Spikes Asiaの運営母体は、毎年6月に開催されているカンヌライオンズと同じで、いわばアジア版カンヌライオンズともいえる「広告祭(正確には”Festival of Creativity”)」です。28年の歴史があり、今年は18部門に4,351点の応募がありました。
会場はシンガポールのマリーナ地区にあるSuntecコンベンションセンターの中にありますが、セミナー会場・最終選考に残った作品の展示・出展社ブースなどが1つのフロアにまとまったコンパクトなレイアウトで、楽に見て回ることができます。
会場内には、3ヶ所のセミナー会場があり、3日間の会期中、約70名のスピーカーにより、様々なセッションが行われています。テーマは、クリエイティブなチームを作るためのヒントといった話から、データを活用した顧客理解といった話まで多岐に渡っていますが、1日目を終えたところでは、コミュニケーション戦略の立案や、効果の検証においてデータやテクノロジーをどう活用するのか、という話が多かった感じがしました。
最終選考作品の受賞結果については、最終日となる金曜日に発表されますが、PRやメディアなどいくつかの部門については、最終選考に残った作品をパネル展示で見ることができます。
こちらは今年のカンヌライオンズでもメディア部門でシルバーを受賞した韓国・バーガーキングのキャンペーンに関するパネルです。展示されているパネルには、企画が生まれた背景や、キャンペーンの内容、その成果や結果などがまとめられています。
パネルを見ると、これは、韓国のバーガーキングが、長時間の電車通勤でお疲れのサラリーマンに、寝過す心配をせずにゆっくりと居眠りができるよう「私は○○駅で降りるので着いたら起こして下さい。」と書かれたアイマスクを配る、というキャンペーンであったことが分かります。ちなみに、アイマスクには、コーヒーと引換えられるクーポンも付いていて、起こしてくれた人にお礼として渡せるようになっていたそうです。
この結果、バーガーキングは、朝の時間帯の売上が18.7%伸びたほか、バーガーキングのブランドに関するソーシャルメディア上での書き込みも44.5%増えたといった成果があったと書かれています。
果たして、このキャンペーンは、カンヌに続いて、このSpikes Asiaでも受賞作に選ばれるのか、金曜日の発表を楽しみに待ちたいと思います。 Read more