2019.07.12 | コラム

参院選の公示後、最初の日曜日となった7/7に少し変わった選挙活動が話題になりました。国民民主党の玉木雄一郎代表が、参院選公認候補(東京都選挙区)の水野素子氏と共に東京・秋葉原にてアニメ「機動戦士ガンダム」のコスプレ姿を披露。

報道によれば「若者の支持を得るため」とされていますが、これが玉木氏や国民民主党の評価・評判にどのような影響を与えたのかを、ソーシャルリスニングツール「クチコミ@係長」を使って分析していきたいと思います。

上図は、ブログ・2ちゃんねる・Twitterなどソーシャルメディア全体の書き込みから、玉木氏に対する好感度の推移を示したものです。(玉木氏に関する書き込みについてクチコミ@係長がポジティブもしくはネガティブと判断したものを抽出した上で、それらの合計数に対して、ポジティブと分類されたクチコミ数の割合を「国民民主党に対する好感度」としてグラフで表しています)

肝心のコスプレ演説が行われた7日の好感度は80%まで大きく上昇。その後も高い好感度を維持しています。

ガンダムのコスプレには賛否両論あったものの、全体としては概ね高評価であったと言えそうです。ユニークな選挙活動が面白いという声や、実際に現場で演説を聞いた人からは特にポジティブな書き込みが多かったようです。玉木氏自身もガンダムファンであることを公言していて、Twitter上でコスプレ終了後もガンダムについて触れたツイートをするなど、一部ガンダムファンの中では、玉木氏に対する書き込みが盛り上がりを見せていました。

次に、上図では国民民主党の好感度の推移を示しています。

国民民主党に関するクチコミの中で、コスプレについて言及したものはむしろ少なく、7/7に国民民主党の好感度が80%を記録した背景には、共同通信社が発表した世論調査の影響があったと考えられます。共同通信社によれば、沖縄県の10代の29.1%は国民民主党に投票すると答えており、それに賛同する書き込みが増えたことが「好感度」の上昇につながりました。しかし、7日以降は減少に転じており、この好感度の上昇は一時的な現象となりました。

以上のことから、7/7以降も高い好感度を維持した玉木氏と比較すると、コスプレ演説は国民民主党全体の好感度にはあまり影響がなかったと言えそうです。クチコミ数や実際に書き込まれた内容を見ていくと、玉木氏の「ユニークな選挙運動」には注目が集まり、概ねポジティブに受けとめられる一方で、「どの政党なのか」という文脈ではあまり話題にはされていませんでした。

 

今回の分析結果から、党首や政治家が「ユニークな選挙運動」行うことで、注目・話題を集めることはできても、それは必ずしも、所属する政党の評価・評判の改善につながるとは限らない、といったことが言えそうです。

参院選も後半戦に入りますが、今後も各政党、党首、候補者がどのような選挙運動を行っていくのか注目していきたいところです。

ルグランでは、消費者理解・顧客理解の有用なツールとして、クチコミ@係長を使い、ソーシャルデータを分析し、そこから、最適なUXをデザインにつなげていくという活動を行っていますので、ご興味のある方は、お気軽にお問い合わせ下さい。ソーシャルデータを活用したUXデザインの事例など、ご案内させて頂きます。



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