2021.11.05 | コラム

コロナ禍で人々は引きこもるようになり、世の中全体の気分が下がっている時代になっています。

今世界的に大人気のNetflixオリジナル韓国ドラマ「イカゲーム」。
9月17日に配信されてからNetflix全米1位を獲得する快挙を達成し、配信後、約1ヶ月で全世界1億4200万世帯が視聴し、94カ国でランキング1位を記録するなどNetflix創設以来の最大のヒット作になっています。

私ももちろん、視聴しました。
見る前は、『今まで、似たようなデスゲームと呼ばれるジャンルの作品はたくさんあったけれど、なんで「イカゲーム」だけはこんなに特別なんだろう?』と不思議に思いました。
最近で似たような作品ですと、日本の漫画が原作で同じように去年Netflixで配信された「今際の国のアリス」、そして「神さまの言うとおり」も「イカゲーム」と同じようにゲームをクリアしていく作品です。

視聴後に感じた、「イカゲーム」と他のデスゲームの作品の違いでまず感じた事、それはゲームの参加者でした。

従来のデスゲーム作品では、天才的な頭脳や驚異的な身体能力を実は持っていた参加者がいて、予想外の方法でクリアしていきました。

しかし「イカゲーム」の参加者は、全員普通の人でした。しかも、苦境に立たされた、社会的弱者でした。
天才や超人の参加者がクリアしていくのを見たら『すごい!』と驚くことはできますが、「イカゲーム」に出てくる普通の参加者が頑張っているのを見ると、自分と重ねて、共感でき、世間の人々はみんな思わず応援してしまいます。
それにこの作品ではそれぞれ参加者が韓国の社会問題を反映した苦境に立たされていて、なぜこのゲームに参加するのか、というところまで描かれています。
彼らのバックグラウンドを見ると、まるで自分と同じ部分があるな、同じような時期もあったなと思える人々もいるでしょう。

次に他のデスゲームの作品と違う点は、ゲーム自体がシンプルで、かつビジュアル的にユニークです。
『だるまさんが転んだ』『型抜き』など子供のころに誰もがした子供の遊びを攻略できず、多くの参加者が“脱落”します。
従来のデスゲームでは、普通の人がやったことのない、複雑なゲームや一見すると簡単なゲームが実は何らかの仕掛けがあるものが多かったと思います。

この1、2年で話題になっている韓国作品、『クレイジー・リッチ!』『パラサイト 半地下の家族』など立て続けに成功したのに加え、最近では韓国社会の問題を反映した作品が多く、どれも大人気です。

冒頭にお伝えした“世の中全体の気分が下がっている時代”になったというのは、やはりコロナ渦で人々が引きこもるようになってしまい、「下げの時代」に入ってしまったからと思います。
「イカゲーム」の主人公は決して強い人間ではなく、優しい心を持った人間だというのも、時代の大きなトレンドにマッチしていると思いました。 昨年、コロナ禍で大ヒットした「鬼滅の刃」でも、主人公の竈門炭治郎は、鬼になってしまった妹のために戦い、また他にも鬼になってしまった鬼にも優しく接することのできる心優しい人物です。
前までの人気作品の主人公といえば、例えば「ドラゴンボール」の孫悟空、「ONE PIECE」のルフィは、仲間を大事に思い、自ら引っ張っていく強いキャラクターでした。

世間の変化と共に、世間が求めている作品や人物像も変化していきます。

こうした時代の変化を捉えることも。コンテンツを作る上で大事なことと思います。

どんなに素晴らしいサービスも、見せ方やストーリーを変えるだけで売れたり売れなかったりします。
どんな些細なことでも、弊社へご相談ください。



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