2016.06.30 | UX

スマホで簡単にタクシーを呼べる配車サービスを提供するUber。企業評価額は8兆円と、海外ではGMやホンダを凌ぐレベルになったとも言われていますが、日本では、タクシー業界からの反発や法規制の壁があり、サービスの認知や利用は、まだまだこれからという感じです。

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2016.05.12 | UX
本ブログでは、今年1月に『ユーザーエクスペリエンス脳の鍛え方』というテーマで、「UX脳」を鍛えるには、普段から、身の回りにあるウェブやアプリ・サービスが、どのようなエクスペリエンスを提供しているのかについて、ユーザーの視点に立って、考えてみることが良い練習になるというお話をしました。

その際、題材として、羽田空港の国際線ターミナルを取り上げ、これから2020年のオリンピックに向けて、日本を訪れる外国人旅行者へのおもてなしは充分にできているのか、について考えてみました。 (さらに…)

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2016.04.28 | ビッグデータ
いよいよゴールデンウィークが始まります。今年は最大で10連休というケースもあるようですが、みなさんも旅行の計画などを立てているのでしょうか?

本ブログでは、定期的に、ブログやTwitterなどのクチコミデータから、人々の心情や世情を読み取るという試みをご紹介していますが、今回は、メディアなどでも時々話題になる、今年のゴールデンウィークの人気の旅行先について分析してみたいと思います。
分析には、ホットリンク社のソーシャル・ビッグデータ分析ツール『クチコミ@係長』のデータを使用しています。

まず、昨年に比べて、海外旅行と国内旅行、どちらの人気が高いのかを見てみましょう。

下図は、「ゴールデンウィーク」という言葉と一緒に「国内旅行」もしくは「海外旅行」という言葉が書かれたブログ記事のシェアが、昨年と今年(いずれも1月~3月)でどう変化したかを示したものです。

<GW旅行: 国内 vs.海外>

「ゴールデンウィーク」に関するブログへの書き込みの総数は、昨年と今年で大きな変化はありませんでしたが、これを見ると、昨年に比べて、海外旅行について書き込んだ人の割合が増えていることが分かります。

これは、前述の通り、今年は、場合によっては10連休まで取得できる暦であることから、海外旅行を検討する人が増えたため、と考えられます。

また、昨年の同時期に比べると円高傾向にあり、さらに原油安も重なり、航空運賃に追加されるサーチャージの負担も無くなっていることなども、海外旅行を計画する追い風となっているようです。

では、海外旅行の渡航先としては、どの国・地域が人気なのかを見てみましょう。

こちらもブログへの書き込みから、海外旅行の主要な渡航先について、「ゴールデンウィーク」という言葉と一緒に書き込まれた割合を、前年と比較したものです。

<GW 海外旅行の渡航先に関するブログ書込シェア>

まず全体傾向としては、台湾・ベトナムといったアジア圏と、カナダ・アメリカなどの北米圏の増加が目立ちます。

これは、長期の連休が取れる人がある一方で、5/2や5/6は休めないという場合、休みが前半と後半に分かれてしまう人もあり、それによって、海外旅行先の選択も、遠方と近場に分かれるため、と考えられます。

また、同じアジア圏でも、インドネシア・フィリピン・タイなどは、昨年に比べてシェアが大きく下がっていますが、これは、テロや政情に対する不安の大きい国への渡航を敬遠する人が多いため、と考えられます。

ヨーロッパ諸国のシェアが減少傾向にあるのも同様の理由によるものと考えられる一方、カナダのシェアが伸びているのは、比較的安全というイメージがあることに加え、近年、日本とカナダを結ぶ航空便の就航が増え、座席供給量が 伸びていることも、一因となっているようです。

みなさんも、どうぞ、楽しく、そして安全に、ゴールデンウィークをお過ごし下さい。

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2016.04.07 | UX
UXランキング(航空会社編)の最後に登場するのは、第8位の春秋航空。

まずPCサイトの上部に掲載されているカルーセル(順番に表示されるバナー)ですが、その中の一つが、常にパイロットや客室乗務員の募集案内となっているのが気になります。

もちろん、ウェブサイト上で、採用・募集をすること自体には何の問題も無いのですが、なぜ、トップページ上の「一等地」を使う必要があるのか、どこを向いて作られたサイトなのか、という疑問が残ります。

<春秋航空PCサイトのトップページ>

また、春秋航空のサイトにおいては、様々な情報の見せ方・出し方に「一人よがり」な点が多く、「いったいその情報が何を意味するのか」が分かりづらいという、情報アーキテクチャについての深刻な問題を抱えています。

たとえば、トップページには就航便のリストが、それぞれの最安値とともに表示されていますが、出発地の横には企業ロゴに似たマークが付いています。そこで、ページ下部にある注釈を見ると、

・Spring Japan(IJ)により運航されています
・春秋航空股份有限公司 (9C)により運航されています。

というコメントは確認できるのですが、おそらく、殆どの人は、この違いが何を意味するのか、全くわからないはずです。

<何を意味するのかがわかりづらい春秋航空トップページの表記>

さらにページの下に進むと、コールセンターの電話番号も掲載されていますが、こちらも「Spring Japan」と「春秋航空股份有限公司」という2つのコールセンターが並列で存在する形になっています。

日本の国内線と成田発の国際線は「Spring Japan」のコールセンター、(成田発以外の?)国際線については、「春秋航空股份有限公司」のコールセンターに電話をしろ、と言っているように見えるのですが、よく見ると、日本国内からかけられる電話番号は、両者とも同じです。

もし、対応するコールセンターが別なら、なぜ両者で同じ電話番号を使うのか、あるいは、実際には1つのコールセンターで対応しているのなら、なぜ、2つのコールセンターがあるような表記にしているのか、非常に不可解です。

一方、フライトの検索メニュー自体は、経路にあわせて就航日がわかりやすく表示されるなど、使い勝手が考えられた作りになっています。

<春秋航空サイトでのフライト選択画面>

さらに、行き先や日程の選択が終わると、前後の日付も含めて、最安値の価格が表示・選択できる点も、一見すると、できるだけ安い便を探して乗りたいという、LCC利用者に求められるユーザーエクスペリエンスが考えられているように見えます。

ところが、「スプリングプラス」「一般クラス」「特典クラス」という3つの料金体系について、利用できるサービスがどう違うのかは、見ただけでは分からないので、試しに、一般クラス(24,500円)を選択してみると、むしろ、疑問は更に深まってしまいます。

たしかに「一般クラス」では、「15Kgまでの荷物が預けられて、変更・払戻もできるというプランらしい。」ということは分かります。(ここでは、まだ他のクラスとの違いは分かりませんが。)

<春秋航空サイトの料金選択画面>

ただ、「一般クラス」の情報を見ると、なぜか33,500円と、「スプリングプラス」の最低料金を上回るプランが表示されています。

マウスオーバーすると、24,500円のプランには無い特典も含まれてはいるようですが、1つ上の「スプリングプラス」との関係もよく分かりませんし、「無料体験したいです」にチェックすると、何が、どう無料になるのかもよく分かりません。

LCC利用者の多くは、利用するサービスや日程の選択を変えることで、どこまでコストを下げられるが知りたいと思っているはずですが、春秋航空のサイトで、そうした比較・検討作業を行うことは、かなりの苦痛と困難を伴うことでしょう。

最後に、春秋航空のサイトは、スマホでの利用に全く対応できておらず、これも、今回ランキング調査対象となった航空会社8社の中で、同社が最下位となる致命的な原因となっています。

<スマホでみてもPC用のサイトが表示されてしまう春秋航空>
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