いよいよ今週末21日に投票日を迎える第25回参議院選挙。
各政党の立候補者達が各地で様々な選挙活動を行っていますが、投票日を目前に控えた現段階での各党に対する有権者の評価はどうなっているのでしょうか。
今回もホットリンク社が提供するソーシャルリスニングツール「クチコミ@係長」を使い、各政党に関するtwitterやブログの書込を集計・分析してみました。
【各政党に対する民意】
下図は、参院選公示日以降の各政党に対するクチコミのポジティブとネガティブの割合を示したものです。
期間:7/4〜7/16
このグラフを見てみると、社民党のクチコミが最もポジティブな内容の割合が多く、国民民主党のクチコミが最もポジティブな内容の割合が少ないという結果となりましたが、政党間でそこまで大きな差は無く、どの党も、概ねポジティブな内容のクチコミが6〜7割、ネガティブな内容のクチコミが3〜4割を占めているということがわかりました。
なお、社民党については、ポジティブなクチコミの割合が高かったものの、全体のクチコミ数が他の政党に比べて少なく、その多くを政党支持者のツイートやブログなどが占めているためにポジティブな書込の割合が高く見えている可能性も考えられます。
【7月4日の公示日から今まで(7/16)の各党に対するの評判の推移】
下図は、各政党に関するポジティブとネガティブなクチコミの数を合計し、その中でのポジティブなクチコミの割合(=ポジ率)について、参院選公示日からの推移を示したものです。
グラフを見てみると、与党である自民党のポジ率は比較的変化が少なく安定しているのに対し、野党のポジ率は日によって増減が激しい傾向があることがわかります。
また、各党のポジ率変化の推移を見ると、今回の参院選の主な争点となっている「年金制度」「憲法改正」「消費税増税」「韓国輸出規制」などに関する各党の党首や候補者の発言が報道されたタイミングでポジ率の増減が起こっている傾向があります。
例えば、自由民主党のポジ率の推移にフォーカスしてみると次のようなグラフになります。
7月4日の公示日に各党の党首達が各地で「第一声」をあげる中、自民党総裁である安倍首相は福島市で「経済を強くすれば増収は増える。増えた果実を社会保障につぎ込んでいく」と語り支持を求めました。また、自民党は韓国への輸出規制についても参院選初日であるこの日に言及しました。
公示後、ポジ率は上昇を続けますが、7月6日以降、各党の党首が年金問題について言及したことなど受けてか、自民党に対するポジ率は下降に転じます。その後、7月8日の夜にNHKで放映された政見放送について、ネット上では、安倍首相と三原じゅん子氏のやり取りが「ふざけている」「ひどすぎる」「酷いバラエティのようだ」という批判的なコメントもありましたが、自民党に対するポジ率はそれほど大きくは下がりませんでした。
NHK。自民党の政見放送に出てるのは三原じゅん子か。すごいなー。
— YAF (@yagainstfascism) July 8, 2019
三原じゅん子「元号の制定は大変な責任と重圧だったと思います」。
安倍晋三さん「おかげさまで令和を多くの国民の皆さんから評価・歓迎して頂き、ほっとしています」。
なんなのこれ……。 #参院選#参院選2019 pic.twitter.com/KHE9SiYD0E
7月12日夜の政見放送後も、ネット上には同様の反応が広がったものの、同党に対するポジ率はむしろ上昇に転じていることが分かります。憲法改正や韓国への輸出規制問題が取り上げられるタイミングで、ポジ率が下がる局面もありましたが、直近では、上昇基調が続いています。
一方で、SNS上でのクチコミの約70%が10代〜30代の投票率があまり高くない若い世代によって占められており、こうしたSNSでのクチコミ動向が、中高年〜シニア層を含めた、実際の得票率とどのくらい連動するのかについては留意も必要です。
ただ、近年は、若年層においても、与党や現政権に比較的ポジティブなイメージを持つ人が多く、シニア層の支持同行と大きな差異が見られない、といった分析もあり、実際、弊社が過去の国政選挙において行った分析でも、ポジティブなクチコミの割合と、各政党の得票率の間には、かなり高い相関が見られています。
さて、今回の参議院選はどのような結果となるでしょうか。
21日の投票日後には、選挙結果を踏まえた、振り返り上の分析も予定しております。ご興味のある方は是非チェックしてみてください!また、ソーシャルデータを活用した消費者動向やニーズの分析にご興味のある方も、ぜひ、お問い合わせ下さい。