2022.04.28 | コラム

新年度が始まったと思っていたら、あっという間にゴールデンウイークがやってきました。ゴールデンウイークのご予定はお決まりでしょうか?

コロナ禍でどこにも出掛けられない日々が続き、ゴールデンウイークにはどこかへ行きたいと思っていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。感染拡大の状況を見ながらではありますが、感染症対策を万全に整えつつ、気持ちは新緑を眺めながら温泉にでもつかりに行きたいですよね。

〔Source : CNET Japan

新型コロナウイルスの影響で、全国各地の温泉地・観光地も大きな打撃を受けています。そんな中、再び温泉地や観光地を盛り上げたいと、全国の観光地や温泉地で使える日本初の【観光に特化】した地域デジタル通貨「ルーラコイン」が、2022年2月に実証実験をスタートさせたのをご存知でしょうか。

 

全国規模のネットワークを持つ地域デジタル通貨

そもそも地域活性化のために発行される地域通貨ですが、従来型の地域通貨では「限られた地域でしか使えない」、「観光客があまり利用しない」という弱点がありました。

昨今では地域通貨のデジタル化も進み、飛騨高山地方で使われている地域デジタル通貨「さるぼぼコイン」なども登場していますが、今回ご紹介する「ルーラコイン」は、全国規模のネットワークを持つ地域デジタル通貨となっています。

使い方は、皆さんが普段お使いの電子決済と一緒で、スマホや専用のプリペイドカードにお金をチャージし、支払い時に、加盟店に設定されているルーラコイン専用QRコードにかざすだけです。

ルーラコインは、全国の温泉地・観光地で横断的に使えるデジタル通貨(1ルーラコイン=1円)とプレミアムポイント(キャンペーン毎に付与されるプレミアムポイント)の2つで構成されています。プレミアムポイントは、チャージすると付与される仕組みになっています。

更にルーラコインは、決済手段として使用できるだけではありません。

まず、地域で利用された決済金額の1%が、その観光地に自動的に寄付される仕組みになっています。つまり温泉を楽しみながら、同時にその観光地へ寄付することができるわけです。

そして最大の特徴は、地域の温泉旅館、観光名所、旅行会社と連携したルーラコイン限定商品や限定特典が提供されることです。例えば特別な宿泊プランやアクティビティ、キャラクターとコラボレーションした物産品や限定グッズなど。

第一弾は、株式会社エンバウンドが展開する地域活性化プロジェクト「温泉むすめ」とのタイアップです。日本全国の温泉地を擬人化したキャラクター「温泉むすめ」は、アニメや漫画、キャラクターや声優などのIP(IP:Intellectual Property)を通じて、日本全国の温泉地や地方都市の魅力を国内外に発信するために作られた「地域活性化プロジェクト」です。今回のコラボでは、このキャラクターの書き下ろしコラボプリペイドカードを各エリアで順次販売することになっており、決済時には人気俳優を起用した「決済音ボイス」が鳴るという、ファンにはたまらない仕掛けがなされています。

有馬温泉エリアで販売の温泉むすめキャラクター書き下ろしコラボプリペイドカード
(Source : ルーラコイン有馬温泉)

ブロックチェーン技術を利用した「ルーラコイン」の可能性

また、ルーラコインは、コインの購入及び利用に関するトランザクションの管理にブロックチェーン技術を利用しており、ルーラコインでしか購入できない、また現地でしか入手できないデジタルコンテンツ(ブロックチェーンを活用したNFTコンテンツ)の販売なども予定されています。

つまり、観光地でルーラコインでしか購入できない限定グッズを販売し、それをネット上で売買できるようにすることで、さらなるユーザー獲得と観光地活性化を図る。というのが狙いです。

アニメや漫画などのサブカルチャーが好きな方は、聖地巡礼をして、それぞれの温泉地で限定グッズを購入。実際に現地へ行けない人も、それを交換したり、売買したりすることで楽しむことができるというわけです。

実証実験は、現在は以下の5つのエリアでスタートしています。

  • 有馬温泉エリア(兵庫県)
  • 飯坂温泉エリア(福島県)
  • 下田・伊東温泉エリア(静岡県)
  • 塩原温泉エリア(栃木県)
  • 小野川温泉エリア(山形県)

 

2月5日にスタートした兵庫県・有馬温泉では、サービス開始2日間で発行金額50万円、利用ユーザー100人を超えたそうです。その後、飯坂温泉、下田温泉を加えた3エリアの実証実験(2月5日~3月27日)では、チャージ金額が1日平均75,000円で推移し、累計400万円を突破。エリアのいずれかに観光した人数が200人を超え、観光地の加盟店間の回遊施策が機能したということもあってか、3エリア全てを観光した人数の割合は全体の12%という結果になったとのことです。

今後も島根県・玉造温泉、鳥取県・三朝温泉での導入、2022年以内に全国30カ所の観光地、温泉地でルーラコインの導入を予定。更に2023年までに利用できる温泉地、観光地を全国100箇所以上に増やしていく予定になっているので、地域の魅力を体験できる宿泊やアクティビティ、コンテンツなど、ルーラコインならではの商品やサービスが増えていき、新しい旅の楽しみ方に繋がっていけば面白いですね。

いずれにしろ早く以前のように自由に旅に出掛けられ、多くの温泉地や観光地が活気を取り戻せる日が来ることを願います。

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