私が住む東京の住宅街は、これと言った観光地やホテルが近くにあるわけではありません。しかし、この数年でスーツケースを引きながら歩く外国人観光客を目にするようになりました。近所のお寿司屋さんの大将によると、周辺に民泊施設が多いとの事。民泊施設に宿泊中の外国人が、ふらっとお寿司屋さんに来るそうです。大手民泊仲介サイト、Airbnbの名前は、利用したことがなくても耳にしたことがある方が多いのではないでしょうか?今回はホットリンク社のソーシャルリスニングツール、クチコミ@係長を利用してAirbnbに関するインサイトを探ってみました。
2018年に最もツイートが多かったのが6月。急増する民泊施設を規制するため、観光庁は6月15日から、民泊施設の都道府県知事への届出を義務化する、住宅宿泊事業法を施行しました。この法律が施行される前の6月7日、Airbnbは届出の完了していない民泊物件における、既存予約のキャンセルを開始。他国では普及しているシェアリングサービスが日本では規制されている、東京オリンピック開催時に宿泊施設が足りるのか?、キャンセル対象となった外国人に対する同情等、日本政府に対するネガティブなコメントが相次ぎました。
メモ。実質AirBnBは日本撤退かもわからんね… AirBnBの民泊イノベーションは、事故リスクを統計的イシューとして保証金でヘッジするところだったのだけど、日本では理屈が通じなかった。 オリンピックまでに宿泊施設を確保するのは間に合うのだろうか…https://t.co/apy18q7dKL
— 深津 貴之 / THE GUILD (@fladdict) 2018年6月7日
マジで観光庁終わってんな。この期間日本に滞在予定の外国人たちが泊まるとこなくて路頭に迷うわけだ。自分がこんなことされたら普通に日本嫌いになる。
— るってぃ/プロ無職 (@rutty07z) 2018年6月8日
「6月15日(金)~19日(火)にチェックイン予定のご予約をAirbnbにてキャンセルをさせていただく運びとなりました。」https://t.co/oH0Nx4GZ9G
元々この住宅宿泊事業法の成立は、民泊施設の安全と衛生に関する問題、宿泊者と近隣住民間のトラブルを解消する目的でした。しかし、結果として、この法律は批判の対象となってしまいました。海外では普及しているAirbnb。国はAirbnbを含む、シェアリングサービスを受け入れず、追い出す傾向にあると指摘する声がありました。
『締め出し』海外の旅行者から「日本はなんでAirbnb駄目なんだ?」と聞かれたら、、新しいサービスにケチつけて、追い出し、チャレンジしない国だと答えるしかないか。Uber もしかり。他国でやってて日本ではやらない事。そりゃガラパゴス化進むわ。
— Nomad Life (@Nomad_Life_22) 2018年6月27日
また、海外のAirbnb宿泊設備に用いられてるような新しい製品に対し、日本人は苦手意識を感じるのではないか、とのツイートがありました。例えば、中国でAirbnbを利用した人は、ドアが日本では普及していないスマートロックであったことを挙げています。
中国でAirbnbに泊まったときの話なんだけど
「これが入口のパスコードね。チェックアウト日の12時まで有効にしたからね〜」
と普通にスマートロック活用しててワロタ。こんなん中国では普及してるし安く買えるけど、日本だとこんな製品ですら「私IT詳しくないから使いこなせない」とか言われそう。— 茂田カツノリ(業務システム&IoTコンサル)@Y!HackDay&CES2019 (@shigezo) 2018年5月11日
ホテルに宿泊する場合と比較すると、設備に関しては使い勝手がわからない、ホストとのコミュニケーションが手間だ、と感じることもありそうですね。しかし、実際にAirbnbを利用した人は、宿泊施設の検索方法の使い勝手の良さや価格がリーズナブルである事など、ポジティブな感想をツイートしていました。
日本のビジネスホテルは公式サイトからだと子供の人数を指定できずに部屋が検索できなくて、expediaとか経由で検索しないと条件にマッチするものが引っかからないのは本当に残念。Airbnbも子供の数や年齢を指定できるようになっているのになぁ。
— Nobuyuki Kubota (@nobu_k) 2018年1月17日
ロンドン、宿泊は死ぬ程高いです😣
なので、Airbnb(エアビーアンドビー)おススメします!最初はドキドキしますが、案外使えますよ👍— ぼたん (@peony_2) 2018年10月20日
そして、Airbnbをはじめとするシェアリングサービスに、先ずはびっくりするものの、実際の利用者のクチコミを読んで、自身も体験してみたいと考えるようです。
「知らない人に子供あずけるの?」というKIDSLINE、「知らない人の車に乗るの?」というUberやGrab、「知らない人の家に泊まるの』というAirbnb。私の場合は、知人が良かったとTwitterでつぶやいていることをきっかけに使い、最初の経験が素晴らしくリピーターに。
— yalesna@セブ在住コピーライター (@yalesna_cebu) 2018年2月19日
度々メディアで取り上げられる、民泊宿泊者と近隣住民の間で起こるトラブル以外に、このソーシャルリスニングからわかったのは、シェアリングサービスに規制が多い日本に不満や疑問を抱いている人が多くいること。そして、Airbnbを使った事のある人はサービスに対し、良い印象を抱いているということでした。
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