2016.06.30 | ソーシャル

「温泉に入浴するスレンダーな後ろ姿にドキドキする…」という動画で話題を集めている佐賀県。この動画は、世界201ヵ国、特にタイでは42万回以上視聴されています。

佐賀と言えば、言わずと知れた伝統工芸品有田焼の産地。硬く丈夫で透明感のある白磁に、華やかな絵付けが施されているのが特徴で、約400年もの歴史があります。有田焼は「伊万里焼」とも呼ばれ、日本人なら誰もがその名前だけは耳にしたことがあると思います。しかし有田焼のイメージは、なんとなく「陶器市で売られている骨董品」ではないでしょうか。自分の暮らしにはあまり馴染まなそうという印象を持っている人も多いかもしれません。

しかし最近、有田焼の窯元と現代のデザイナーとの共同作業による、モダンで今の暮らしに合った有田焼が多く登場し、世界各国から注目を集めています。その中でも頭角を出している、「KIHARA」は、昭和30年(1955年)に誕生した、有田焼の産地商社。「シンプルで美しく、暮らしの中で息づく器をデザインする」をコンセプトに、見た目の美しさ、楽しさと、使ったときの満足度の高さを両立させた器を提供しているそうです。

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そんな「KIHARA」が2013年にシンガポールの有名ギャラリーショップ「Supermama」と共同プロジェクト「SINGAPORE Icon」を行いました。このプロジェクトから生まれたシンガポール限定のプレートはシンガポールを象徴する65のアイコンが一枚のプレートに描かれ、世界中で話題となりました。

このプロジェクトで、海外での販売先獲得と商品開発という、ふたつの目的を同時に達成することができたKIHARA。今ではシンガポールに限らず、オーストラリアやイギリスなど各国の企業からオファーが舞い込むようになってきているそうです。何故、無名であった有田焼をここまで多くの人に広げることができたのでしょうか?

その理由の一つは、海外デザイナーと協力し、シンガポールのデザインと日本の技術を融合した商品を作ったからなのではないでしょうか?ある本の中に、商品戦略上、あまりにも新しいものは、実は売れないと書かれていました。人は目新しいイノベーションに飛びつくのではなく、親しんできたものの中にちょっとした変化を見出すことに快感を覚えるそうです。「ないもの」を追求するのではなく、「あるもの」に一味加えて新鮮さを感じてもらうのも商品戦略の1つかもしれません。

では、すでにあるものに一味加えるためには、どうしたらいいのでしょうか?消費者が求める「売れるもの」とはなにか、経験や勘に頼るのではなく、データを深く読み込み、商品に付加価値を加える「一味」を発掘する。デジタルマーケティングの考え方を、リブランドにも活用することで、私たちが慣れ親しんできた伝統工芸品が世界の多くの人たちに愛される商品へと変化する可能性があると思います。

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