2015.03.25 | イベント
冬の寒さがぶり返した昨日3/25(水)、第38回ルグラン朝会を開催しました。


今回は、会場も新たに、朝日が差し込む素敵なカフェを貸し切っての開催。事前にSESロンドン報告会であることをお知らせしていたこともあり、募集開始早々に予定人数を超えるお申込みをいただき、当日は総勢約15名、プチセミナー形式で進められました。

プチセミナーと言いつつも、朝会の良さであるカジュアルな雰囲気とほどよい"ゆるさ"はそのままに、到着された方々から名刺交換をされ、皆様が打ち解けたところで、弊社代表 泉より、SESロンドン視察ツアーのご報告をさせていただきました。


今回、初めてルグラン朝会にご参加された方も多くいらっしゃいましたので、まずは、SES開催当初から10年以上にわたって参加してきた泉が、これまでのSESの歴史をスライドショーでご紹介しながら振り返りました。

スライドショーの中で、現Yahoo!CEOが当時はGoogle幹部として登壇していたり、また、今ではSNSを代表するFacebookが、はじめてSESに登場した様子が紹介されると、思わず“懐かしい!”のつぶやきが(笑)。

そして、今年のSESロンドンの話では、セッション内容から企業訪問、その他、ルグラン視察ツアーのアクティビティまで、ブログではお伝えしきれない裏話を色々とお話しさせてていただきました。


会の最後は、テーブルを囲んでのフリーディスカッションが行われ、大いに盛り上がって終了しました。

今回はこれまでとは少し趣向を変えて開催されたルグラン朝会。初めてご参加された方、リピーターの方、久しぶりに参加された方、皆様から、好評のお声をいただきました。

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ルグランでは、今後も継続して朝会を実施して参りますので、デジタルマーケティングの最新情報をはじめ、その時旬な話題に触れたい、ルグランや他の参加者の方々とネットワーキングや情報交換をしたいという方は、ぜひご参加ください。
また、朝会で取上げてほしいテーマやトピックがありましたら、お気軽にお知らせください。

【お問い合わせ・連絡先】
info@legrand.jp

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2015.03.19 | UX
グーグルがマテリアルデザインを新しくリリースしてからほぼ半年。追加変更が繰り返され、かなりパワフルなツールに仕上がっている。今、UXを考えるとき、モバイルファーストや、クロスプラットフォーム対応というコンセプトを考慮しないことは極めて稀である。

そこで、今一度モバイルのガイドラインを参照するとき、既存のアップル iOS HIG (Human Interface Guideline) と並んで、もはやこのグーグルのマテリアルデザインは無視できない存在である。

マテリアルデザインとは、グーグルが2014年の6月、グーグル I/O カンファレンスで発表した、アンドロイド向けのデジタル・マテリアル・デザイン・ガイドである。それは、グリッドを基盤にしたレイアウト、レスポンシブなアニメーションやパッディング(スペーシング)、そして、ライティングやドロップシャドーのエフェクトに関する奥行きの定義など、UX/UI の多岐に渡る定義書であった。

このマテリアルデザインのリローンチ当初、「これはフラットデザイン移行への教書だ」「現行のトレンドデザインに関する理由付けだ」などと言われていたけれど、やはりそのような一義的なものには収まらなかった。今では、クロスプロダクト&クロスプラットフォーム・デザインのフィロソフィーとなるべく画一された、優れたガイドラインとなっている。

マテリアルデザインがカバーする項目は、UX/UI デザイナーが日々直面する様々なデザイン・プロブレムに言及している。特に、タッチジェスチャーや、そこから生じるトランジション・アニメーション等、マイクロインタラクションを含めたモーションデザインに関する訴求には、目を見張るものがある。UX/UI デザイナーやモダン・アプリケーションに従事するプロデューサーは、是非とも一読して指針にしていただきたい。

モバイル対応デザインと言えば、これまで当然のように、小さなスペース、スローなコネクション、そして限られたフィーチャー(機能)として考えられてきた。つまり、モバイルUXは、いわゆる Lesser Experience、リッチでない限定された機能として捉えられがちだったが、もはやそうではない。

さて、テクノロジーの可能性、イノベーション、そしてサイエンスに基づいたこのマテリアルデザインを大いに活用して、TVやウェアラブル・デバイスを含めた、新たなクロスプラットフォーム・デザインの領域にチャレンジしてみようか。

マテリアルデザインの三原則(グーグルウェブサイトより)

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2015.03.18 | イベント
前回はキットカットのソーシャルメディア戦略に関するセッションについてご紹介をしましたが、今回は、同じセッションに登壇したクチコミサイトYelpのソーシャルメディア戦略に関する講演内容にも触れてみたいと思います。

Yelpのソーシャルメディア戦略について話すAkenhead氏

登壇したAkenhead氏は、「Yelpを支えているのはレビューと、それを読み書きしている人たちのコミュニティ」であり、頻繁にレビューを書く「ヘビーユーザー」と良好な関係を築くことが、自らの最大のミッションであるとした上で、仕事を進める上で大切にしている3つの原則を紹介しました。

1. コミュニティを見つけてこちらから働きかけよ

クチコミサイトの利用者は、好きな時に、好きなことを、自分の感じたままに書き込むだけで、「本当はこうして欲しかった。」「こうすればもっと良くなる。」といったことを、わざわざ伝えにきてくれる訳ではありません。

たとえば、あるお店について、気になる評価やコメントが交わされているといったことを発見した場合には、こちらから、そういう書き込みをしている人たちに積極的に働きかけることで、彼らの「真意」を把握できる可能性が高まります。

2. 意見やアイディアを組み上げる仕組みを作る

Yelpにとって、ユーザーと同じくらい大切なのは、広告を出してくれる飲食店などのオーナー達ですが、ユーザーから、好き勝手な評価にさらされたり、「自分達からカネをむしり取ることばかりを考えている」とYelpを毛嫌いするオーナーも少なくないそうです。

そうしたオーナー達の理解や協力を得るための仕組みとして、Yelpでは、「モノ言うオーナー」達をアドバイザリーカウンシルのような組織に取り込み、彼らの意見を吸い上げるような機会を設けたりすることも有効だと言います。

3. 特にヘビーユーザーとの関係を大切にする

Yelpに書き込まれる「好き」「嫌い」というコメントや評価は、あくまでも各人の「主観的」な評価である訳ですが、一方で、読み手からすると、そうした評価も、お店の良し悪しを判断する「客観的」な基準として受け止められてしまう傾向があります。

主観にもとづく評価やコメント自体を変えたりすることはできませんが、頻繁にコメントを書くヘビーユーザーがネガティブな書き込み・評価をした場合には、他のユーザーにも少なからず影響を与えることになります。特にそうしたコメントに対しては、決して感情的にならず、丁寧な回答をすることが求められます。

クチコミサイトにおいては、ネガティブな評価やコメントへの対応が常に難しい問題となります。ネガティブなコメントや評価を受けたときほど、真摯かつ丁寧に回答することで、評価者本人の気持ちを変えることはできなくとも、そのやり取りを見ている他のユーザーに対しては、良い影響や印象を与えることができる可能性が高くなる、というアドバイスで、Akenhead氏は、講演を締めくくりました。

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2015.03.12 | イベント
消費者が、さまざまなデバイス・チャネルを通じて、商品やサービスに関する情報を探すことが当たり前になっている今日、業種や業態にかかわらず、ソーシャルメディア上に適切なプレゼンスを持っておくことが重要になっています。

こうした流れを受け、近年、SESにおいてもソーシャルメディア関連のセッションは「定番」となっています。

今年のSESロンドンでは、広告代理店JWTでソーシャルメディア戦略を担当するToby Chishick氏から、キットカットの取組を例に、大手のグローバルブランドが、ソーシャルメディアと、どのように関わっているかが紹介されました。

キットカットが大切にしているのは、”Embracing Internet Culture”、つまりブランド側から何かを押しつけるトップダウンのアプローチではなく、「ネット民」の好みや意見を尊重したボトムアップのアプローチにあると言います。

たとえばキットカットを使った面白い写真やコンテンツをネットユーザに自由に作らせて、さらに、ブランド自身もその拡散に手を貸すことで、自らのブランドを中心にネット上での対話が広がるような環境を作り、結果的にブランドの認知を高めたり、ファンを増やしたりすることを企図しています。

ネット民が面白いと思うならこんな写真も全然OK

キットカットにおいて、こうした取組が可能なのは、単に企画力が優れているといったことだけでなく、キャンペーンの内容や方向性について、キットカットはそれぞれの国や市場に、かなりの裁量権・決定権を与えていることが大きい、とChishick氏は強調します。

確かに日本でも、「きっと勝つと」という九州弁のゴロ合わせから始まったとされる、受験生にキットカットを送るという習慣を、ブランドが支援する形でキャンペーンとして展開するなど、日本特有の動きが見られますね。

また、キットカットのTwitterアカウントでは、昨年のスーパーボウルで、停電時の当意即妙な対応が話題となったオレオのTwitterアカウントと、三目並べ(いわゆる「○×ゲーム」)で対決するといったことも行っています。他ブランドとのコラボも厭わないという、こうしたお茶目な姿勢もまた、「ネット民」の心理を巧みについたものと言えそうです。

他のブランドとネット上で対決

一方で、「どこまでお茶目に振る舞うか」の線引きは難しく、その判断を誤ると、ネット民の不興を買い、ブランドイメージを毀損してしまうリスクもあります。

たとえば、2013年の9月11日に、米国の通信会社AT&T社が「同時多発テロを忘れない」と書いたツイートにスマートフォンの写真を掲載したことで、ネット民からは、「911を宣伝に利用するのか」といったバッシングを浴び、謝罪の上、Twitterやフェイスブックへの書き込みを削除する結果となりました。

どこまでお茶目に振る舞うかの判断は難しい

最後にChishick氏は、ソーシャルメディア上でブランドがプレゼンスを高めるためには、共感を呼ぶ良質なコンテンツや、イノベイティブな取組であることは非常に重要だが、一方でキャンペーンを企画・実施する担当者・チームには、「ネット民」の心理や行動特性について、充分な理解が求められると結んで、講演を終えました。

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2015.03.05 | イベント
SES長年の「伝統」にのっとり、今回のSESロンドンでも、大所高所からの戦略論だけでなく、日々、現場で様々なタスクに向き合うデジタルマーケティング担当者にヒントや気づきを与えてくれる、実務的なセッションが用意されていました。

その中の一つが、『Using Analytics to Make Sense of Your Audience Data(来訪者データから意味ある示唆を得るためのアクセス解析術)』と題されたセッション。

登壇した2名のスピーカーは、いずれも英国企業のいわゆる「ウェブ担当者」で、彼らが、日々、「サイトの価値」を高めるための施策を考えたり、あるいは、経営層に対して、「サイトの価値」を正しく理解してもらったりするために、データとどのように向き合っているのか、その取組が紹介されました。

特に面白かったのが、uswitch.comという比較サイトを運営するLukasz Zelezny氏の話。見た目は、こんな感じの人ですが、話を始めると、日々、データと丁寧に向き合っている様子がうかがえました。


その風貌とは裏腹に(?)、繊細な仕事ぶりが垣間見えたZelezny氏

彼は自社のアクセス解析データを前に、まずは、前月のセッション数を見せて、「ここからどんなストーリーが語れますか?おそらく、何も語れませんね?」と問いかけます。次に、前年同月比でセッション数が減少しているというグラフを見せて、「これで少し、何かストーリーは作れそうな感じがしますよね?」と続けます。

さらに、セッション数の減少に、直帰率の減少というグラフを重ね合わせることで、「直帰率の減少というデータが加わったことで、『(広告運用の見直しや流入キーワードの変化などにより)来訪者数は減ったけれども、よりターゲットにあった来訪者を獲得できたことで、実質的な閲覧者はむしろ増えた。』というストーリーが描けるようになるはず。」と。

一つデータが加わるごとに、ストーリーが深まっていく

最後にZelezny氏は、「目の前のデータを使って、チャートを量産したくなる誘惑に負けてはいけない。そのデータを加えることで、あなたが伝えたいストーリーに深みが増すかを吟味せよ。」という言葉でプレゼンを締めくくりました。

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