彼らをターゲットと考えるなら、マーケターは、そうした消費者マインドの変化を先読みして、今から動き始めることが必要である、と話します。
<Spikes Asia 2015に登壇したBBDO Greater ChinaのLopez-Vito氏>
爆買いに走る中国人富裕層は、中国語で「土豪」と呼ばれ、「趣味やセンスは最悪だが、高級品を買い漁るスーパーリッチ」というネガティブな意味がこめられているそうです。一方で、中国でも、若者たちの中には、こうした中国人の典型的な旅行スタイルに対して、否定的な見方をする人が増えています。
そうした変化に目をつけ、Visaが展開したのが「The Voice」というキャンペーンです。
<Visa The Voiceキャンペーン>
これは、中国人観光客が多く訪れる観光地などに、Visaが自転車のレンタルステーションを開設し、ナビ機能の付いた自転車を貸し出すことで、旅行者一人ひとりが、自分の行きたいところを決めて、自由に見て回るという新しい旅行スタイルを提案しています。(もちろん、ナビの中には、Visaの加盟店の案内もある訳ですが。)
さらに、そうして街を見て回る様子を撮影した動画は、ネットにも公開され、それを見ている中国人たちも、新しい旅行のスタイルを疑似体験できるようになっています。
いま、世界で最も消費意欲が旺盛な国を調査すると、トップ10のうち、7つがアジアの国々となっています。
<Consumer Confidence>
経済成長が著しい、アジアの人たち。今はまだ生活必需品や家電製品・宝飾品などの「爆買い」が目立つかもしれませんが、早晩、彼らも、自分たちの意志や好みで、本当に価値があると感じられるものを選んで買い求めるようになっていきます。それは、アジアに、非常に大きな「ライフスタイル消費」市場が誕生することを意味します。
我々日本のマーケターも、来たるべき「その日」に備えておく必要がありそうですね。