2017.03.30 | ビッグデータ

皆さんこんにちは。ルグランインターンの外園賢太です。
今回のクチコミ調査では、ソーシャルゲームについて考えてみたいと思います。

2007年にグリーがヒットさせた「釣り★スタ」 (DeNAのモバゲータウンが先という説もあるようです)を皮切りに様々な企業が参入し、ソーシャルゲーム市場は急速な成長を見せています。

さてここでクチコミ調査を行ってみると、ソーシャルゲームの性質や売り上げとクチコミの関連性が見えてきました。

ソーシャルゲームの中でも注目したいのは「パズル&ドラゴンズ(通称パズドラ)」というゲーム。2012年にリリースし、現在まで強い人気を獲得し続けてきたゲームです。
しかし近頃は売り上げが落ち始めているという見方も。2016年のApp Store売り上げランキングでは「モンスターストライク(通称モンスト)」に首位を奪われ、2位という結果になりました。

では、パズドラの売上げとクチコミがどのように関係しているのか見ていきましょう(パズドラの売上げの具体的な数字は公開されていないので、パズドラの収益が大きく関わるガンホーの売上げと比較していきます)。

 

上のグラフは、ガンホーの売上げとパズドラのクチコミを比較したもの。クチコミは落ち込み、売上げもそれに倣って下がっています。一方で、売上げ1位を獲得したモンストも見てみましょう。

 

2013年リリース開始のためクチコミ数が先行していますが、売上げは順調に伸びています。3年が経ち、クチコミ数が落ち着いてきたこの時期に、どれだけソーシャルメディアで話題に上ることができるかが、今後市場で生き残れるか否かの鍵となるかもしれません。

 

前の検証を踏まえた上でクチコミ数だけで比べてみると、直近の売上げが拮抗しているのも納得できますね。

さらに分析を進めていきましょう。

 

この図はパズドラのクチコミの内訳を表したもので、データを見ると2ちゃんねるによる投稿が多いことが分かります。その内容は、主にゲーム攻略や仕様変更に対する議論など。つまり、これらの戦略的な考えが求められるゲームにはそれを求める層が集まり、ソーシャルメディア上で頻繁に情報交換が行われているのです。ゲームを利用する人数が多ければ議論は活発になり、クチコミ数も増加する。これが前述の結果に繋がっていると言えるでしょう。

 

一方で、売上げランキングの上位にあり、パズドラとは対照的に戦略的な考えをせずに楽しむことが出来るゲームも存在しています。代表的なのは「ディズニーツムツム(通称ツムツム)」。戦略的な要素があまりないということはソーシャルメディア上での議論があまり活発化しないということ。結果としても、クチコミ数はパズドラの10分の1程度になっています。また、2ちゃんねるによる書き込みは少なく、Twitterの投稿が大半を占めていることがパズドラとのターゲットの違いを表しているでしょう。

このようにクチコミデータを紐解くことで売上げ予想やターゲットの分析等、ビジネスの戦略を考える上で様々な発見がありそうです。

ルグランでは、データやUXを起点にクライアントがビジネスゴール達成するためのお手伝いをしています。ご興味のある方は是非、お問い合わせください。



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