2016.10.27 | UX

ルグランで、日々UXを意識しながら、パートタイマーとして勤務し、約1年が経過しました。以前は、SIerでシステムエンジニアとして勤務しておりました。システムエンジニアという仕事に於いて、UXを意識することが如何に重要であるかを、今、当時を振り返り実感しています。 

27_システムエンジニアとUX 

今回は、要件を定義する時、データの運用を決定する時における、UXを意識することの重要性についてお話しいたします。まずは、要件を定義する時について。要件定義では、UIを決定します。要件定義は、主にクライアントのシステム部門と行いますが、UIは、エンドユーザーがシステムと触れる身近な点であることから、エンドユーザーから直接要望を聞くことがありました。

たとえば、

・直感的に操作できるよう、タッチパネルディスプレイを使用したい。

・数字を入力する機会が多いから、数字の入力をしやすくしてほしい。

など、業種、ユーザーによって、様々な要望がありました。

これらの要望に対し、

・タッチパネルディスプレイを採用する場合は、ボタンは大きめ、ボタンとボタンの間隔を多めにとる。

・テンキーがないPCでも数字が入力しやすいように、テンキーのような画面を作成する。

など、対応を行いました。

これは、エンドユーザー自身がすでに意識している要望に対応したまでです。

システムを入れ替えた際には、「前のシステムでも困ったことはなかったのに、なぜシステムを入れ替えたのか?」という、ユーザーの声を聞いたことがあります。今考えると、これは、システムを入れ替えたことによるUXの改善はなかった、というエンドユーザーの感想だったのでしょう。

システムを開発する際には、そのシステムによって、エンドユーザーのUXの改善が行われなければ、システムを導入する意味がありません。システムの要件定義の工程では、エンドユーザー自身も気が付いていない要求を引き出したり、要件を提案したりするなど、UXの改善を意識することが重要だと考えます。

次にデータの管理運用を決定する時についてです。

どのシステムでもデータを使用します。私が今まで携わってきたシステムでは、一定時間ごとに、データのバックアップファイルを取得していましたが、そのバックアップファイルのデータは、エンドユーザーになじみのあるツール(エクセルなど)で閲覧したり、編集したりすることはできませんでした。

システム稼動日数が長くなるにつれ、データ量は増大します。このデータをエンドユーザーが閲覧、編集できる形で提供していれば、経営課題の分析業務などに役立てることができたかもしれません。

また、たとえば、ある流通業では、月末に、月ごとの売上数、売上金額などがわかる帳票を出力していました。重要な情報であると考えられる帳票用のデータを、エンドユーザーが閲覧、編集することができていれば、売上情報を分析し、問題提起、解決に役立てることができたかもしれません。

このように、「データは存在しているけど、ただ蓄積しているだけ、データベースの専門知識がないと閲覧することさえもできない」という状態は、まさに宝の持ち腐れでした。

データの管理、運用を決定する時には、問題提起、解決にデータを役立てるなどエンドユーザーのUXに繋がるデータの管理、運用方法を決定することが重要になります。

このように、システムエンジニアとしてエンドユーザーを満足させるシステムを構築するためには、随所でUXを意識することが必要不可欠だと感じる今日この頃です。 

ルグランでは、「エクスペリエンスマップ」をクライアントと共に作成し、クライアント自身が気づいていない要望を引き出すワークショップを開催しております。ご興味ある方は、ぜひお問い合わせください。



Back to Blog Top