2022.01.28 | コラム

オレンジのハイヒールが買いたくなるモーメント

NHKを含む全てのテレビ局がオミクロンのニュースで盛り上がってスタートした2022年。人の課題に対して、解決策を提案する仕事をしている私としては、課題の解決に繋がらないネガティブ情報満載、かつ、意図的にコロナへの不安を煽っているようにさえ思える番組の内容に強い苛立ちを感じています。あふれる情報に惑わされずに、これまで以上に、信頼できる情報を収集する力、ネットワーク、そして、自分の行動に責任を持つ、ということがますますが重要になりそうです。

そして、さすがにコロナ3年目となると、人々の生活・マインドもこれまでとは変わっていくでしょう。先日も弊社のLAデザインセンターのデザイナーと話をしたところ、この2年間、ユニクロ一辺倒で、オシャレをするキモチにならなかったけれど、つい先日、すごく派手なモノを買いたくなり、久し振りにハイヒールを買ったと。しかもオレンジ!不思議なことに、この画像を見ていると、私までが「オレンジのハイヒール、いいかも!」という気になります。

コロナ3年目、消費者はこれまでの行動とは異なる、何か、ド派手なモノ、エクサイティングなコトを求め始めているのかもしれません。

Cookieless時代の到来で、頼りになるのは気象データ

過去の行動履歴に頼れなくなるクッキーレス時代の到来に、消費者との接点作りに悩むマーケターも多いかもしれません。オレンジのハイヒールのように、女性のファッションに関しては、実は、大切なことは過去の購買履歴ではなく、女性がモノを買いたくなるモードを把握することかもしれません。いくらデータを読み込んでも、ユニクロユーザーにハイブランドのヒールを提案することはできませんからね。

海外では、買いたくなるモードにさせる一つの要因にお天気が関係するという面白い調査結果があります。その調査によると人は日光を浴びると、皮膚を通してセロトニンを生成。セロトニンは精神の安定や安心感、また、直感力を上げるなど、脳を活発に働かせる鍵となる脳内物質で、セロトニンが欠乏すると気分の落ち込みを引き起こす可能性があるとのことです。このセロトニンは、マーケターにとっても消費者の購買行動を理解するための重要な要素になるようです。というのは、曇りの日と比較して、消費者は晴天の日により高額な買い物をする傾向にあるからだそうです。晴れている日は気持ちも明るくなり幸福感もアップ、太っ腹になり、お財布のヒモが緩む。私も何度かそんな経験をした気がします。(笑)

海外では、一流ブランドが次々に気象に連動したキャンペーンを開始

初対面の人と話しをする時に、お天気ほど便利なコンテンツはありません。お天気の話から切り出せば、シャイな人でもそこから自然に会話を始めることができるでしょう。
アメリカのBSTROというデジタルエージェンシーによると同じ考え方がマーケティングの世界でも言えるとのこと。

例えば、初めて接触する見込み客に広告を配信する場合、広告に接触した側はその広告について「怪しい」と感じる可能性は高い。一方で、広告のキャッチコピーや画像に気象の要素を取り入れると、広告主と顧客の間に、信頼関係が構築され、特に天気によって人の気持ちや行動が影響される場合、その効果は更に強まるとのこと。

この点に目をつけたのがP&G。2013年に雨や湿気によるヘアスタイルの乱れに悩む女性をダーゲットにパンティーンというシャンプーの大規模なキャンペーンを気象に連動して実施、その結果、売上が大幅アップ、各方面から注目を浴びました。

ヘアケアだけでなく、海外では、ベルギービールの老舗「Stella Artois」、アパレルブランド「URBAN OUTFITTERS」や「ダンキンドーナッツ」も気象に連動したメッセージを顧客に配信。ダンキンドーナツは、雪が降っている地域の顧客に「ドーナツを食べて温まって下さい」といったメッセージとクーポンを送り、URBAN OUTFITTERSは雪が降りそうな地域の顧客へアプリでのショッピングを薦めるなど、気象に連動した広告を配信することで顧客との信頼関係を築くことに成功したとのことです。


感度の高い女性をターゲットとしたアパレルブランド「ADORE」は、
弊社が独自開発した気象連動型広告配信ツール「weathermarketing.net」を利用し、
その日の天気に合わせて広告を配信。CTRとCV率の大幅アップを実現しました。

 

普通な広告はスルー、よりパーソナイズされた広告を求めはじめた消費者

Facebookは昨年調査を実施し、パーソナライズされた広告を配信することで15%売上がアップするという結果を発表しています。繰り返し表示される同じようなメッセージやクリエイティブに飽き飽きしている消費者に対して、マーケターは、良い意味で目立ち、また、エンゲージメントに繋がる広告とは、何かを真剣に考えるタイミングに来ているようです。

2年以上になるコロナの影響で人々のマインドが変わり、また、Cookielessが始まる今、もはや過去データは何の意味も持たなくなるでしょう。欧米では、ここ数年様々な企業が気象をマーケティングに取り入れ始めています。消費者にパーソナライズしたコミュニケーション戦略を考え、企業と消費者の関係を強化するためには、「気象」が不可欠だと考えているようです。

気象に合わせた広告配信は人を幸せにする

弊社ブログでも度々ご紹介してきた気象連動型広告配信ツール「weathermarketing.net」。昨年夏にロンチして以来、様々な企業からお問い合わせを頂いています。また、既に成功事例も出てきており(成功事例のご紹介は後日、ブログで)、これまで肌感覚で企業の売上と気象に連動すると思っていたことが、現実になってきています。また、気象に合わせて広告を配信することで、売上が増えるだけでなく、顧客の課題を解決することができると考えています。気がついたら自分のお悩みを解決してくれていた、新たな可能性を気づかせてくれた、そんな新たな広告体験ができれば、広告は人を幸せにすると言えるでしょう。

技術の世界に*「Calm Technology」があるように、このツールが広告業界に新風を吹き込み、広告の世界に「Calm Advertising」という考え方が生まれるかもしれません。

*ユーザーがそのテクノロジーを意識するのではなく、目立たないがきちんと機能設計されたテクノロジーのこと

weathermarketing.netの詳細はこちら

【お知らせ】
国内最大規模の印刷・メディアビジネスの総合イベント「page2022」に出展します!
ブースでは、気象連動型広告配信ツール「weathermarketing.net」のデモを行いますので、ご興味がある方はぜひ、お立ち寄りください。

【イベント情報】
国内最大規模の印刷・メディアビジネスの総合イベント「page2022」

<リアル展示会開催概要>
日程:2月2日(水)~2月4日(金)
場所:サンシャインシティコンベンションセンター
時間:開場10:00~18:00 (最終日のみ17:00迄)
ルグランブース:マーケティングサービスゾーン DT-01
主催:公益社団法人日本印刷技術協会

<オンラインカンファレンス・セミナー開催概要>
日程:1月31日(月)~2月10日(木)

詳細はこちら→
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