2016.01.07 | UX
みなさん、あけましておめでとうございます。

昨年末に配信した「クリスマスニュースレター」では、「2016年はエクスペリエンスデザイン元年」というテーマで、ウェブサイトやモバイルアプリ、更にはサービスそのもののデザインを考える上で、「どうすればより良いユーザーエクスペリエンスが提供できるのか?」という視点、つまり「エクペリエンスデザイン(XD)」という考え方が、大変重要になってくる、というお話をしました。

ルグランでは、このXDの重要性を、多くの方に、できるだけ具体的に理解をしてもらうことを目的に、毎年、いくつかの業種・業界を選び、ユーザーエクスペリエンスという視点から、ウェブサイトを評価する「UXランキング」を発表しています。

アドテック東京のルグランルーム、およびアドテック関西のルグランブースにご来場頂いた方々には、既に先行して公開しておりますが、昨年は、航空業界とメガネ業界について、UXランキングを実施しました。

そこで、本ブログでは、これらのUXランキングの内容、および各社のウェブサイトに対する評価のポイントや改善点について、順次、ご案内していきます。今後、みなさんがユーザーエクスペリエンスを中心に据えたデザインを考えていく上で、何か参考にして頂ければ幸いです。(もちろん、最良のユーザーエクスペリエンスを実現するための方法を、ルグランも一緒に考えて欲しい、というご相談も大歓迎です!)

今回は、航空業界各社のウェブサイトに関するランキングを発表します。

<航空業界各社のUXランキング>

ちなみに、ユーザービリティ調査などを実施する場合にも言えることですが、ユーザーエクスペリエンスという切り口でウェブサイトを評価する場合、サイトの見た目にばかりに注目しても意味がありません。大切なことは、評価の基準となる「タスク」を明確に設定するということです。

つまり、「そのウェブサイトで来訪者に何をさせるのか?」というタスクを明確に設定した上で、個々のウェブサイトは、来訪者に対して、適切なユーザーエクスペリエンスを提供できているかどうか、という視点で評価を行います。

航空各社のウェブサイトの評価にあたっては、「特に利用頻度が高いと思われるビジネスユーザーを主たるターゲットと考え、PCもしくはモバイルサイトから、経路や運賃・運行状況といった情報を確認したり、実際にチケットの予約や購入を行ったりする」というタスクに対し、各社のウェブサイトが、どういったユーザーエクスペリエンスを提供できているか、という観点から評価を行いました。

なお、本評価は、ルグラン・LAデザインセンターのメンバーが中心となり、2015年9月に実施したものですが、その後、各社のウェブサイトには、改修・改良が加えられたものもありますので、その点は予めご了承下さい。

<ランキング(評点※)>
※100点満点
1. ジェットスタージャパン 76点
2. 日本航空(JAL) 73点
3. 全日本空輸(ANA) 65点
4. スカイマーク 57点
5. バニラ・エア 51点
6. エアアジアジャパン 50点
7. ピーチアビエーション 47点
8. 春秋航空日本 40点

次回からは、各社のウェブサイトに対する評価の内容について、個別にご紹介をしていきますので、どうぞお楽しみに。

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2015.12.24 | UX
日本でも、『ユーザーエクスペリエンス(UX)』という言葉を耳にする機会が増えてきました。

ウェブサイトやモバイルアプリなどを制作・開発する際に、ユーザー目線で考えようという流れが生まれつつあることは、決して悪いことではありません。

しかし、制作・開発の現場を見ていると、まだまだ、見た目のデザインなど、いわゆる『ユーザーインターフェイス(UI)』に関心が集中しており、『エクスペリエンスデザイン(XD)』という域には達していないケースが多いように感じています。

もちろん、使いやすいサイトやアプリを作るには、ユーザーとのタッチポイントをつかさどるUIの設計は非常に重要です。しかし、UXとは「そのサイトやアプリを使って、何かのタスクを行おうとする際の、一連の行為から得られる体験」を指します。従って、よく考えられたUIは、最良のUXを提供するための必要条件ではありますが、充分条件とは言えません。

最近、成田空港を利用する機会がありましたので、試しに空港が提供しているアプリの案内機能を使ってみました。

日本に来た観光客が、ちょっとお腹が空いたので、バゲージクレームで荷物を待つ間に、空港内で食事のできるレストランを探しているという想定で、行き先を指定し、ナビ機能を選択したところ、このような画面が。

<成田空港アプリのナビ画面>

この矢印に従って歩けば、目的のレストランに辿りつけるということなのですが、片手でスーツケースを乗せたカートを押しながら、もう一つの手で、税関で見せるパスポートと一緒に持ったスマートフォンをかざして歩くのは、力のある男性でもちょっと大変です。そもそも、混雑した空港の中での「ながらスマホ」は、かなり危なっかしい感じです。

しかも、現在地を特定するには、成田空港のFree WiFiに接続しないといけないのですが、接続するには、利用規約を読んで同意ボタンを押すというプロセスが必要です。そして、苦労の末に、ようやく行きついた「レストラン」は、実はスタンド形式の売店で、座って食事をすることはできないという有様です。

もうおわかりになったと思いますが、UIを工夫することで「ナビゲーションの画面をどう分かりやすく見せるか」という問題は解決できます。しかし、「成田に着いた外国人観光客が、食事のできるレストランを探し、そこまで簡単に行けるようにするためには何が必要か」という視点から、全体のエクスペリエンスをデザインしない限り、いくらUIばかりを考えても、このアプリで最良のUXを提供することはできないのです。

2020年の東京オリンピックをひかえ、ルグランにも、訪日旅行客をターゲットにしたウェブサイトやアプリ、サービスの設計に関するご相談が増えています。

ただ、お話を聞いていると、ウェブやアプリの表示を多言語化する、といった見た目にばかり関心が向いていることも少なくありません。ルグランでは、クライアントさんと一緒に「エクスペリエンスマップ」を作成し、まずは、文化も常識も違う人たちが、どういう状況で、何を期待して、ウェブやアプリを利用するのかを深く掘り下げてみる、という作業から始めることをお薦めしています。

年が明ければ、オリンピックまであと4年。ルグランでは、2016年を「エクスペリエンスデザイン(XD)元年」と位置付け、最良のエクスペリエンスを提供するウェブサイトやアプリ、サービスを、1つでも多く、世に送り出すお手伝いができるよう、来年も全速で走り続けたいと思います!

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2015.12.17 | クリエイティブ
12/1‐2に東京国際フォーラムで開催されたアドテック東京において、ルグランが手がけた、建設業界のイメージアップを目的としたキャンペーンの詳細を発表しました。

<ルグランルームでの発表の様子>

建設業界に対しては、キツイ・キタナイ・キケンな「3K職種」というイメージも強く、建設業界を志す若い人たちが少なくなっています。実際、東洋経済が発表した、来春卒業する大学生の就職人気ランキングを見ても、上位200社の中には、大手ゼネコンを含め、建設会社は1社もランクインしていません。
参考リンク

現在、建設業界で働く人の約1/3が55歳以上で、今後、10年以内に、その多くが引退する一方、29歳以下の就労者は全体の10%に留まっています。特に地方の建設会社の状況は深刻で、社員の「平均年齢」が55歳といった会社も珍しくありません。

このまま、建設業界の就労人口が減り続けると、東京オリンピックや東日本大震災の復興への対応はもとより、今後、老朽化が急速に進む全国の道路や橋など、社会インフラの整備を担う人材も足りなくなることが懸念されます。

こうした状況の中、ルグランでは、中堅中小建設会社の全国団体である「どけんやナビ有限責任事業組合」からの依頼にもとづき、建設業界のイメージアップや、雇用の促進を目的とするキャンペーン “Log of Mud”を企画し、その詳細をアドテック東京・ルグランルームにて発表しました。

Log of Mud キャンペーン特設サイト

当日は、建設・広告業界のメディアや関係者の方々が集まる中、本キャンペーンを受託したルグラン代表 泉のほか、本キャンペーンの企画に携わったクリエイティブディレクターの田中淳一氏、多摩美術大学教授でルグランのアドバイザーでもある佐藤達郎氏、さらには映像制作を担当した太陽企画のプロデューサー大石暉氏らと共に、本キャンペーンの企画意図や、撮影の苦労話などを振り返りました。


 <弊社代表 泉より、クライアントの課題と本キャンペーンの目的について説明>

<企画の誕生ストーリーについて話すクリエイティブディレクター・田中淳一氏>

<太陽企画プロデューサー・大石暉氏から映像制作の舞台裏についてのお話>

このキャンペーンは、全国5ヶ所の建設現場で働く、男女5人の「土建屋さん」の仕事や生き様に焦点を充てたストーリーを、建設業界や土建屋さんの仕事には、特に興味や関心のない人たちにも、興味をもって見てもらえるよう、ある仕掛けを加えていますが、その詳細については、ぜひ、”Log of Mud” キャンペーン特設サイトをご覧下さい。

<会場内に置かれた陶器とスマホのヒミツとは…?>

<企画の検討過程について解説する多摩美術大学教授・佐藤達郎氏>

ルグランでは、持続的な成長を求めるクライアントの期待や要望にお応えする形で、マーケティング本来の目的ともいえる「需要の創造」というクライアントの課題を解決すべく、最新の映像表現技術なども取り入れた、キャンペーンの企画や動画をはじめとするコンテンツの制作など、クリエイティブエージェンシーとしての活動にも力を入れています。

自社の商品やサービスに対する認知を広めたい、より多くの消費者に、買いたい・使いたいと思ってもらえるよう働きかけたい、といった課題やニーズをお持ちの企業や団体のみなさま。ルグランでは、社内外のクリエイターとタッグを組み、みなさまの課題解決のお手伝いをしています。

どうぞ、お気軽にご相談下さい。

メール: info@LeGrand.jp
電話: 0120-066-898

<関連リンク>
ルグラン 新プロジェクトを発表

ちょっと変わったアート展のお知らせ

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2015.12.04 | セミナー
12/1~2にわたり、東京国際フォーラムで開催されたアドテック東京におきましては、弊社もブロンズスポンサーとして協賛をさせて頂くと共に、会場内のプレミアムセミナーエリアにおきまして、『The Room – experience first. マーケティングの未来がここにある。』というテーマで、特設のセミナー会場『ルグランルーム』を設け、2日間で、合計11セッションを開催しました。


『ルグランルーム』では、マーケティングの最前線で活躍するプロフェッショナルの方々による充実のセッションに加え、クリエイティブエージェンシーとして本格的に活動を開始した弊社の最新プロジェクトのご紹介なども行わせて頂きました。

おかげさまで、師走かつ月初という忙しい時期にもかかわらず、各セッションとも、多くの方々にご参加を頂くことができました。お忙しい中、ご参加を頂いたみなさまには、改めまして、深く御礼を申し上げます。

 ルグランでは、今後も『experience first.』をモットーに、ウェブサイトやモバイルアプリのデザイン・構築はもとより、買いたいキモチにさせるコンテンツの企画・制作、さらには消費者に嫌われない広告体験の実現等々、最良のユーザーエクスペリエンスをデザインすることを最優先の課題と位置付け、クライアント様のマーケティング戦略の企画・立案・実施のお手伝いをして参ります。

 なお、『ルグランルーム』にご参加頂けなかったみなさまには、今後、各セッションの内容については、本ブログでも順次、レポートを掲載していく予定ですので、どうぞ、お楽しみに。


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2015.11.06 | セミナー
秋の実りからイベントが増える今日この頃。ルグランでもイベント目白押しです!近々行われるイベントを一挙ご紹介。

CNET Japan Conference 2015がいよいよ来週 11/10(火)に開催されます。
先日よりニュースレターでご案内させていただいておりますが、弊社代表泉が「DMPからEMPへ~データではなくエクスペリエンスを支配せよ~」をテーマに登壇いたします。泉のセッションでは、ECシステムおよび物流業務、撮影業務、カスタマーサポート業務などECに必要なサービス全般を提供しているSCSKプレッシェンド株式会社のプロジェクト推進部 部長、高橋徹氏にもご参加いただく予定です。ユーザーエクスペリエンスの重要性を誰よりも理解している2人によるディスカッションにどうぞご期待ください。尚、セミナーの残席わずかとなっておりますので、ご興味がおありの方はお早めにお申込ください。

CNET Japan Conference 2015


来月1日から東京国際フォーラムで開催されるad:tech tokyoの会場内に2年振りに「ルグランルーム」が戻ってきます!「Experience First. マーケティングの未来がここにある。」をテーマに最良のエクスペリエンスの実現についてマーケティングの最前線で活躍するプロフェッショナル達に語っていただく予定です。来週からルグランのサイト上で、ご登場いただく方々のご紹介や事前対談の様子をご紹介していきますので、どうぞお楽しみに!

ad:tech tokyo

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