2018.04.03 | UX

岩手県・釜石市で、地域の事業者の方々を対象に、新商品開発のためのセミナー・ワークショップを開催するというお話は、以前、本ブログでもご紹介をしましたが、先日、全3回にわたるワークショップ(+宿題)を乗り越えて、参加者のみなさんによる商品企画の発表会が行われました。

今回のセミナー・ワークショップは、単に、新商品のアイディアを出すだけでなく、徹底して、消費者や顧客・ユーザーの目線で考えるというクセを頭と身体に叩き込んで頂くことがテーマであることから、参加者のみなさんには、常に「誰が」を主語にして考えることを、最も重要なルールとして徹底して頂きました。

このため、商品のコンセプトや、販売戦略などを説明して頂く際も、

●  誰が必要とする商品なのか?(ターゲット)
●  誰がいる場所で売るのか?(販売チャネル・方法)
●  誰が払える価格にするのか?(価格)

など、すべて「誰が」を主語にしてプレゼンをして頂きました。

さらに、参加者の方々には、企画案を考えて終わりにならないよう、SWOT分析のフレームワークを用い、自分たちが考える新商品の開発戦略が「自社の強みを活かして、競合他社に対して優位に立つことを目指すもの」なのか、あるいは「外部環境の追い風に乗って、自社弱みを補完することを狙うもの」なのか、といった戦略の意図・方向性についても、自己分析をして頂きました。

<SWOT分析のフレームワーク(イメージ)>

最初の頃は、「色々な人に買ってもらいたい」と欲張ってしまったために、ターゲットの設定が曖昧になり、その結果、誰の、どのようなニーズやウォンツに応える商品なのか、といった商品のコンセプトもぼんやりしている提案が多く見られました。

「釜石の特産品を使った商品」を作れば、それが自動的に商品の「魅力」や「強み」につながるといった「思い込み」で作られた企画案も多く、そうした提案に対しては、

みなさん自身は、『地元で獲れた果物や野菜を使っています』と言われたら、それだけで魅力を感じて、買いたくなったりしますか?

といった、ちょっと意地悪な突っ込みも入れさせて頂きました。

しかし、参加者のみなさんには、そうしたフィードバックも、真正面から、真摯に受け止めて頂き、最終プレゼンが出来上がる頃には、消費者の目線に立った、説得力のある商品企画案に、大きな進歩が見られました。

実際に商品が消費者の手元に届くまでには、企画案の中で打ち出された「魅力」や「強み」を、どのように伝えていくのか、また、実際に商品を生産・販売するための体制や販路の整備等々、まだまだ乗り越えなければならない課題もたくさんあります。参加企業のみなさんには、今後は、テストマーケティングができる状態に到達することを目指して頂くことになります。

今回のセミナーを主催された公益財団法人 釜石・大槌地域産業育成センターでは、第二期の講座開設も計画しているようですので、弊社としても、引き続き、釜石から全国に広まる、魅力的な商品作りのお手伝いができればと考えています。



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