2015.11.12 | クリエイティブ
TOKYO DESIGN WEEK 2015は、10月24日(土)から10月28日(水)、間を挟んで10月30日(金)から11月3日(火)まで、明治神宮外苑絵画美術館前で行われていた、デザイン・アート・ミュージック・ファッション、4つのジャンルから、企業、ブランド、デザイナー、学校がそれぞれのクリエイティブを発表する今年で30年を迎える大規模なクリエイティブの祭典。まず目に飛び込んでくるのは入場口にあるゲート。色彩鮮やかな看板が印象的でした。


この日私が最初に訪れたのは、「三陽商会」のブース。
2013年に設立70周年を迎えた三陽商会では、生活者から共感、共鳴され、愛される企業となるために「TIMELESS WORK. ほんとうにいいものをつくろう。」という指針のタグラインを設定し、その体視の施策として「100年コート」を出展されていました。
「100年コート」は「世代を超え永く愛用していただけるコート」をテーマに、このコートをお買い上げいただいたお客様が、メーカーと継続的にコミュニケーションが取れるように、「100年オーナープラン」と呼ばれるシステムを導入。「100年オーナープラン」とは修理は当然のこと、お客様の意見を社内で共有し、オーナーにとって有用となる情報を発信する会員システムです。この「100年コート」は価格が安い物が7万円代から、高いものでも10万円前後で、伊勢丹新宿など、三陽商会の各店舗でご購入頂けます。

こちらが100年コート。(写真左下)
試着させていただきましたが、シンプルで、しかしいつの時代に来ても劣ることのないスタイリッシュなデザインと、ずっしりとして、それでいて重みを感じさせない着心地のよさでした。


 そして、他にも出展として、歌舞伎の衣装に使われる伝統柄「翁格子」をもとに製作された「三陽格子」を裏地ライナーに採用したトレンチコートや、「翁格子」の柄で知られる「勧進帳」の弁慶の衣装が展示されていました。(写真右上)
これは実際に歌舞伎の舞台で使われた衣装だそうで、遠目に見てもはっきりと分かる格子の柄が非常にきれいでした。

また同ブースには建築家の「原裕介」氏のデザインされた「100年コート」と「翁格子」を結ぶ、「三陽格子タイムトンネル」のオブジェクトが設置されておりました。横から見ると、赤と青の棒が並んでいるだけですが、こちらの角度から見ると、奥から手前へと過去から未来への時間の流れを表すような非常に美しく折り重なった格子の柄がご覧に頂けます。


TOKYO DESIGN WEEK 2015の会場は非常に広く、会場としてある建物の中だけではなく外にもたくさんの作品が出展されていました。


 美術大学の学生が作製された作品もたくさんあり、上記の作品はそのうちの1つですが作成者の方が構成の段階から完成するまでに3か月ほどかかったとおっしゃっていました。しかし、それでも早いほうで、ほかの作品は半年以上かかるものがほとんどだそうです。作りは、木を組み合わせ非常にシンプルなのですが、中をくぐり抜けるとまるで、曲がりくねった道を歩いているような、平行感覚を失うような作品でした。


そして、ここで南青山にある「SunnyHills 微熱山丘」と、香港のコーヒーショップである「The Coffee Academy」がタッグを組んで出店されていたカフェで一休み。
「SunnyHills 微熱山丘」は、南青山にお店を構えるカフェで、一目見るとその忘れられないような外観が特徴的です。「隈研吾」氏の作品であるこの3階建ての建物は、地獄組みと呼ばれる伝統的な組木格子を職人の手で一本ずつ丁寧に組み上げられて作られています。店の中は、まるで森の中にいるようで、交差する木組みの隙間から木漏れ日がこぼれ落ち、ヒノキの独特の匂いが鼻孔をくすぐります。(写真下)

WORLDARCHTECTUREMAPより写真参照

富永大穀氏のブログより図参照

 会場には建築家である、「富永大穀」氏が中心となりデザインされたポップアップショップがこのカフェブースとして設立されていました(写真左上)。これを平面で見ると、右上の図のような幾何学模様の展開をしており、上記のような組み方だけではなく、多様に組み方が出来るそうです。


 カフェでは上の写真のコーヒーとパイナップルが入っているケーキを頂きましたが、コーヒーを淹れてくださった方は、香港の「The Coffee Academy」から、この出展のために来日されたそうです。コーヒーはさっぱりとして飲みやすく、パイナップルケーキも、コーヒーに丁度合う甘さで果肉がぎっしり詰まっていておいしく頂きました!他にも、いくつかブースを回りましたが、ここでは書ききれないほどの多くの興味深い作品と出会うことが出来ました。

今回このTOKYO DESIGN WEEKを通して、参加者の方がどれだけ楽しく居心地よい空間を出来るかどうかの重要性を感じました。これは企業にも同じことが言えるでしょう。企業側が自分たちの思いを押し付けるのではなく、いかにユーザーに心地の良い体験をしてもらい、ユーザー自らアクションを取りたくなるコンテンツを作ることの重要性が、今、求められているのではないでしょうか。

ルグランでは、experience first.をテーマに12月1(火)、2日(水)の二日間で、アドテック東京の会場内に特設スペース「ルグランルーム」を設置します。2日間で10以上のセッションを予定しています。
是非、お立ち寄りください。


ルグランインターン
青山学院大学
Sawako Shimazaki


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2015.11.06 | セミナー
秋の実りからイベントが増える今日この頃。ルグランでもイベント目白押しです!近々行われるイベントを一挙ご紹介。

CNET Japan Conference 2015がいよいよ来週 11/10(火)に開催されます。
先日よりニュースレターでご案内させていただいておりますが、弊社代表泉が「DMPからEMPへ~データではなくエクスペリエンスを支配せよ~」をテーマに登壇いたします。泉のセッションでは、ECシステムおよび物流業務、撮影業務、カスタマーサポート業務などECに必要なサービス全般を提供しているSCSKプレッシェンド株式会社のプロジェクト推進部 部長、高橋徹氏にもご参加いただく予定です。ユーザーエクスペリエンスの重要性を誰よりも理解している2人によるディスカッションにどうぞご期待ください。尚、セミナーの残席わずかとなっておりますので、ご興味がおありの方はお早めにお申込ください。

CNET Japan Conference 2015


来月1日から東京国際フォーラムで開催されるad:tech tokyoの会場内に2年振りに「ルグランルーム」が戻ってきます!「Experience First. マーケティングの未来がここにある。」をテーマに最良のエクスペリエンスの実現についてマーケティングの最前線で活躍するプロフェッショナル達に語っていただく予定です。来週からルグランのサイト上で、ご登場いただく方々のご紹介や事前対談の様子をご紹介していきますので、どうぞお楽しみに!

ad:tech tokyo

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2015.10.29 | 一般
10年目を迎えるルグランに新メンバーが加わりました!
新メンバー村口の自己紹介と共にルグランのワークスタイルをご紹介します。

初めまして、ルグランに入社いたしました村口と申します。
ルグランに入社したいと思った動機は、自分自身が日本の製品、会社など日本には良いものがあるのに殆ど知らなかったことに気づき、国内、海外に広める仕事をしたい、ルグランなら自分の目標が実現できると思ったこと。そしてルグランには、目標にしたい人達がたくさんいたことです。

グローバルな観点を持って活躍している人、お子さんを持ちながらイキイキと仕事をしている人、勉強しながら色々な知識を吸収しようと努力している人。
会社訪問、面接を重ねていくにつれ皆さんと一緒に働きたいと思うようになりました。

実際に働いてみて、ルグランに他社にはない特色があることが分かりました。それは自分のワークバランスに合わせながら就業体制を取れることです。
メールや社内共有ツール、テレビ会議で密にコミュニケーションをとり、在宅勤務をメインとするスタッフや週の半々を出社と在宅を組み合わせた勤務体系を選択する等、自分自身で働く環境を変えていけることです。
まだまだ知らないことがたくさんあるので、仕事を通してルグランの良さを知っていきたいと思います。これから宜しくお願いいたします。

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ルグランでは私たちと一緒に、日本を、世界を、驚かすようなサービスを創り上げてくれるメンバーを随時募集しています。
意欲と才能に自信のあるみなさん、ぜひ、エントリーをお待ちしています!

●個客を笑顔にするオンラインマーケティングコンサルタント募集!

●本当の「おもてなし」で日本のマーケティングを変えたいエンジニア募集中!

●もてる力を100%発揮し笑顔で成長する。そんなオフィスを創りませんか?

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2015.10.21 | UX
11月10日に開催される第3回『CNET Japan CMO Award』のセッションに、弊社代表 泉が登壇することが決定しました。

セッションのタイトルは

DMPからEMPへ〜データではなくエクスペリエンスを支配せよ

データを使って人々を「ターゲット」して追い回すだけではなく、顧客視点で、最良のカスタマーエクスペリエンスを実現するために活用してこそ、データは本当の意味でマーケティングに活かされるのではないか、といった点について、ディスカッションします。

ビッグデータがマーケティングを変えると言われて久しいですが、日本では「コンバージョン」や「CPA」といった分かりやすい指標でしか「成果」を測ることを知らない、「第一世代」のデジタルマーケターがまだまだ幅をきかせています。このため、高度な解析力が自慢のDSPも、多様なデータを統合的に解析できるプライベートDMPも、彼らの前では、「リターゲティングツール」に成り下がっているというのが実情ではないでしょうか?

ちょっと大げさに言えば、分かりやすく、即効性があるというソリューションにしか興味・関心を示さない、という日本人の悪習が、データドリブンなマーケティングの実践を妨げているのかもしれません。

EMPというのは、”Experience Management Platform”というルグランの造語ですが、ここには、マーケターが、本当にマネジメントすべき対象は「データ」ではなく、「カスタマーエクスペリエンス」なのだ、という私たちの意志や思いが込められています。

当日は、データドリブンマーケティングを現場の第一線で実践する方々をパネリストに招き、どうすればデータドリブンマーケティングが実践できるのか、また、それを阻む要因・原因は何なのかについて、ルグランが取り組む、EMPの実践例などもご紹介しながら、大いに議論をしてみたいと考えています。

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CNET Japan Conference 2015
日時:2015年11月10日(火) 13:00開演
場所:東京都千代田区神田美土代町7住友不動産神田ビル2・3F
ベルサール神田[会場について]
セミナーお申込みページ


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2015.10.09 | イベント
今回参加したSpikes Asiaでは、広告やマーケティングコミュニケーションに関する最新トレンドといった話に交じり、「どうすれば人や組織のクリエイティビティを高められるのか?」という視点からの、組織論・人材活用論についてのセッションも、いくつか開催されていました。

今回はその中から、店舗の設計・デザインや、店頭プロモーションの企画などのコンサルテーションを行うFITCH社のメンバーによる「オムニチャネル時代に求められるクリエイティビティ溢れるチームの作り方」というセッションについてご紹介したいと思います。

<FITCH社のウェブサイト>

世界各国で、スマートフォンの普及が急速に進む中、FITCH社のクライアントにおいても、ネットとリアルという垣根を越え、どうすれば、一貫したブランドのイメージやメッセージを伝えられるのか、が大きな課題になっていると言います。

コンサルティングの現場では、店舗のデザイン・施工から、モバイルアプリのプログラミングまで、検討すべき領域・項目も多岐に渡っており、もはや、一人のコンサルタントが全ての課題を解決できる時代ではありません。

そのような中、FITCH社では、多様なスキル・経験を持つメンバーが集まり、お互いに意見を交わす中で、クライアントが求めるソリューションを見つけ出すという「アジャイル」的なアプローチを大切にしています。

登壇したYukiko Kawabata氏も、元々はインテリアデザイナーでしたが、FITCHに入社後は、クライアントと一緒に、店舗における最良の「エクスペリエンス」をデザインすることが主な仕事になっているそうです。

<登壇したYukiko Kawabata氏は元インテリアデザイナー>

その他にも、FITCH社には、元建築家・元グラフィックデザイナーなど、多様な人材が集い、お互いが協力・刺激しあうことで、時代や技術が大きく変化する中でも、チームとして、クリエイティブな発想や提案を出し続けられるような組織運営に力を入れているようです。

ちなみに、このセッションは、展示会場内のオープンな場所で開催されているのですが、「サイレント・ステージ」という名の通り、傍から見ていると、殆ど何の音も聞こえません。

<騒がしい会場でもセッションに集中できるサイレント・ステージ>

これは、登壇者の声をヘッドフォンで聴くというスタイルを取っているためで、参加者は周囲の騒音を気にせず、登壇者の話に集中できますし、一方、登壇者の声が展示会場に響き渡って、他のセッションの邪魔になることもありません。

隣のブースに負けまいと、スピーカーのボリュームを最大にして、登壇者が声を張り上げるため、ますます騒音に拍車がかかる日本のイベント・展示会でも、ぜひ導入して欲しいシステムですね。

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