世界のキャンプ用品市場は、予測期間中4.9%のCAGR(年平均成長率)で成長し、2027年には72億530万米ドル規模に達すると予測されています。
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日本でも、株式会社矢野経済研究所の調査によると、2020年度の国内アウトドア用品・施設・レンタル市場規模は2,954億6,700万円と推計しています。今後もアウトドア用品・施設・レンタル市場は成長を続けていき、2024年度は3,111億3,000万円(2020年度比105.3%)になると予測されています。
今後も成長を続けていくと予想されるキャンプ用品界隈ですが、その中でも前年比17.6%増・15期連続増収という驚異的な成長を見せている企業があります。それはアウトドア用品を扱う株式会社スノーピーク(以下、Snow Peak)です。
売上高だけでなく、利益面においても、営業利益は前年比61.6%増、当期純利益は前年比146.4%増という業績になっています。そんなSnow Peakですが、実は広告費ゼロという戦略をとっているのです。Instagramなどでキャンプ情報を日々追っていると、ストーリーやフィード欄がいつの間にかキャンプ用品の広告だらけに…という経験がありますが、振り返ってみるとSnow Peakの広告は目にしたことがないことに気づきました。では、一体なぜSnow Peakは広告費を全くかけていないにもかかわらず、15期連続増収という成長を遂げることができたのでしょうか。
重要なポイントは、ブランドと顧客の関係性が近いということです。どんな業界業種でも、基本的には、ブランドと顧客の関係性は、商品・サービスの提供者と購入者であり、商品を購入してもらうだけの関係性に終始しているところがほとんどです。ところが、Snow Peakは商品購入後も積極的にユーザーと関わる機会を持っています。Snow Peakでは1998年から、ユーザーと社員が共に参加するキャンプイベント「Snow Peak Way」を全国各地で開催しています。キャンプブームの終焉により6期連続で売り上げが落ち込んでいた頃、「お客様の声を聞こう、一緒にキャンプしよう」と社員が声を上げて始まったものだそうで、累計参加者数は計12万人にのぼります。メインイベントは、焚火を囲んで行う「焚火トーク」で、その場でアウトドアの楽しみ方について話し、製品についてのレビューをしてもらいます。
このように、ユーザーと直接交流を行うことによって、ユーザーとの関係性が近くなるのと同時に、製品についてユーザーの本音を聞くことができるので、そこから製品の改良につながることも多いそうで、実際にキャンプに参加したユーザーの声を元に開発された商品もあるようです。目先の数字に振り回されずに、ユーザーのことを考え抜いたことがSnow Peakの成長に繋がったといえます。
現在の広告を見ていると、コンバージョンを追い求めるがあまり、リターゲティング広告が同一ユーザーに何度も表示されたり、「いいね!」をお願いしたりするような姿をよく見かけます。あまりにしつこいPRは拒否設定されてしまいますし、「いいね!」の無理強いはむしろ不愉快に感じる方も少なくないでしょう。
会社の規模やアプローチにもよるので、広告の必要性は様々です。まだブランドの確立ができていない企業にとって、広告を利用して製品・サービスを知ってもらうことは重要なことです。しかし、数字を追い求めユーザーの心情を無視した広告は、本当にブランドの確立につながるのでしょうか。本来、広告とは、企業目標の達成と消費者の利益にかなうべきものです。ユーザーのことを徹底的に考え、ユーザーにあった広告を配信することで、ファンが増え、ブランディングにつながっていくのです。
オランダのアパレルブランド・Scotch & Sodaでは、ブランディングの一環として、“その場所のリアルタイムの天気”に最適なファッションコーディネートを表示する屋外デジタル広告(DOOH)をアムステルダムで実施しました。
例えば、曇りの天気には、比較的薄手のコートに、マフラーが風になびくような演出になります。雨になれば厚めのコートを表示し、フードを被ったり外したりという動きを繰り返し、フード付きであることが強調されています。他にも様々な空模様や気温に応じて、その瞬間に最適な“コートの種類やコーディネート”をリアルタイムで表示するのです。その場の天気に応じたコーディネートをリアルタイムに提案することで、道行く人の興味と購買意欲を喚起するだけでなく、ユーザーに寄り添った広告を配信することで、ユーザーとブランドの関係をより密接に発展させました。
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