2016.04.14 | クリエイティブ
トラベルに特化したマーケティングプラットフォームを開発・提供する「Sojern」。米国サンフランシスコに本社に置き、世界160カ国でサービスを提供。3年連続で成長著しい企業として選ばれるなど、今、注目されるベンチャー企業です。

[Travel’s Leading Performance Marketing Engine]

先週、SojernのCEOとアジアのトップが弊社を訪問。二人とも元Overtureのスタートアップ時の主要人物であったこともあり、Overtureの創業当時の懐かしい話からミーティングが始まりました。

欧米で活躍しているOvertureのスタートアップメンバーは、どんなに成功しようが、リタイアをしている人はいない。そして、複雑なビジネスを成長させることが好き、という特徴があり、今回の二人もまさにそんなタイプでした。

Overtureの成功体験は、Sojernのビジネスにも影響を与えているようです。Sojernのサービスについて簡単に説明しましょう。

データパートナー + プラットフォーマー + 広告主からなるエコシステム
Sojernは、146カ国のメジャーな旅行関連会社、例えば、エアライン、ホテル、レンタカー、OTA(オンライントラベルエージェンシー)等とパートナーシップを組み、彼らをデータパートナーと呼んでいます。

データパートナーのサイトにタグを埋め込んでもらい、サイトを訪れたユーザーの情報を収集。Sojernはその膨大なデータを分析し、独自のアルゴリズムを作ります。そのアルゴリズムをベースに、広告主がターゲットとする見込み客にパーソナライズしたイメージ、テキストを広告として配信するという仕組みです。

たとえば、ニューヨークからボストンに行く航空券を予約したユーザーに対しては、このアルゴリズムに基づき、ボストンで滞在するホテルやレンタカーなど、そのユーザーが、最も興味・関心を持つ可能性のある広告を配信します。

「自分サイトでの来訪・閲覧履歴に基づいて広告を配信するCriteoに対して、Sojernでは、様々なサイトから情報を収集することで、より適確なリコメンド広告が配信できる点が特長である」と自分たちのサービスを説明。

データを提供するデータパートナーになることは、得なのか、損なのか。

日本では、自社データを他社に使わせたくないという企業が多い気がしますが、欧米の大手企業は、自社サイトを訪問したユーザーの動向を把握できる(Sojernからユーザーデータが提供されるとのこと)、また、データを提供することで得られる収入をメリットとして捉えているとのこと。

ホテルや航空会社・レンタカー会社などは、OTAを経由せずに、直接予約を獲得することを目的に、広告主としてもSojernのサービスを利用しています。そういう意味で、OTAにとっては、「競合」にもなり得るサービスですが、OTA側では、カニバリゼーションの影響もしっかりと分析した上で、仮にホテルや航空会社に一部の予約が流れても、自社のデータをマネタイズできる効果が上回るという判断からデータの提供に応じています。また、OTA自身も、Sojernを使って集客をしています。
 
[Sojernが提供するトラベルに特化したマーケティングプラットフォーム]

バラエティに富んだ課金方法
Overtureは創業当時から「ペイフォーパフォーマンス」をキャッチフレーズに今では当たり前となった「クリック課金」を広める先駆けとなりました。(リスティング広告がPPC広告とも呼ばれているのも、このためです。)

Sojernでは、広告主が次の3種類の課金システムから選択できるようになっているとのことです。

・インプレッション課金
・コンバージョン課金
・レベニューシェア

広告を配信する目的は、ブランディング、コンバージョンの獲得など、広告主によって様々であるということを念頭に、柔軟な課金システムを用意するというSojernのスタンスには、Overture創業当時の文化が感じられます。

日本の旅行業界の新風となるか
データパートナーから膨大なデータを収集・分析し、アルゴリズムを作り、更に、学習・進化させ、広告主のビジネスゴールを実現していく。また、データパートナーのマネタイズにも貢献するSojernのサービス。アジアでは、シンガポール市場が急成長を遂げているとのこと。日本市場については、今はまず、ポテンシャルについて、情報を収集しているフェイズのようです。

Sojernが将来、日本でサービスをローンチすると決めたとき、日本企業は、競合他社を利することになる可能性も承知をした上で、自社のデータを提供し、新たなエコシステム作りに参加することをリスクと考えるのか、あるいは、チャンスと捉えるのか。

旅行業界に新たな風が吹き込まれるかもしれません。

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2016.04.07 | UX
UXランキング(航空会社編)の最後に登場するのは、第8位の春秋航空。

まずPCサイトの上部に掲載されているカルーセル(順番に表示されるバナー)ですが、その中の一つが、常にパイロットや客室乗務員の募集案内となっているのが気になります。

もちろん、ウェブサイト上で、採用・募集をすること自体には何の問題も無いのですが、なぜ、トップページ上の「一等地」を使う必要があるのか、どこを向いて作られたサイトなのか、という疑問が残ります。

<春秋航空PCサイトのトップページ>

また、春秋航空のサイトにおいては、様々な情報の見せ方・出し方に「一人よがり」な点が多く、「いったいその情報が何を意味するのか」が分かりづらいという、情報アーキテクチャについての深刻な問題を抱えています。

たとえば、トップページには就航便のリストが、それぞれの最安値とともに表示されていますが、出発地の横には企業ロゴに似たマークが付いています。そこで、ページ下部にある注釈を見ると、

・Spring Japan(IJ)により運航されています
・春秋航空股份有限公司 (9C)により運航されています。

というコメントは確認できるのですが、おそらく、殆どの人は、この違いが何を意味するのか、全くわからないはずです。

<何を意味するのかがわかりづらい春秋航空トップページの表記>

さらにページの下に進むと、コールセンターの電話番号も掲載されていますが、こちらも「Spring Japan」と「春秋航空股份有限公司」という2つのコールセンターが並列で存在する形になっています。

日本の国内線と成田発の国際線は「Spring Japan」のコールセンター、(成田発以外の?)国際線については、「春秋航空股份有限公司」のコールセンターに電話をしろ、と言っているように見えるのですが、よく見ると、日本国内からかけられる電話番号は、両者とも同じです。

もし、対応するコールセンターが別なら、なぜ両者で同じ電話番号を使うのか、あるいは、実際には1つのコールセンターで対応しているのなら、なぜ、2つのコールセンターがあるような表記にしているのか、非常に不可解です。

一方、フライトの検索メニュー自体は、経路にあわせて就航日がわかりやすく表示されるなど、使い勝手が考えられた作りになっています。

<春秋航空サイトでのフライト選択画面>

さらに、行き先や日程の選択が終わると、前後の日付も含めて、最安値の価格が表示・選択できる点も、一見すると、できるだけ安い便を探して乗りたいという、LCC利用者に求められるユーザーエクスペリエンスが考えられているように見えます。

ところが、「スプリングプラス」「一般クラス」「特典クラス」という3つの料金体系について、利用できるサービスがどう違うのかは、見ただけでは分からないので、試しに、一般クラス(24,500円)を選択してみると、むしろ、疑問は更に深まってしまいます。

たしかに「一般クラス」では、「15Kgまでの荷物が預けられて、変更・払戻もできるというプランらしい。」ということは分かります。(ここでは、まだ他のクラスとの違いは分かりませんが。)

<春秋航空サイトの料金選択画面>

ただ、「一般クラス」の情報を見ると、なぜか33,500円と、「スプリングプラス」の最低料金を上回るプランが表示されています。

マウスオーバーすると、24,500円のプランには無い特典も含まれてはいるようですが、1つ上の「スプリングプラス」との関係もよく分かりませんし、「無料体験したいです」にチェックすると、何が、どう無料になるのかもよく分かりません。

LCC利用者の多くは、利用するサービスや日程の選択を変えることで、どこまでコストを下げられるが知りたいと思っているはずですが、春秋航空のサイトで、そうした比較・検討作業を行うことは、かなりの苦痛と困難を伴うことでしょう。

最後に、春秋航空のサイトは、スマホでの利用に全く対応できておらず、これも、今回ランキング調査対象となった航空会社8社の中で、同社が最下位となる致命的な原因となっています。

<スマホでみてもPC用のサイトが表示されてしまう春秋航空>
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2016.04.07 | UX
桜舞う季節、皆さんいかがお過ごしでしょうか。

<オフィスビルエントランスの桜>

さて、ルグランにいらした方はご存じかと思いますが、ルグランでは来賓のおもてなしに夏は冷茶、肌寒い時期はコーヒーをお出ししています。
いらした方の中には、席についてほっと一息つかれる事もあるのではないでしょうか。
今回は、そんな美味しいコーヒーを淹れてくれるルグランのスタッフの方をご紹介します。
ルグランの主婦スタッフの方々は経歴も様々。

Mさんは、元大手企業のシステムエンジニア。5歳のお子さんを育てながら、データの解析や調査など幅広く活躍されています。

Yさんは、テレビの制作現場で活躍された後、今は子育てを本業にしながらもその知識や経験からルグラン主催のイベント等でスタッフを支えてくれています。

Mさんは、大手鉄道グループ会社の元アテンダント。
お二人のお子さんを育てられながら、その接客能力をルグランのセミナーや来賓時の対応に生かされています。

なぜ、勤務時間が限られている主婦スタッフと社員が見事にひとつのチームとなり仕事を成立させる事ができるのか?

それは、それぞれの事情に合わせる事ができるルグランの勤務体制の柔軟性に秘訣があります。
ルグランでは各自のワークスタイルに合わせ、メールや社内共有ツール、テレビ会議で密にコミュニケーションをとり、在宅勤務をメインとするスタッフや週の半々を出社と在宅を組み合わせた勤務体系を選択する等、柔軟なワークスタイルを確立し、ライフスタイルにあわせた就業体制を整え、働きやすい環境を提供すべく力を注いでいます。つまりは、主婦がパートで働くためのUX(ユーザーエクスペリエンス)を考え、それを実現するための環境を整えているからなのです。

待機児童問題に対して、政府がいろいろと対策を考えているようですが、子育てと仕事を両立したいと考えている人達の事情を把握し、より良いエクスペリエンスを実現するための仕組みが作れなければ、問題の解決にはならないような気がします。

ルグランでは、スタッフ一同、クライアントの企業価値を高める事を目的として最良のサービスを提供すべく日々邁進しています。また、一緒に働いてくれるスタッフを常時募集しています。仕事も子育ても両方頑張りたいと思っている方、ぜひ、ご応募ください。

http://www.shufu-job.jp/kyujin/71353/

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