先週6/19(金)に開催した、第2回ルグランモーニングセミナーのレポートです。
今回は『コロナ時代のSEO & コンテンツマーケティング〜米国からの最新報告〜』と題し、SEOに関する有力メディア「SEO Journal」の創業者で、SEOやコンテンツマーケティングに関する最新情報を発信しているLoren Baker氏をお招きし、コロナ禍の中でのSEOやコンテンツマーケティングに関する、海外での最新事情についてお話頂きました。
まずは、新型コロナウィルス感染拡大による、アメリカでの検索状況の変化について。
アメリカでは、元々マスクをする習慣がなく、これまで「マスク」という検索需要が増加するのはハロウィーンの時でしたが、コロナの影響により、ハロウィーン以外の季節にも「マスク」の検索需要が増加するという検索パターンの変化が見られたとのこと。検索結果についても、従来は仮装やコスチュームに関するサイトを上位に掲載されていましたが、現在は、CDCやWHOなどが発信するマスク着用に関する情報などを上位に掲載されており、Googleも、検索ユーザーのニーズや意図の変化に対応して、検索結果を変化させていることが伺えます。
同じような変化は「会議室」というキーワードにも見られます。以前は、貸会議室といった、リアルなスペースの利用に関連したサイトが検索結果に表示されていましたが、現在はZoomなどのオンラインミーティングに関するサイトが上位に掲載されています。
コロナの感染拡大に伴い、コロナと関係が薄い検索結果がクリックされなくなるといった検索ユーザーの態度変容が起きており、Googleも、検索ユーザーにクリックされるサイトやページを検索結果の上位に表示させるようにしていると考えられます。
こうした流れをうけ、コロナ時代に求められるコンテンツ戦略として大事なことして、Baker氏は、ユーザーの信頼を獲得できる情報・コンテンツを提供することがこれまで以上に重要になっていると強調しました。自社製品の宣伝よりも、まずは「正しい事実」を伝えることが結果的にブランドに対する信頼性を高め、結果的には、購入・コンバージョンにもつながると。
たとえば、ある美容学校のサイトでは、ディスクリプションタグに、「オンライン授業を提供している」という表記を加えることで、検索ユーザーのニーズに応える工夫をしています。
また、米国ではコロナの感染拡大によりAmazonの配達に時間がかかるようになっていますが、これはある意味で、他のECサイトがAmazonに対抗できる可能性が高まっているとも受けとめられています。
とはいえ、一般のECサイトでも、コロナの感染拡大によって物流への影響は受けており、在庫の有無や配送期間について、最新かつ正しい情報をアップデートしていくことが重要になります。ただ、これまでは、一般のECサイトに在庫があっても、Amazonや楽天でも買えるかもしれないといった理由で、すぐに買わないケースもありましたが、現在は、在庫があればすぐにコンバージョンにつながるといったケースも増えており、最新の情報を更新・掲載することがコンバージョン獲得の上でも、これまで以上に重要になっています。
また、アメリカや日本でも、徐々に経済活動が再開されておりますが、特に飲食店などでは、サイト上に「感染防止対策」に関する情報を適切に提供することも大事であるといいます。
例えば、アメリカで有名な日本食レストランNOBUのサイトでは、料理やメニューの情報よりも、感染防止対策について、かなり多くのスペースを使って情報を提供しています。料理の美味しさよりも、安心・安全に関する情報の提示が、結果的に売上・来客の増加につながるという判断のもとに行われた、コロナ時代におけるコンテンツ戦略の一例となります。
このように、最新でかつ正しい情報を常に提供し続けることは、Googleからの評価を高めるだけでなく、消費者やユーザーからの信頼も高め、結果的に集客や売上の増加にもつながるということが言えそうです。
さて、最後に、次回モーニングセミナーのご案内です。
次回は、7/13(月)AM8:00から、クラウドベースのカスタマーサポートソリューションを世界で展開するZendesk社より、同社のシニアマネージャー平井千晶氏をゲストにお迎えし、『コロナ時代におけるCXの重要性 〜マーケティング視点からのカスタマーサービス〜』とういテーマで開催します。ご興味のある方は、ぜひご参加ください。