上の向上に繋がった施策が評価されるとのことです。

また、今年受賞したものから3つの特長に整理し、施策と合わせてご紹介しました。

1.C2C、Make・Fabなど

2.持たずに借りる(シェア)

3.検索もまだまだ顕在


1.C2C、Make・Fabなど

グランプリ:「XBOX DESIGN LAB ORIGINALS : THE FANCHISE MODEL

概要:カスタマイズしたXBOXのコントローラーをWebサイトで売買できるようにした施策。各国のゲーマーが様々なオリジナルコントローラーを販売し、大きな話題を呼びました。


2.持たずに借りる(シェア)

ゴールド:「Care by Volvo

概要:Volvoが車のサブスクリプションを提供。ユーザーはインカ―デリバリーを依頼できたり、オンデマンドで洗車や給油を行え、更に週末は別の車を貸してもらえたりと、新しい車の利用方法を提案しました。


3.検索もまだまだ顕在

ブロンズ:「LEGO Making The List

概要:今や子どものクリスマスに欲しい物リストに、レゴが入りにくい時代に。そこで、クリスマスに子供達が欲しくなるような物をレゴで作り、その商品を検索すると、レゴで作られた様々な商品が、検索結果として表示されるようにしました。例えばiPodを探そうと検索したら、レゴで作られたiPodも表示するようにしたのです。検索を上手く利用した施策として評価されました。


このCreative eCommerce部門で評価されている施策を見ると、ネットとリアルを意味ある形で融合し、人々の課題を解決しているのか、という点を見て評価しているのではないかとのこと。そう考えると、UXデザイナーが日々考えていることと通じ、これを評価する部門が生まれたということは、UXデザインに関わる方々も来年はカンヌに参加しても面白いだろうとのことでした。

次に登壇者3名によるトークセッションをご紹介。

佐藤さんは、2011年からカンヌの名称も変わり、作品としてのクリエイティビティに加え、仕掛けとしてのクリエイティビティも評価されるようになったと感じたようです。

また、泉からお二人に、ブランドが社会をよくするために行うフォーグッドの波は、まだまだ止まらなそうか、という質問をしたところ、佐藤さんは世の中が安定したら無くなるかもしれないが、近年の社会を見ると、フォーグッドは続くと感じているとのコメントをいただきました。小川さんからも、社会的問題に寄与する広告や施策は、今年の作品でも多く見られることから、やはり社会が落ち着かない限りは無くならないとお話しされておりました。また、近年はカンヌで評価されるものの裾野が広がり、今後は、クリエイターはもちろん、マーケターやビジネスプロデューサーの皆さんにも、チャンスがあるとのことです。

ルグランは今後とも、皆さまのビジネスのヒントとなるイベントを随時開催していきます。ぜひ、お楽しみに!



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