2015.12.17 | セミナー
盛況のうちに幕を閉じたアドテック東京・ルグランルーム。本ブログでは、前回に続き、2日目のセッションについてレポートします。






1→10 HOLDINGS 最高執行責任者/クリエイティブ・ディレクター 小川丈人氏

ブランドコミュニケーションの新潮流~Cannes Lions 2015より学ぶ~

ルグランルーム 2日目の最初は、2014年に、自らもカンヌライオンズ(Lions Health)でブロンズを受賞した小川氏が登壇。今年のカンヌライオンズで、小川氏が参加したセミナーや、注目された受賞作などを振り返りながら、ブランドコミュニケーションの最新のトレンドについてお話を頂きました。中でも、賛否が分かれそうなテーマについて、ブランド側が、あえて問題提起をすることで、多くの人々を議論に巻き込むという手法については、ともすると無難な方向に走りがちな、我が国のマーケターに、新たな視座を与えるものであったと思います。


日本アイ・ビー・エム株式会社 デジタル・セールス事業 新規ビジネス開発担当主任 佐藤良氏
“個”客マーケティングへつなげる高度解析の必要性

多くの企業の「データ分析の現場」に立ち会う機会の多い佐藤氏。膨大なデータを集めてはみたものの、意味のある分析ができていないケースも多いと警鐘を鳴らします。近年話題の「オムニチャネル」も、ネットとリアルの間でデータが統合できていないために、ネットとリアルの間を自由に往来する消費者の行動に分析側がついていけないことも多いとか。我が国でも、データドリブンマーケティングが浸透するためには、データ分析に必要な素養を持つ人材の育成や採用、更には、彼らをサポートするインフラ作りに適切な投資をする、という経営層の意識改革もまだまだ必要となりそうです。


朝日インタラクティブ株式会社 CNET Japan編集長 別井貴志氏
CNET編集長が語る、ITで変わるこれからのエデュケーション~スマートネイティブが見てる世界とは?~

CNET Japanの編集長として、日頃から、様々な技術の進歩や変化が、人々の生活にもたらす影響についてウォッチしている別井氏。ルグランルームでは、今の中高生を中心とした「スマホネイティブ世代」に特有の行動様式についてお話を頂きました。特に、「スマホサイト以外で買い物ができない高校生」「クリックやドラッグアンドドロップはもはや死語」という話は、参加者はもとより、今回のルグランルーム実況ツイートの中でも最も多くRTされるなど、多くの関心を集めました。あと数年で消費市場の担い手として世に出て来る彼らの生態をきちんと理解しておくことは、「次世代マーケティング」で成功を収めるためのカギになりそうです。


Sharethrough Inc. 日本市場ビジネス代表 高広伯彦氏
コンテンツを広告化し、媒体・広告主・ユーザーの三方良しを目指す


ルグランルームの最後に登壇頂いた高広氏には、ネイティブ広告の配信で急成長している米国Sharethrough社の日本代表というお立場から、ネイティブ広告の仕組みや我が国の現状についてお話を頂きました。まずは「ネイティブ」という英語は、「エイリアン=外来生物」の反対語なのだという説明から。そして”Form”と”Function”の両面において、配信先となる媒体のコンテンツと同化・一体化していることがネイティブ広告の条件であり、マーケターは、ユーザーのコンテンツ体験をできるだけ阻害しない形で広告を配信することが、中長期的には、媒体や広告主の利益にも叶うということを理解すべきと強調。最後は、オーバーチュア・アドワーズそれぞれの立ち上げに携わった、弊社代表 泉と高広氏との間で、検索連動型広告も「検索結果としても成立する広告」を目指したという点で、ネイティブ広告に共通する点が多く、実際、Sharethrough社にはGoogleでアドワーズのビジネスに携わった人も多く参画している、といった話など、予定時間を超えて、興味深いディスカッションが行われました。

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