2015.09.17 | クリエイティブ
弊社でプロデュースをお手伝いしている土建屋さんの全国組織『どけんやナビ』がこの度、清澄白河のギャラリー「Gallery Forgotten Dreams」にて『陶藝家 瀬川辰馬が焼成した土建屋の夏の日の記憶』と題した作品展を開催することになりました。

<作品展のご案内>

日本には約47万もの建設会社があり、全国では、約447万人の、いわゆる「土建屋さん」が建設業に携わっています。しかし、土建屋さんの数は1995年の663万人をピークに年々減少傾向にあり、人手不足から、東北地方では、東日本大震災からの復興工事が進まないといった社会問題にもなっています。

建設業界については、公共事業の受注獲得に伴う談合疑惑や、税金の無駄遣い等々、そのイメージは必ずしも良いといえません。また、土建屋さんの仕事は、キケン・キツイ・キタナイの3K職種などと言われ、建設業界で働きたいという若い人たちも減っており、人手不足・後継者不足も深刻な問題となりつつあります。

しかしながら、頻発する自然災害からの復旧作業はもとより、除雪や治山・治水、道路や橋などの老朽化対策等々、私たちの日常は、日本の津々浦々で、黙々と汗を流す多くの土建屋さんたちの働きによって支えられていることも事実です。

そこで、今般、ルグランでは、クリエイティブディレクター・田中淳一さんと共に、こうした土建屋さんたちの日々の活動や生き様に焦点をあて、土建屋さん、延いては建設業界に対する人々のイメージを刷新し、建設業界で働いてみたいと思う人が一人でも増えることを目的としたキャンペーンを企画・実施することとなりました。このアート展も、その一環として開催されるものです。

なお、作品展の会場では、Go Pro社のご協力も得て、最新のモバイル・映像技術も駆使しながら、来場者の方々に、社会のインフラを支える土建屋さんたちの姿を、リアルに感じてもらえるような仕掛けも用意しています。

シルバーウィークのひととき、お散歩がてらに、ちょっと変わった作品展をのぞいてみませんか?

【アート展について】
 日時:2015年9月20日(日)~9月27日(日)*
 場所:Gallery Forgotten Dreams
 住所:135-0021 東京都江東区白河1-3-21, 2F MAP
 電話:03-5809-8217
 主催:どけんやナビ
 協力:GoPro

*20日(日)と26日(土)は、一般入場を制限させていただく時間帯があります。詳細はギャラリーにてお問合せください。

Read more
2015.09.10 | イベント
ルグランでは、マーケティングやテクノロジーに関する情報収集や、海外企業との情報交換・ネットワーキングを目的に、毎年、いくつかの海外カンファレンスに参加をしています。今週は、シンガポールで開催されているSpikes Asia 2015に来ていますので、本ブログでは、これから何回かに分けて、カンファレンスの様子をレポートしていきます。

Spikes Asiaの運営母体は、毎年6月に開催されているカンヌライオンズと同じで、いわばアジア版カンヌライオンズともいえる「広告祭(正確には”Festival of Creativity”)」です。28年の歴史があり、今年は18部門に4,351点の応募がありました。

会場はシンガポールのマリーナ地区にあるSuntecコンベンションセンターの中にありますが、セミナー会場・最終選考に残った作品の展示・出展社ブースなどが1つのフロアにまとまったコンパクトなレイアウトで、楽に見て回ることができます。


会場内には、3ヶ所のセミナー会場があり、3日間の会期中、約70名のスピーカーにより、様々なセッションが行われています。テーマは、クリエイティブなチームを作るためのヒントといった話から、データを活用した顧客理解といった話まで多岐に渡っていますが、1日目を終えたところでは、コミュニケーション戦略の立案や、効果の検証においてデータやテクノロジーをどう活用するのか、という話が多かった感じがしました。

最終選考作品の受賞結果については、最終日となる金曜日に発表されますが、PRやメディアなどいくつかの部門については、最終選考に残った作品をパネル展示で見ることができます。


こちらは今年のカンヌライオンズでもメディア部門でシルバーを受賞した韓国・バーガーキングのキャンペーンに関するパネルです。展示されているパネルには、企画が生まれた背景や、キャンペーンの内容、その成果や結果などがまとめられています。


パネルを見ると、これは、韓国のバーガーキングが、長時間の電車通勤でお疲れのサラリーマンに、寝過す心配をせずにゆっくりと居眠りができるよう「私は○○駅で降りるので着いたら起こして下さい。」と書かれたアイマスクを配る、というキャンペーンであったことが分かります。ちなみに、アイマスクには、コーヒーと引換えられるクーポンも付いていて、起こしてくれた人にお礼として渡せるようになっていたそうです。

この結果、バーガーキングは、朝の時間帯の売上が18.7%伸びたほか、バーガーキングのブランドに関するソーシャルメディア上での書き込みも44.5%増えたといった成果があったと書かれています。
果たして、このキャンペーンは、カンヌに続いて、このSpikes Asiaでも受賞作に選ばれるのか、金曜日の発表を楽しみに待ちたいと思います。

Read more
2015.08.20 | UX
前回のコラムでは、Googleが本当に推奨しているのは「モバイルサイトにおいても最良なユーザーエクスペリエンス(UX)を提供すること」であり、「レスポンシブデザイン」は、それを比較的簡単に実現するための選択肢の一つとして勧められているに過ぎない、というお話をしました。

モバイルサイトのデザインに関しては「アダプティブデザイン」という言葉も良く聞かれます。両者の間には、細かな技術的な違いはあるものの、いずれも「閲覧するデバイスの画面サイズに合わせて、コンテンツのサイズや配置が自動的に調整されるデザイン手法」という点は同じです。

確かに、PCに比べて、遙かに小さなスマートフォンの画面で見ても、閲覧や操作がしやすいようにしておくことは、モバイルサイトのUXを考える上での「必要条件」ではありますが、「十分条件」とは言い切れません。

実際、Googleも『スマートフォンのユーザーがモバイルサイトで必要とする最も重要なタスクは何か、という問いから始めることが重要である』と明言しています。

もし、モバイルサイトでは、PCサイトと大きく異なる意図や目的での利用が想定される場合、「レスポンシブデザイン」「アダプティブデザイン」でモバイルサイトを作ってしまうと、かえって「モバイルフレンドリー」から遠ざかってしまうことにもなりかねないので注意が必要です。

Read more
2015.08.06 | モバイル
スマートフォンの普及により、ここ数年、多くのウェブサイトでは、モバイル端末からのトラフィックが急増しています。既に、モバイル端末からの流入が、PCを上回っているサイトも少なくありません。

2015年の4月には、Googleがモバイル端末での利用や閲覧に最適化されている”モバイルフレンドリー”なウェブサイトの掲載順位を引き上げるというアルゴリズム変更を行ったことで、モバイル対応の重要性にも注目・関心が高まっています。

Read more
2015.07.23 | UX
最近は、日本でも、ウェブサイトやアプリのデザイン・機能を考える際に『UX(User Experience)が大事』といったことが(少しずつですが)言われるようになってきました。

とはいえ、多くの日本企業では、まだまだ、UXがビジネス戦略上の主要課題とは位置付けられていないのが現実です。ちなみに、弊社LAデザインセンターでUX戦略を統括する堀内が、現在LAで携わっているプロジェクトでは、サービス・アプリの開発にあたって、10数名のUXデザイナーが採用されています。

このため、UXという言葉自体に、まだ馴染みが薄いという方も多いと思いますが、ご参考までに、様々な国際規格を定めるISOによるUXの定義をご紹介します。

“a person’s perceptions and responses that result from the use of a product, system or service”

日本語にすると、

「製品やシステム・サービスの利用に伴って得られる一連の体験」

といった感じでしょうか。

つまり、見方を変えると、みなさんがUXを考えるヒントは町中にいくらでも転がっていると言えます。ここで、1枚の写真をご覧下さい。

<デリー国際空港のトイレ>

この写真は、インドに旅行した私の友人がFacebookに上げていたものを拝借したものですが、この友人は、実際、このトイレの入口に立った瞬間、どちらが女性用トイレなのかが分からず、無意識に「よくある男女のマーク」を探してしまった、とコメントをしていました。

そう、この『無意識に』というところが、UXを考える上では非常に重要なポイントなのです。

特にウェブサイトやアプリの世界では、ちょっとでもユーザーを迷わせたり、考えさせたりすると、本来の重要なタスク(製品の購入や資料請求など)に集中できず、ストレスを感じたユーザーはあっという間に離脱してしまいます。

時にデザイナーは、誰もやったことのない斬新なアイディアを試したくなる誘惑にかられますが、せっかくのアイディアも、多くのユーザーの経験にもとづく期待や予測から大きくずれてしまうと、それは「わかりにくさ」というストレスの原因になってしまいます。

ここで、トイレの事例をもう一つ。これは、先日入った原宿にあるカフェのトイレです。

<あるカフェのトイレ>

洗面台と鏡。その横にある白い扉。多くの来店客は、それまでの経験から、無意識のうちに、ここがトイレだと思うのでしょう。ところが、この扉の向こうはなんと厨房なのです。

でも、トイレと勘違いして厨房の扉を開けようとする人が多いのでしょう。たまりかねたお店の人は「ここはトイレではありません。」というメッセージを貼ったのだと思いますが、それくらい、この内装には、多くの人に無意識のうちに、ここがトイレだと錯覚させる力がある、ということなのでしょう。

さて、みなさんのウェブサイトやアプリは、ユーザーを迷わせたり、考えさせたりしていませんか?気になる方は、ぜひ、ルグランが診断のお手伝いをしますので、お気軽にご相談下さい。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
行動観察調査・ユーザービリティ調査に関するお問い合わせ・お見積もりはこちらへ
メール:info@LeGrand.jp
電話:0120-066-898(フリーダイヤル)

Read more