2017.01.12 | ビッグデータ

公開10日で興行収入38億円を突破し、その後も歴史的記録を更新し続けているアニメ映画「君の名は。」。

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大きな話題となったこの作品はテレビで連日取り上げられ、公開当初はそのキーワードを聞かない日は無い程の人気でした。今でこそ大ヒット作として認知されているこの「君の名は。」ですが、実は東宝株式会社が事前に予想していた興行収入は60億円という規模でした。ご存知の通りこの予想は大きく外れ、18週目現在(12月25日)の累計興行収入では約213億円を記録しています。(この記録は「千と千尋の神隠し」や「タイタニック」等のヒット作と肩を並べ、国内歴代総合興行収入ランキングは現在4位)

ここではソーシャルメディアからのクチコミ件数を用いて「君の名は。」大ヒットの要因について考えてみます。

予想を大きく外し見事に大ヒットを果たした「君の名は。」ですが、実はヒット作となる兆候はSNS上に表れていました。

下図は「君の名は。」に関するTwitterへの書き込み数の推移です。(公開2週間前から公開日前日までのデータ)
ここからは同じく話題となった「シンゴジラ」と比較しながら検証していきます。

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このデータを見ると、公開前にも関わらず「君の名は。」が多くの関心を集めていたことがわかります。

ここで、クチコミ数と興行収入の関係について考えてみます。
下図は「君の名は。」のクチコミ数と興行収入をグラフにしたものです。
(左縦軸:クチコミ件数、右縦軸:興行収入(百万円)、横軸:~週目)

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見ての通りクチコミ件数と興行収入の変化は実際に連動していることがわかり、公開前から現在までクチコミ件数で他映画と圧倒的な差を付けていることが大ヒットの要因の一つであったと推測されます。

また、公開後もある程度のクチコミ件数を維持し、興行収入を更新し続けている「君の名は。」ですが、これにはリピーターの存在が大きいと考えられます。以下の図はソーシャルメディア全体から「(映画名)」と「回目」というキーワードを同時に抽出したものです。

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皆さんの周りでも、「君の名は。」を複数回見たという方がいるのではないでしょうか。理由としては断続的な広告戦略や散りばめられた多くの伏線等様々な要素が考えられますが、実際に多くのリピーターを獲得していることはデータにも表れています。

今現在も毎週の興行収入ランキング上位に名を連ねている「君の名は。」。この勢いは最後にはどんな記録を生むのでしょうか?楽しみに見守りたいと思います。



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