皆さんこんにちは。ルグランインターンの外園賢太です。
各地で大雪が降るなど厳しい寒さが続いていましたが、春一番も吹き、今年の冬もようやく終わりが見えてきました。
春を迎えようとしていた丁度1年前の今頃、とあるブログが世に認知され、多くの共感を集めることとなりました。
そのブログの題名は、「保育園落ちた日本死ね」。
2016年2月に投稿されたこのブログは、国会で取り上げられたことで一気に拡散・共有され、それはクチコミ分析の結果に表れました。
その年の12月に流行語にノミネートされることで再び注目を集めていたことも分かります。以下はソーシャルメディアでの「保育園」というキーワードでのクチコミ数を調べたもの。(横軸は2016年1月1日~2016年12月31日)
テレビや新聞を通して沢山の方がこのブログを読み、様々な思い・考えを抱いたことと思います。 そしてその多くは保育園の増設を願う意見が多かったのではないでしょうか。事実、このクチコミにおける関連語でも、「必要」「ほしい」といったキーワードが検出されました。(関連語:対象期間中の記事中に多数表示されているキーワード)
しかしここで思い出していただきたい出来事がもう一つ。
まずは同じ「保育園」というキーワードで、3年前のクチコミ分析の結果をご覧ください。(横軸は2014年1月1日~2014年12月31日)
規模は今回のブログ問題に劣るものの、テレビでも取り上げられ、多くの人の意見を集めた出来事がありました。それは、
「保育園の子どもの声がうるさい」と近所に住む男性が提訴したという出来事。記憶に残っている方も多いのではないでしょうか。保育園の近所に住む男性が、保育園に対して慰謝料100万円の支払いを求める裁判を起こしたというものです。
保育園を擁護する声があがる一方で、この男性と同じような意見。つまり、保育園に対してマイナスなイメージを持つ人々も多く声をあげていました。クチコミの関連語でも、「うるさい」「騒音問題」といったネガティブなワードが上位に示されています。
ここで注目すべき点は、保育園における待機児童の数(厚生労働省調べ)や保育園の数(3年前以前)はここ数年大きく変化はしていないということ。
騒音問題もブログ問題も、人々の声は保育園を取り巻く環境の変化によるものではないのです。
つまり、今まで当事者だけが抱えていた感情をメディアが公開することで、現状の変化によらず、人々の声、つまりクチコミはプラスの印象もマイナスの印象も示し得るのです。
メディアが人々に与える効果は大きいといえます。だからこそ、その大きすぎる印象だけではなく、現状のデータを正しく読み取り物事の本質を見抜くと同時に、印象に対する直感的な自分自身の意見が正しいのかどうかを見極める必要があるのではないでしょうか。