2016年2月16日(火)から17日(水)東京ビッグサイトで開催されたマーケティング・テクノロジーイベント「tfm (technology for marketing)」に参加してきました。興味深いセッションがいくつかありましたので、その内容をレポートします。
ご存知の方も多いかと思いますが、tfmではマーケティング、広報・PR、広告宣伝、営業企画・開発から 経営、経営企画、商品開発、情報システム担当者向けに、最新のマーケティング手法やノウハウをテーマにセミナーや展示を行っています。ルグランが今、特に力を入れているUXをテーマとした内容も多く、その中でも特に印象的だったのはエイトブランディングデザイン代表取締役 西澤明洋氏のセッションでした。
西澤氏のセッションのテーマは「企業経営におけるブランディングデザインの方法と実践」。良いものの価値を消費者に的確に伝えるための“伝言ゲーム” に必要なのは、企画開発からアウトプットのデザイン、そして販売方法までを見越した、実践的なブランディングデザインの考え方であるとのこと。西澤氏独自の開発手法「フォーカスRPCD」のフローにのせて、ブランディングの概要から最新事例までを解説して下さいました。経営において、本当に効果的なブランディングとは?マーケティングとの違いとは?コンセプトを表現したデザインとは?など、ブランド強化に悩む人達へのヒントが満載でした。
西澤氏の元には多岐に渡る企業からの「商品」をブランディングするプロジェクトに関する依頼あり、今回のセミナーでは、その中の「とある絨毯ブランドのブランディング」を事例として紹介。
ブランディングとは「差別化」 であり、“ブランディング≠マーケティング”であることを「水」を例に説明。ブランディングとは水が本当に美味しく、それを思わず人が誰かに伝えたくなってしまう「感情」を作り出すことであり、言い換えれば ”伝言ゲーム” を生み出すことであるとのこと。さらに、RPCDという考え方が大切であり、これを絨毯ブランドの例に当てはめて解説。
R....リサーチ(プロジェクト初動のためにそのブランドの強みを探し組み立てる)
P....プラン(現段階での問題点を洗い出し、コンテンツを組み立て直し、リブランディング)
C....コンセプト(そのブランドがお客に対して提供するサービスにおいて、最も重要な使命)
D....デザイン(若年層にも受け入れられる価格を抑えた現代ラインのデザインを開発)
この4つの手順によってブランディングを行い、ここからパンフレット、WEBやムービーといったコンテンツで拡散していくのだが、その際にも、「まず伝える」ということがブランディングの根幹にあることを念頭に置き、さらに一貫性を持って伝えて行かなくてはならない。また、ブランディングには、以下の3つが必要不可欠だともお話されていました。
1 熱い想いを持ったそのブランドのトップ
2 本当に人々に伝えるべき良い商品
3 それを伝えてゆくプロフェッショナルのチーム
私も社内で、UXの実現のためにカスタマージャーニーを基にしたエクスペリエンスマップを作成する際に、顧客行動を見直すことで真の顧客心理を探り、それにより改善策や顧客の要求に気がつくことができるという経験をします。今後も国内外のUX/UDに関する最新情報を入手し、クライアントのブランドに対する思いを伝えていくプロフェッショナルでありたいと、強く感じたセッションでした。
2016.02.04 | UX
2016.01.28 | UX
2016.01.07 | UX
2015.12.17 | セミナー
ご存知の方も多いかと思いますが、tfmではマーケティング、広報・PR、広告宣伝、営業企画・開発から 経営、経営企画、商品開発、情報システム担当者向けに、最新のマーケティング手法やノウハウをテーマにセミナーや展示を行っています。ルグランが今、特に力を入れているUXをテーマとした内容も多く、その中でも特に印象的だったのはエイトブランディングデザイン代表取締役 西澤明洋氏のセッションでした。
西澤氏のセッションのテーマは「企業経営におけるブランディングデザインの方法と実践」。良いものの価値を消費者に的確に伝えるための“伝言ゲーム” に必要なのは、企画開発からアウトプットのデザイン、そして販売方法までを見越した、実践的なブランディングデザインの考え方であるとのこと。西澤氏独自の開発手法「フォーカスRPCD」のフローにのせて、ブランディングの概要から最新事例までを解説して下さいました。経営において、本当に効果的なブランディングとは?マーケティングとの違いとは?コンセプトを表現したデザインとは?など、ブランド強化に悩む人達へのヒントが満載でした。
西澤氏の元には多岐に渡る企業からの「商品」をブランディングするプロジェクトに関する依頼あり、今回のセミナーでは、その中の「とある絨毯ブランドのブランディング」を事例として紹介。
ブランディングとは「差別化」 であり、“ブランディング≠マーケティング”であることを「水」を例に説明。ブランディングとは水が本当に美味しく、それを思わず人が誰かに伝えたくなってしまう「感情」を作り出すことであり、言い換えれば ”伝言ゲーム” を生み出すことであるとのこと。さらに、RPCDという考え方が大切であり、これを絨毯ブランドの例に当てはめて解説。
R....リサーチ(プロジェクト初動のためにそのブランドの強みを探し組み立てる)
P....プラン(現段階での問題点を洗い出し、コンテンツを組み立て直し、リブランディング)
C....コンセプト(そのブランドがお客に対して提供するサービスにおいて、最も重要な使命)
D....デザイン(若年層にも受け入れられる価格を抑えた現代ラインのデザインを開発)
この4つの手順によってブランディングを行い、ここからパンフレット、WEBやムービーといったコンテンツで拡散していくのだが、その際にも、「まず伝える」ということがブランディングの根幹にあることを念頭に置き、さらに一貫性を持って伝えて行かなくてはならない。また、ブランディングには、以下の3つが必要不可欠だともお話されていました。
1 熱い想いを持ったそのブランドのトップ
2 本当に人々に伝えるべき良い商品
3 それを伝えてゆくプロフェッショナルのチーム
私も社内で、UXの実現のためにカスタマージャーニーを基にしたエクスペリエンスマップを作成する際に、顧客行動を見直すことで真の顧客心理を探り、それにより改善策や顧客の要求に気がつくことができるという経験をします。今後も国内外のUX/UDに関する最新情報を入手し、クライアントのブランドに対する思いを伝えていくプロフェッショナルでありたいと、強く感じたセッションでした。
前回のブログでは、サービスデザイン・ジャパン・カンファレンス2016に登壇したAdaptive Path 社Jamie Hegeman 氏の基調講演の概要をご紹介しました。
Hegeman 氏は、社外のデザインエージェンシーという立場で、クライアントの サービスデザインをサポートしているのに対し、続いて登壇したKatrine Rau氏は、GE の工業用・産業用製品部門で、IoT 関連サービスを企画・設計すると いう立場から、サービスデザインという考え方を、社内で具現化し、定着させていくためのプロセスやチャレンジについて話をしました。
<GE でサービスデザインを担当するKatrine Rau 氏>
立場の違いこそあれ、Rau 氏も、GE に所属する様々なステークホルダーを相手に、サービスデザインの重要性を説き、必要なプロセスを実施・定着させてい くためには、「非デザイナー」である彼らをいかに巻き込むかが大切であると強調しました。
その上でRau 氏は、自身の経験から、サービスデザインを成功に導くために必 要なポイントを5 ヶ条にまとめて紹介をしました。
<サービスデザインを成功させるための5 ヶ条>
(Slideshare 公開資料より引用)
1. 現場で培われてきた文化や流儀を否定しない
2. 利用者・提供者双方の立場に立って考える
3. 人々が抱える問題を解決するのがデザインの役割
4. 常に「新参者」の視点を忘れない
5. 欲張らずにできるところから始める
詳しくは、Rau 氏のプレゼン資料がSlideshareに公開されていますので、そちらもぜひお読み下さい。
ユーザーエクスペリエンス(UX)が、エンドユーザーのエクスペリエンスに重点を置いているのに対し、利用者・提供者双方を満足させるエクスペリエンス の提供が求められるサービスデザインにおいては、”Co-Creation”のプロセス、つまり、「非デザイナーである、ステークホルダー達も、サービスデザインのプ ロセスに参加できるよう後押しをすること」が非常に大切であるとRau 氏は強調します。
ちなみに、Hegeman 氏は、”Embed”という言葉を使っていましたが、サービスデザインにおいて、「非デザイナー」であるステークホルダーをいかに巻き込む かが大切、という点では、二人とも、同じことを繰り返し強調していたのが大変印象的でした。 Read more
<GE でサービスデザインを担当するKatrine Rau 氏>
立場の違いこそあれ、Rau 氏も、GE に所属する様々なステークホルダーを相手に、サービスデザインの重要性を説き、必要なプロセスを実施・定着させてい くためには、「非デザイナー」である彼らをいかに巻き込むかが大切であると強調しました。
その上でRau 氏は、自身の経験から、サービスデザインを成功に導くために必 要なポイントを5 ヶ条にまとめて紹介をしました。
<サービスデザインを成功させるための5 ヶ条>
(Slideshare 公開資料より引用)
1. 現場で培われてきた文化や流儀を否定しない
2. 利用者・提供者双方の立場に立って考える
3. 人々が抱える問題を解決するのがデザインの役割
4. 常に「新参者」の視点を忘れない
5. 欲張らずにできるところから始める
詳しくは、Rau 氏のプレゼン資料がSlideshareに公開されていますので、そちらもぜひお読み下さい。
ユーザーエクスペリエンス(UX)が、エンドユーザーのエクスペリエンスに重点を置いているのに対し、利用者・提供者双方を満足させるエクスペリエンス の提供が求められるサービスデザインにおいては、”Co-Creation”のプロセス、つまり、「非デザイナーである、ステークホルダー達も、サービスデザインのプ ロセスに参加できるよう後押しをすること」が非常に大切であるとRau 氏は強調します。
ちなみに、Hegeman 氏は、”Embed”という言葉を使っていましたが、サービスデザインにおいて、「非デザイナー」であるステークホルダーをいかに巻き込む かが大切、という点では、二人とも、同じことを繰り返し強調していたのが大変印象的でした。 Read more
1月23日に慶應義塾大学・日吉キャンパスで、サービスデザイン・ジャパン・カンファレンス 2016というイベントが開催されました。
このイベントを主催しているサービスデザインネットワーク(SDN)という団体は、サービスデザインに関わるプロフェッショナルや研究者たちが集まるグローバルな組織で、日本においても2013年から、サービスデザイン・ジャパン・カンファレンスというイベントを開催しています。
冒頭の基調講演に登壇したのは、SDN本部の代表メンバーでもある、米国のサービスデザイン・エージェンシー Adaptive Path社のJamie Hegeman氏。
Hegeman氏は、サービスデザインの検討・設計にあたり、『利用者のエクスペリエンス(いわゆるカスタマーエクスペリエンス)』だけを考えるのでは不充分だと指摘します。
サービスが利用・提供されるためには、『利用者』に加えて、サービスを提供する側の『現場のスタッフ』さらには『経営層』の存在も不可欠であり、これら3つのステークホルダーが、全て満足するようなエクスペリエンスを提供できるかどうかが、サービスデザインを考える上で、大変重要だとHegeman氏は強調します。
一方で、これらのステークホルダーは、通常、エクスペリエンスデザイン(XD)の専門家ではないため、サービスデザインの現場では、常に、「デザイナー」と「非デザイナー」との間に生ずる様々なギャップや軋轢をどう解消するかが大きな課題となります。
このため、デザイナー側には、非デザイナーであるステークホルダーに対して、何かを「伝える」「教える」という姿勢よりも、かれらを「巻き込む」ための工夫が求められます。(Hegeman氏は、これを”Embed”という言葉で表現していました。)
その際に重要となるのは、「デザイナー」と「非デザイナー」がスムーズに会話できるための共通の言語を持つことです。
そこで役に立つのが”Experience Map” や”Blueprint”といったツールです。こうしたツールを使うことで、サービスの利用にまつわる利用者・提供者側の体験を、言葉や概念だけでなく、ビジュアルなイメージとしても共有できるようになるので、サービスデザインの専門家ではないステークホルダーの人たちも、積極的に議論に参加することができるようになります。
ルグランでも、ウェブサイトの制作・リニューアルや、モバイルアプリの開発にあたっては、”Experience Map”などのツールを使い、まずは、クライアントや利用者の方々と一緒に、利用者・提供者それぞれの立場からみたエクスペリエンスを、1つのストーリーとして視覚化していくというプロセスを大切にしています。
サービスの利用者や提供者が、どこで不満やストレスを感じているかが見えてくると、ウェブサイトやモバイルアプリのエクスペリエンスをどのようにデザインするべきかが、おのずと見えてきます。クライアントに対してエクスペリエンスデザインを支援するという、同じ立場で仕事をする今回のHegeman氏の講演は、多くの示唆に富むものでした。 Read more
<Service Design Japan Conference 2016>
このイベントを主催しているサービスデザインネットワーク(SDN)という団体は、サービスデザインに関わるプロフェッショナルや研究者たちが集まるグローバルな組織で、日本においても2013年から、サービスデザイン・ジャパン・カンファレンスというイベントを開催しています。
冒頭の基調講演に登壇したのは、SDN本部の代表メンバーでもある、米国のサービスデザイン・エージェンシー Adaptive Path社のJamie Hegeman氏。
<Adaptive Path社のJamie Hegeman氏>
Hegeman氏は、サービスデザインの検討・設計にあたり、『利用者のエクスペリエンス(いわゆるカスタマーエクスペリエンス)』だけを考えるのでは不充分だと指摘します。
サービスが利用・提供されるためには、『利用者』に加えて、サービスを提供する側の『現場のスタッフ』さらには『経営層』の存在も不可欠であり、これら3つのステークホルダーが、全て満足するようなエクスペリエンスを提供できるかどうかが、サービスデザインを考える上で、大変重要だとHegeman氏は強調します。
一方で、これらのステークホルダーは、通常、エクスペリエンスデザイン(XD)の専門家ではないため、サービスデザインの現場では、常に、「デザイナー」と「非デザイナー」との間に生ずる様々なギャップや軋轢をどう解消するかが大きな課題となります。
このため、デザイナー側には、非デザイナーであるステークホルダーに対して、何かを「伝える」「教える」という姿勢よりも、かれらを「巻き込む」ための工夫が求められます。(Hegeman氏は、これを”Embed”という言葉で表現していました。)
その際に重要となるのは、「デザイナー」と「非デザイナー」がスムーズに会話できるための共通の言語を持つことです。
そこで役に立つのが”Experience Map” や”Blueprint”といったツールです。こうしたツールを使うことで、サービスの利用にまつわる利用者・提供者側の体験を、言葉や概念だけでなく、ビジュアルなイメージとしても共有できるようになるので、サービスデザインの専門家ではないステークホルダーの人たちも、積極的に議論に参加することができるようになります。
ルグランでも、ウェブサイトの制作・リニューアルや、モバイルアプリの開発にあたっては、”Experience Map”などのツールを使い、まずは、クライアントや利用者の方々と一緒に、利用者・提供者それぞれの立場からみたエクスペリエンスを、1つのストーリーとして視覚化していくというプロセスを大切にしています。
サービスの利用者や提供者が、どこで不満やストレスを感じているかが見えてくると、ウェブサイトやモバイルアプリのエクスペリエンスをどのようにデザインするべきかが、おのずと見えてきます。クライアントに対してエクスペリエンスデザインを支援するという、同じ立場で仕事をする今回のHegeman氏の講演は、多くの示唆に富むものでした。 Read more
みなさん、あけましておめでとうございます。
昨年末に配信した「クリスマスニュースレター」では、「2016年はエクスペリエンスデザイン元年」というテーマで、ウェブサイトやモバイルアプリ、更にはサービスそのもののデザインを考える上で、「どうすればより良いユーザーエクスペリエンスが提供できるのか?」という視点、つまり「エクペリエンスデザイン(XD)」という考え方が、大変重要になってくる、というお話をしました。
ルグランでは、このXDの重要性を、多くの方に、できるだけ具体的に理解をしてもらうことを目的に、毎年、いくつかの業種・業界を選び、ユーザーエクスペリエンスという視点から、ウェブサイトを評価する「UXランキング」を発表しています。
アドテック東京のルグランルーム、およびアドテック関西のルグランブースにご来場頂いた方々には、既に先行して公開しておりますが、昨年は、航空業界とメガネ業界について、UXランキングを実施しました。
そこで、本ブログでは、これらのUXランキングの内容、および各社のウェブサイトに対する評価のポイントや改善点について、順次、ご案内していきます。今後、みなさんがユーザーエクスペリエンスを中心に据えたデザインを考えていく上で、何か参考にして頂ければ幸いです。(もちろん、最良のユーザーエクスペリエンスを実現するための方法を、ルグランも一緒に考えて欲しい、というご相談も大歓迎です!)
今回は、航空業界各社のウェブサイトに関するランキングを発表します。
<航空業界各社のUXランキング>
ちなみに、ユーザービリティ調査などを実施する場合にも言えることですが、ユーザーエクスペリエンスという切り口でウェブサイトを評価する場合、サイトの見た目にばかりに注目しても意味がありません。大切なことは、評価の基準となる「タスク」を明確に設定するということです。
つまり、「そのウェブサイトで来訪者に何をさせるのか?」というタスクを明確に設定した上で、個々のウェブサイトは、来訪者に対して、適切なユーザーエクスペリエンスを提供できているかどうか、という視点で評価を行います。
航空各社のウェブサイトの評価にあたっては、「特に利用頻度が高いと思われるビジネスユーザーを主たるターゲットと考え、PCもしくはモバイルサイトから、経路や運賃・運行状況といった情報を確認したり、実際にチケットの予約や購入を行ったりする」というタスクに対し、各社のウェブサイトが、どういったユーザーエクスペリエンスを提供できているか、という観点から評価を行いました。
なお、本評価は、ルグラン・LAデザインセンターのメンバーが中心となり、2015年9月に実施したものですが、その後、各社のウェブサイトには、改修・改良が加えられたものもありますので、その点は予めご了承下さい。
<ランキング(評点※)>
※100点満点
1. ジェットスタージャパン 76点
2. 日本航空(JAL) 73点
3. 全日本空輸(ANA) 65点
4. スカイマーク 57点
5. バニラ・エア 51点
6. エアアジアジャパン 50点
7. ピーチアビエーション 47点
8. 春秋航空日本 40点
次回からは、各社のウェブサイトに対する評価の内容について、個別にご紹介をしていきますので、どうぞお楽しみに。
Read more
ルグランでは、このXDの重要性を、多くの方に、できるだけ具体的に理解をしてもらうことを目的に、毎年、いくつかの業種・業界を選び、ユーザーエクスペリエンスという視点から、ウェブサイトを評価する「UXランキング」を発表しています。
アドテック東京のルグランルーム、およびアドテック関西のルグランブースにご来場頂いた方々には、既に先行して公開しておりますが、昨年は、航空業界とメガネ業界について、UXランキングを実施しました。
そこで、本ブログでは、これらのUXランキングの内容、および各社のウェブサイトに対する評価のポイントや改善点について、順次、ご案内していきます。今後、みなさんがユーザーエクスペリエンスを中心に据えたデザインを考えていく上で、何か参考にして頂ければ幸いです。(もちろん、最良のユーザーエクスペリエンスを実現するための方法を、ルグランも一緒に考えて欲しい、というご相談も大歓迎です!)
今回は、航空業界各社のウェブサイトに関するランキングを発表します。
<航空業界各社のUXランキング>
ちなみに、ユーザービリティ調査などを実施する場合にも言えることですが、ユーザーエクスペリエンスという切り口でウェブサイトを評価する場合、サイトの見た目にばかりに注目しても意味がありません。大切なことは、評価の基準となる「タスク」を明確に設定するということです。
つまり、「そのウェブサイトで来訪者に何をさせるのか?」というタスクを明確に設定した上で、個々のウェブサイトは、来訪者に対して、適切なユーザーエクスペリエンスを提供できているかどうか、という視点で評価を行います。
航空各社のウェブサイトの評価にあたっては、「特に利用頻度が高いと思われるビジネスユーザーを主たるターゲットと考え、PCもしくはモバイルサイトから、経路や運賃・運行状況といった情報を確認したり、実際にチケットの予約や購入を行ったりする」というタスクに対し、各社のウェブサイトが、どういったユーザーエクスペリエンスを提供できているか、という観点から評価を行いました。
なお、本評価は、ルグラン・LAデザインセンターのメンバーが中心となり、2015年9月に実施したものですが、その後、各社のウェブサイトには、改修・改良が加えられたものもありますので、その点は予めご了承下さい。
<ランキング(評点※)>
※100点満点
1. ジェットスタージャパン 76点
2. 日本航空(JAL) 73点
3. 全日本空輸(ANA) 65点
4. スカイマーク 57点
5. バニラ・エア 51点
6. エアアジアジャパン 50点
7. ピーチアビエーション 47点
8. 春秋航空日本 40点
次回からは、各社のウェブサイトに対する評価の内容について、個別にご紹介をしていきますので、どうぞお楽しみに。
盛況のうちに幕を閉じたアドテック東京・ルグランルーム。本ブログでは、前回に続き、2日目のセッションについてレポートします。
1→10 HOLDINGS 最高執行責任者/クリエイティブ・ディレクター 小川丈人氏
ブランドコミュニケーションの新潮流~Cannes Lions 2015より学ぶ~
ルグランルーム 2日目の最初は、2014年に、自らもカンヌライオンズ(Lions Health)でブロンズを受賞した小川氏が登壇。今年のカンヌライオンズで、小川氏が参加したセミナーや、注目された受賞作などを振り返りながら、ブランドコミュニケーションの最新のトレンドについてお話を頂きました。中でも、賛否が分かれそうなテーマについて、ブランド側が、あえて問題提起をすることで、多くの人々を議論に巻き込むという手法については、ともすると無難な方向に走りがちな、我が国のマーケターに、新たな視座を与えるものであったと思います。
日本アイ・ビー・エム株式会社 デジタル・セールス事業 新規ビジネス開発担当主任 佐藤良氏
“個”客マーケティングへつなげる高度解析の必要性
多くの企業の「データ分析の現場」に立ち会う機会の多い佐藤氏。膨大なデータを集めてはみたものの、意味のある分析ができていないケースも多いと警鐘を鳴らします。近年話題の「オムニチャネル」も、ネットとリアルの間でデータが統合できていないために、ネットとリアルの間を自由に往来する消費者の行動に分析側がついていけないことも多いとか。我が国でも、データドリブンマーケティングが浸透するためには、データ分析に必要な素養を持つ人材の育成や採用、更には、彼らをサポートするインフラ作りに適切な投資をする、という経営層の意識改革もまだまだ必要となりそうです。
朝日インタラクティブ株式会社 CNET Japan編集長 別井貴志氏
CNET編集長が語る、ITで変わるこれからのエデュケーション~スマートネイティブが見てる世界とは?~
CNET Japanの編集長として、日頃から、様々な技術の進歩や変化が、人々の生活にもたらす影響についてウォッチしている別井氏。ルグランルームでは、今の中高生を中心とした「スマホネイティブ世代」に特有の行動様式についてお話を頂きました。特に、「スマホサイト以外で買い物ができない高校生」「クリックやドラッグアンドドロップはもはや死語」という話は、参加者はもとより、今回のルグランルーム実況ツイートの中でも最も多くRTされるなど、多くの関心を集めました。あと数年で消費市場の担い手として世に出て来る彼らの生態をきちんと理解しておくことは、「次世代マーケティング」で成功を収めるためのカギになりそうです。
Sharethrough Inc. 日本市場ビジネス代表 高広伯彦氏
コンテンツを広告化し、媒体・広告主・ユーザーの三方良しを目指す
ルグランルームの最後に登壇頂いた高広氏には、ネイティブ広告の配信で急成長している米国Sharethrough社の日本代表というお立場から、ネイティブ広告の仕組みや我が国の現状についてお話を頂きました。まずは「ネイティブ」という英語は、「エイリアン=外来生物」の反対語なのだという説明から。そして”Form”と”Function”の両面において、配信先となる媒体のコンテンツと同化・一体化していることがネイティブ広告の条件であり、マーケターは、ユーザーのコンテンツ体験をできるだけ阻害しない形で広告を配信することが、中長期的には、媒体や広告主の利益にも叶うということを理解すべきと強調。最後は、オーバーチュア・アドワーズそれぞれの立ち上げに携わった、弊社代表 泉と高広氏との間で、検索連動型広告も「検索結果としても成立する広告」を目指したという点で、ネイティブ広告に共通する点が多く、実際、Sharethrough社にはGoogleでアドワーズのビジネスに携わった人も多く参画している、といった話など、予定時間を超えて、興味深いディスカッションが行われました。 Read more
1→10 HOLDINGS 最高執行責任者/クリエイティブ・ディレクター 小川丈人氏
ブランドコミュニケーションの新潮流~Cannes Lions 2015より学ぶ~
ルグランルーム 2日目の最初は、2014年に、自らもカンヌライオンズ(Lions Health)でブロンズを受賞した小川氏が登壇。今年のカンヌライオンズで、小川氏が参加したセミナーや、注目された受賞作などを振り返りながら、ブランドコミュニケーションの最新のトレンドについてお話を頂きました。中でも、賛否が分かれそうなテーマについて、ブランド側が、あえて問題提起をすることで、多くの人々を議論に巻き込むという手法については、ともすると無難な方向に走りがちな、我が国のマーケターに、新たな視座を与えるものであったと思います。
日本アイ・ビー・エム株式会社 デジタル・セールス事業 新規ビジネス開発担当主任 佐藤良氏
“個”客マーケティングへつなげる高度解析の必要性
多くの企業の「データ分析の現場」に立ち会う機会の多い佐藤氏。膨大なデータを集めてはみたものの、意味のある分析ができていないケースも多いと警鐘を鳴らします。近年話題の「オムニチャネル」も、ネットとリアルの間でデータが統合できていないために、ネットとリアルの間を自由に往来する消費者の行動に分析側がついていけないことも多いとか。我が国でも、データドリブンマーケティングが浸透するためには、データ分析に必要な素養を持つ人材の育成や採用、更には、彼らをサポートするインフラ作りに適切な投資をする、という経営層の意識改革もまだまだ必要となりそうです。
朝日インタラクティブ株式会社 CNET Japan編集長 別井貴志氏
CNET編集長が語る、ITで変わるこれからのエデュケーション~スマートネイティブが見てる世界とは?~
CNET Japanの編集長として、日頃から、様々な技術の進歩や変化が、人々の生活にもたらす影響についてウォッチしている別井氏。ルグランルームでは、今の中高生を中心とした「スマホネイティブ世代」に特有の行動様式についてお話を頂きました。特に、「スマホサイト以外で買い物ができない高校生」「クリックやドラッグアンドドロップはもはや死語」という話は、参加者はもとより、今回のルグランルーム実況ツイートの中でも最も多くRTされるなど、多くの関心を集めました。あと数年で消費市場の担い手として世に出て来る彼らの生態をきちんと理解しておくことは、「次世代マーケティング」で成功を収めるためのカギになりそうです。
Sharethrough Inc. 日本市場ビジネス代表 高広伯彦氏
コンテンツを広告化し、媒体・広告主・ユーザーの三方良しを目指す
ルグランルームの最後に登壇頂いた高広氏には、ネイティブ広告の配信で急成長している米国Sharethrough社の日本代表というお立場から、ネイティブ広告の仕組みや我が国の現状についてお話を頂きました。まずは「ネイティブ」という英語は、「エイリアン=外来生物」の反対語なのだという説明から。そして”Form”と”Function”の両面において、配信先となる媒体のコンテンツと同化・一体化していることがネイティブ広告の条件であり、マーケターは、ユーザーのコンテンツ体験をできるだけ阻害しない形で広告を配信することが、中長期的には、媒体や広告主の利益にも叶うということを理解すべきと強調。最後は、オーバーチュア・アドワーズそれぞれの立ち上げに携わった、弊社代表 泉と高広氏との間で、検索連動型広告も「検索結果としても成立する広告」を目指したという点で、ネイティブ広告に共通する点が多く、実際、Sharethrough社にはGoogleでアドワーズのビジネスに携わった人も多く参画している、といった話など、予定時間を超えて、興味深いディスカッションが行われました。 Read more