第4位には、格安航空会社(LCC)の草分けともいえるスカイマークがランクインしました。
サイト全体は、横幅も広く設定され、見やすく、使い易い作りになっているものの、その見た目からは、ちょっと時代から取り残されてしまったような古くささが感じられるのも事実です。最大の原因は、ビジュアルイメージの少なさにあると考えられます。
<スカイマークのPC サイト>
もちろん、航空券の予約や運行情報の確認といった「タスク」が簡単に実行できることは大切ですが、企業からのメッセージや、ブランドのイメージを効果的に伝えるためには、ビジュアルイメージの適切な活用も重要です。
近年、PCやタブレットの画面は大型化し、解像度も上がっていますので、画像や動画を効果的に活用することは、企業やブランドのイメージやメッセージを伝えるためにも有効です。一方、スマートフォンの小さな画面では、メニューやボタンなどにビジュアルイメージを適切に活用することは、単なる見栄えだけの問題ではなく、ユーザーエクスペリエンスの向上にもつながります。
そこで、スカイマークのモバイルサイトを見ると、確かに「スマホ対応」はされており、相対的には一定の評価を得る結果となりましたが、ご覧の通り、トップ画面は、必要最低限のメニューリストというデザインになっています。
<スカイマークのスマホサイト>
もちろん、モバイルサイトにおいては、タスクの遂行を最優先にするため、PCサイトよりも、掲載・搭載する機能や情報を絞り込むというのも一つの方法ではあります。
ただ、モバイルサイトで実際に搭乗便を選択すると、設定した日付の便名がリストで表示されますが、残念なことに、モバイルサイトでは便ごとの価格の違いを確認することができなくなっています。
<スマホサイトでの搭乗便選択>
スカイマークの場合、1つの便に対して、複数の料金プランが設定されているため、その全てをモバイルサイトで表示することは難しいと判断したのかもしれません。しかしながら、日付や時刻など細かな条件の選び方で価格が変わるというLCCの特性を考えれば、できるだけ価格の安い便を選びたいと考える利用者も多いはずです。
実際、このランキングで1位になったジェットスタージャパンでは、スマホサイトでも、搭乗便の選択による価格の違いが把握できるようになっており、スカイマークでも、例えば、代表的なプランの価格だけでも表示するなど、LCC 利用者の気持ちやニーズに応える工夫が欲しいところです。
さらに、モバイルサイトで搭乗便を選択した後、個人情報を入力するページに遷移すると、画面の左上に「便追加」というボタンが表示されます。
PCサイトを見ると、これは、例えば帰りの便もまとめて選択・予約できるようにするための機能だということは分かるのですが、スマホサイトでは、個人情報の入力画面で表示されるため、今ひとつ、このボタンの意味や役割が分かりづらくなっています。
<PC とスマホサイトで異なる追加便の選択画面>
スマホサイトでは、往路便の選択が終わると、すぐに個人情報入力ページに遷移してしまうことが一つの原因となっていますが、たとえば、PC サイトと同様、往路便の選択が終わった後で、【選択内容の確認画面】を表示するようにして、そこに「便追加」のボタンを表示するか、あるいはボタンの名前を「復路便の選択」といった形に変えることで、利用者が迷うことも少なくなるのではないでしょうか?
スカイマークのサイトでは、PC サイトとモバイルサイトで、提供・掲載する情報や機能を、どのように使い分けるのかについての考慮が不充分であるため、見た目はスマホ対応されているにもかかわらず、モバイルサイトのユーザーエクスペリエンスが犠牲になっている点が散見されます。