2015.03.05 | イベント
SES長年の「伝統」にのっとり、今回のSESロンドンでも、大所高所からの戦略論だけでなく、日々、現場で様々なタスクに向き合うデジタルマーケティング担当者にヒントや気づきを与えてくれる、実務的なセッションが用意されていました。

その中の一つが、『Using Analytics to Make Sense of Your Audience Data(来訪者データから意味ある示唆を得るためのアクセス解析術)』と題されたセッション。

登壇した2名のスピーカーは、いずれも英国企業のいわゆる「ウェブ担当者」で、彼らが、日々、「サイトの価値」を高めるための施策を考えたり、あるいは、経営層に対して、「サイトの価値」を正しく理解してもらったりするために、データとどのように向き合っているのか、その取組が紹介されました。

特に面白かったのが、uswitch.comという比較サイトを運営するLukasz Zelezny氏の話。見た目は、こんな感じの人ですが、話を始めると、日々、データと丁寧に向き合っている様子がうかがえました。


その風貌とは裏腹に(?)、繊細な仕事ぶりが垣間見えたZelezny氏

彼は自社のアクセス解析データを前に、まずは、前月のセッション数を見せて、「ここからどんなストーリーが語れますか?おそらく、何も語れませんね?」と問いかけます。次に、前年同月比でセッション数が減少しているというグラフを見せて、「これで少し、何かストーリーは作れそうな感じがしますよね?」と続けます。

さらに、セッション数の減少に、直帰率の減少というグラフを重ね合わせることで、「直帰率の減少というデータが加わったことで、『(広告運用の見直しや流入キーワードの変化などにより)来訪者数は減ったけれども、よりターゲットにあった来訪者を獲得できたことで、実質的な閲覧者はむしろ増えた。』というストーリーが描けるようになるはず。」と。

一つデータが加わるごとに、ストーリーが深まっていく

最後にZelezny氏は、「目の前のデータを使って、チャートを量産したくなる誘惑に負けてはいけない。そのデータを加えることで、あなたが伝えたいストーリーに深みが増すかを吟味せよ。」という言葉でプレゼンを締めくくりました。



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