Pinterestという言葉を聞いたことがあるだろうか。ルグランでは3年程前にセミナーで取り上げた、このアプリケーションは、自分の気に入った写真やデザインなど、興味ある画像をブックマークし、ジャンル別に分かれているボードに「ピン」をしていくサービスである。同じようなアプリである、InstagramやFacebookとこのアプリの異なるところは、前者が自分の行ったところ、食べたもの、あった出来事など過去の出来事を軸にして投稿しているのに対し、後者は興味のあること、行ってみたい場所、食べたい場所、のように未来を軸にしてそのために必要な要素を取り入れていく、言うならば「未来のための資料集め」として使われるサービスである。
(画像参照:Pinterest)
2015年9月の時点で、Pinterest利用者は1億人を超えたことが発表された。さらに2015年度の総利益は1億7000万ドルであり、2018年度までに2億8000万ドルにまで伸びると予測されている。アプリの特徴としてユーザーの多くは女性であり、アメリカでは18-54歳までの50%以上の女性がPinterestに登録、その中でも特に高学歴、高収入の女性が使っているとされる。さらに多くの新規ユーザーを獲得しようとPinterestはアメリカ国外にも目を向けイギリス、日本、フランス、ドイツ、ブラジルなどに期待を寄せている。
このPinterest、ユーザーを増やしているのと同様に、企業側からの広告利用も高まっている。昨年、企業側が「ピン」をプロモートできる「Promoted Pins」を打ち出して以来、多くの企業がこれを利用しアドバタイジングをしている。ユーザーが「ピン」する画像は、最終的にはユーザーが本当に買いたいものに繋がり、企業側はPinterestを通して、ユーザーのデータを集めることもでき、マーケティングツールとしてこのアプリが使われているのである。
(画像参照:Pinterest 広告)
さらに新機能がこのサービスに追い風を吹かせている。例えば「Cinematic Pins.」 これは、ビデオベースの広告だが、利用者がスクロールしている時だけそのビデオが再生されるというものだ。そして2015年6月以降、更に画像をピンするだけではなく、「Buyable Pins」と呼ばれる、ユーザーがPinterestから直接買い物ができるサービスが追加され、ネットショッピングに興味のある女性ユーザーの利用率が今後高まっていくことが予想される。また、その売り上げ利益は100%メーカー側へと流れるという仕組みになっていることから、Pinterestを利用していく企業は増えていくと言われている。
(画像参照:Buyable Pins)
では日本におけるPinterestの状況はどうだろうか。Pinterest Japanは2013年11月に日本語のサービスをスタートさせている。Pinterest Japan社長によると、この1年での利用者は順調に増えており、「立ち上げフェーズとしては十分満足できる結果」とコメントしている。
しかし、周りを見てみるとPinterestの認知度はまだまだ低いように感じる。私が通う青山学院の友人達に、Pinterestを知っているかと聞いても、名前は聞いたことがあるがそれ以上はよく分からないという意見が圧倒的に多い。18-54歳までの50%以上の女性がPinterestに登録しているアメリカと比較すると、日本ではこのようなソーシャルメディアに敏感な若年層からの支持が低い。学生の使っているソーシャルメディアの種類と比率を見ると、アカウントを保有しているSNSのうち最も多いものが「Line」で90%その次に多いものが「Twitter」で73%。そして次に「Facebook」は58%と続く。しかしPinterestの名前は確認することが出来ない。
ではなぜ若年層の使用度が低いのだろうか。日本市場における認知度の低さもあるが、Pinterestが保有している情報量の多さが障害となっているのではないだろうか。TwitterやFacebookなどは、友人や知人、また特定のアカウントをフォローしその近況を知るだけであり、情報量は限定されている。一方Pinterestは、自分の興味のあるカテゴリーに無限に存在する情報を自分で抜き取っていく必要があり、多くの情報が氾濫している環境に恒常的にいる学生にとって、この情報の取捨選択は疲れを感じさせる。私自身、使い始めた時は、たくさんある画像にワクワクを感じることが出来たが、だんだんと画像の種類や似たような写真の多さに疲れを覚えてしまった。
さらに使いこなしてしまえばPinterestは簡単なのだが、登録から、写真を自分のボードに「ピン」し、また自分が写真を投稿することになれるまでに若干の複雑さを伴う。学生の利用者の高いSNSで「Twitter」が人気なのは、その手軽さに比重が置かれているからではないだろうか。
しかしPinterestを利用していると、多くのことに気づくことが出来る。たとえ自分の興味のある画像を集めていたとしても、そこからさらに派生して見つかる写真から、これって今まで興味なかったがよく見るとおもしろそうだな。世の中のサービスやプロダクトとしてこんなのもあるのだ!と気づきを得ることが出来き、ユーザーの興味の拡大と共に企業のサービス認知を向上させることが出来る。
使いこなせば、企業とユーザー、両方にメリットがあるこのアプリケーション。アメリカのように市場を拡大するためには、日本女性にPinterestの魅力を伝える戦略が今後必要になってくるのではないでしょうか?
「数値・データ引用元」
・With 100M users, Pinterest’s ‘promoted pins’ just became a lot more attractive to advertisers
・Leaked Pinterest Documents Show Revenue, Growth Forecasts
・【大学生のSNS活用調査】
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(画像参照:Pinterest)
2015年9月の時点で、Pinterest利用者は1億人を超えたことが発表された。さらに2015年度の総利益は1億7000万ドルであり、2018年度までに2億8000万ドルにまで伸びると予測されている。アプリの特徴としてユーザーの多くは女性であり、アメリカでは18-54歳までの50%以上の女性がPinterestに登録、その中でも特に高学歴、高収入の女性が使っているとされる。さらに多くの新規ユーザーを獲得しようとPinterestはアメリカ国外にも目を向けイギリス、日本、フランス、ドイツ、ブラジルなどに期待を寄せている。
このPinterest、ユーザーを増やしているのと同様に、企業側からの広告利用も高まっている。昨年、企業側が「ピン」をプロモートできる「Promoted Pins」を打ち出して以来、多くの企業がこれを利用しアドバタイジングをしている。ユーザーが「ピン」する画像は、最終的にはユーザーが本当に買いたいものに繋がり、企業側はPinterestを通して、ユーザーのデータを集めることもでき、マーケティングツールとしてこのアプリが使われているのである。
(画像参照:Pinterest 広告)
さらに新機能がこのサービスに追い風を吹かせている。例えば「Cinematic Pins.」 これは、ビデオベースの広告だが、利用者がスクロールしている時だけそのビデオが再生されるというものだ。そして2015年6月以降、更に画像をピンするだけではなく、「Buyable Pins」と呼ばれる、ユーザーがPinterestから直接買い物ができるサービスが追加され、ネットショッピングに興味のある女性ユーザーの利用率が今後高まっていくことが予想される。また、その売り上げ利益は100%メーカー側へと流れるという仕組みになっていることから、Pinterestを利用していく企業は増えていくと言われている。
(画像参照:Buyable Pins)
では日本におけるPinterestの状況はどうだろうか。Pinterest Japanは2013年11月に日本語のサービスをスタートさせている。Pinterest Japan社長によると、この1年での利用者は順調に増えており、「立ち上げフェーズとしては十分満足できる結果」とコメントしている。
しかし、周りを見てみるとPinterestの認知度はまだまだ低いように感じる。私が通う青山学院の友人達に、Pinterestを知っているかと聞いても、名前は聞いたことがあるがそれ以上はよく分からないという意見が圧倒的に多い。18-54歳までの50%以上の女性がPinterestに登録しているアメリカと比較すると、日本ではこのようなソーシャルメディアに敏感な若年層からの支持が低い。学生の使っているソーシャルメディアの種類と比率を見ると、アカウントを保有しているSNSのうち最も多いものが「Line」で90%その次に多いものが「Twitter」で73%。そして次に「Facebook」は58%と続く。しかしPinterestの名前は確認することが出来ない。
ではなぜ若年層の使用度が低いのだろうか。日本市場における認知度の低さもあるが、Pinterestが保有している情報量の多さが障害となっているのではないだろうか。TwitterやFacebookなどは、友人や知人、また特定のアカウントをフォローしその近況を知るだけであり、情報量は限定されている。一方Pinterestは、自分の興味のあるカテゴリーに無限に存在する情報を自分で抜き取っていく必要があり、多くの情報が氾濫している環境に恒常的にいる学生にとって、この情報の取捨選択は疲れを感じさせる。私自身、使い始めた時は、たくさんある画像にワクワクを感じることが出来たが、だんだんと画像の種類や似たような写真の多さに疲れを覚えてしまった。
さらに使いこなしてしまえばPinterestは簡単なのだが、登録から、写真を自分のボードに「ピン」し、また自分が写真を投稿することになれるまでに若干の複雑さを伴う。学生の利用者の高いSNSで「Twitter」が人気なのは、その手軽さに比重が置かれているからではないだろうか。
しかしPinterestを利用していると、多くのことに気づくことが出来る。たとえ自分の興味のある画像を集めていたとしても、そこからさらに派生して見つかる写真から、これって今まで興味なかったがよく見るとおもしろそうだな。世の中のサービスやプロダクトとしてこんなのもあるのだ!と気づきを得ることが出来き、ユーザーの興味の拡大と共に企業のサービス認知を向上させることが出来る。
使いこなせば、企業とユーザー、両方にメリットがあるこのアプリケーション。アメリカのように市場を拡大するためには、日本女性にPinterestの魅力を伝える戦略が今後必要になってくるのではないでしょうか?
「数値・データ引用元」
・With 100M users, Pinterest’s ‘promoted pins’ just became a lot more attractive to advertisers
・Leaked Pinterest Documents Show Revenue, Growth Forecasts
・【大学生のSNS活用調査】