2019.03.18 | ソーシャル

セクシーなランジェリーを店舗、通販、オンラインで販売し、年に一度、テレビでファッションショーを放送するアメリカの人気ブランド、ヴィクトリアズ・シークレット全盛期の2016年には77億ドルの売り上げがありましたが、その後は下降気味。先日、年内に50店舗以上を閉店すると発表しました。

ここ数年、アメリカではbody positivityという言葉が流行っています。様々な体型、サイズや容姿をポジティブに受け入れようというムーブメントです。この流れを受け、消費者が共感を覚えるような体型のモデルを起用したブランドが急増しました。例えばヴィクトリアズ・シークレットの競合にあたる下着ブランド、ThirdLoveもその内の一つです。

Body positivityの流れとは反対に、ヴィクトリアズ・シークレットは、ランウェイを歩く細身のモデル体型の女性を起用し続けました。また、実際に販売している製品も大きめサイズの女性が身に着けられない、小さなサイズ展開のものがほとんどです。ヴィクトリアズ・シークレットのサイズ展開の少なさ、またブランドが世間に与える現実からかけ離れた体型の女性像について、消費者はネット上で度々話題にしてきました。そしてブランドのチーフ・マーケティングオフィサー、エド・ラゼックが昨年11月に受けたインタビューで発した言葉が、さらにブランドイメージを悪化させました。「2000年に大き目サイズの女性のファッションショーを放送しようとした。しかし、誰も興味を示さなかった。今だって誰も興味を示さない。」

ヴィクトリアズ・シークレットとは対照的にネットでのクチコミによる成功を収めたビジネスがあります。ファストファッションブランド、Fashion Novaです。なんと2018年にアメリカで最も検索されたファッションブランドは、ルイ・ヴィトンやヴェルサーチのようなハイファッションブランドではなく、このFashion Novaでした。日本人には馴染みのないこのブランド、元々はモールの店舗からの出発でしたが、現在ほとんどの売り上げはネット販売です。

Fashion Novaは若年層に人気のインスタグラムインフルエンサーに服を無料提供し着用してもらうだけではなく、カーディ・Bやカイリー・ジェンナーをはじめとするフォロワーの多いセレブとのコラボ商品を発表し度々話題になります。しかし、ブランドが人気を集める理由はインフルエンサーを起用しているだけではありません。商品を購入した消費者が#fashionnovaや#fashionnovababeなどのハッシュタグをつけて、商品を着た姿を投稿するのです。Fashion Novaはサイズ展開が豊富であるため、インスタグラムでFashion Novaに関するハッシュタグを検索すれば、多様な背丈、体型の一般人がこのファストファッションを着こなしている姿を見ることができます。昨今のBody positivityのムーブメントの流れにマッチしていると言えます。

ルグランでは消費者のウォンツとニーズを大切にしたマーケティングをお手伝いいたします。是非一度ご相談ください。



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