2016.03.31 | UX
UXランキング(航空会社編)の個別ランキング解説。第7位はピーチ・アビエーション。

まずPCサイトを見ると、モニタの大型化・高解像度化が進んだ現在、約960ピクセルという横幅はやや狭く、この結果、画面左側の「ニュース」欄に表示された情報もテキストが小さく、全体がゴチャゴチャして読みにくいという印象を与えています。

<ピーチ・アビエーションTOP ページ>


一方、予約フォームにおいては、出発地の入力フィールドをクリックすると、リストから出発地を選択できるようになっており、その後は、目的地・往路出発日・復路出発日のリスト・カレンダーが順番に表れるので、それに従って選択をしていけば、予約に必要な情報がスムーズに入力できるという快適なエクスペリエンスが提供されています。

<ピーチ・アビエーションの予約フォーム>


ところが、このサイトの最大の問題は、予約条件を入力した後のレスポンスの悪さです。特にPCサイトにおいては、フライトの検索が始まると、かなりスピードが遅くなってしまいます。他のコンテンツはストレスなく表示されるので、これはフライト検索システムの問題なのでしょうか。

2~3秒待たされると、40%~50%が離脱するとも言われる中、このサイトのレスポンスの悪さは、ユーザーエクスペリエンスの観点からはかなりの減点要素となりました。

一方、フライトを選択し、搭乗者情報を入力すると、座席や預入手荷物の有無などの選択に入りますが、自分の選択によって、価格がどう変わるかも一覧で確認できるようになっており、UI面では工夫の跡も感じられます。

<座席や受託手荷物の選択画面>


次にスマホで閲覧してみると、TOPページや予約フォームなど、主要な画面はモバイル対応されているように見えますが、スマホでTOPを見ると、ページの下部に「詳しくはPCサイトをご覧下さい」という記載が!?

<ピーチ・アビエーション スマホTOP>


全てのページ・コンテンツがモバイル対応できていないということを素直に認めているという点では「潔い」と言えるのかもしれません。ですが、スマホサイトで閲覧している人の多くは、全てのタスクを、スマホに最適化された環境の中で、ストレスなく完了させたいと思っているはずです。

たとえば、搭乗便を選び、搭乗者情報を入力した後に表示される画面を見ると、『スポーツ用品は、インターネットからはご購入いただけません。』という記載があるのですが、これも今ひとつ何のことか意味が分からず、『詳しくは弊社HPをご確認下さい。』というリンクを押すと、今度は、PCサイトに戻されてしまいます。

<中途半端なモバイル対応>


予約フォームの入力画面など、ユーザビリティに配慮された設計も随所に見られるだけに、モバイルへの対応やサイトのレスポンスなどが改善できれば、ランキングの大幅な改善も期待できるでしょう。



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