2021.04.23 | UX

自分達の目で見て確認・実感する機会がなかなかない環境問題。その一つに大気汚染があります。何気なく生活していても、工場や自動車の排気ガスによる大気汚染が原因で肺がんや呼吸器疾患に苦しむ人が増えています。イギリスも大気汚染問題が深刻化している都市で、喘息の発作により亡くなった9歳の少女の死因が「大気汚染」だと認められるといったケースも見られました。この問題に対してもっと人々に興味・関心を持ってもらうため、イギリスの非営利団体Central Office for Public Interest(COPI)はとあるキャンペーンを実施しました。 

COPIが行ったのは「大気汚染状況の可視化」。ロンドン市内のあらゆる場所に二酸化窒素の濃度を測定する装置を設置し、特設ウェブサイト上で任意のエリアの汚染度を確認できるようにしました。このサイトに自分の住んでいる場所などの住所を入力すると、汚染レベルが5段階で表示されると共に、どういった健康被害が想定されるか、法的に定められている基準値を超えていないかなどの情報が提供されます。実際に自分達が生活している環境がどの程度大気汚染による被害を受けているのかを知ることで、この問題に対する関心は大きく高まります。

そして大切なのはこうした事実を知った上で、どういったアクションを行うのか。とはいえ一人一人が取り組めることには限度があります。そこでこのウェブサイト上では、自分が住んでいる自治体に電気自動車の普及や、自転車・歩行者が利用しやすい道路の整備といった、大気汚染の改善につながるアクションを要求することができます。問題の認知から改善のために行動にいたるまで全て一つのウェブサイトから行えるため、興味を持った人が最後まで必要なアクションを完結させることができるわけです。

こうした取り組みが功を奏し、最終的にはロンドンの不動産業者はこうした汚染状況に関する情報を提供することが法的に義務付けられることになりました。COPIは「人や地球のためになる宣伝・広告活動を行う」ということを目標としており、今後も人々が無視できないようなキャンペーンを行ってくれるかもしれません。

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