初めて見た時は多くの人が「これはなんだろう?」と思った密閉型のイヤホンですが、今ではすっかり当たり前となりました。市販のイヤホンのほとんどは密閉型で、多くの人が音楽やその他のメディアを楽しむのに使用しています。スマートフォンの普及と、様々なストリーミングサービスや動画コンテンツの発展により、イヤホンもまた生活の一部を形成する重要な部分になったと言えるのではないでしょうか。
密閉型イヤホンの利点と欠点
密閉型の耳栓のようなイヤホンが流行している他にも、中にはノイズキャンセリングという技術で周囲の音を打消し、イヤホンから流れる音に集中できるような工夫がしてあるイヤホンまで登場しました。こうしたイヤホンが発売される背景には、もちろん「周囲の環境に関わらず音を楽しみたい」というニーズがあります。また、周りの音を遮断することでボリュームの上げすぎを防ぎ、音漏れを防止するというメリットもあります。
一方で、外出中にイヤホンを着用していると周囲の音が聞こえにくいばかりに不便だと感じたことがある人も多いかと思います。例えば背後から接近する車や自転車に気付かなかったり、人に呼び掛けられていることがわからなかったり、電車のアナウンスを聞き逃してしまったり、周囲の音をシャットアウトしているからこそ日常生活で不便さを感じるタイミングがあります。
逆転の発想で生まれた新商品とユニークなセールスポイント
今年の2月に発売された「ambie sound earcuffs」は、耳を塞ぐことなく音を聞くことが出来るイヤホンで、様々なメリットをアピールしています。
・耳が疲れにくく長時間使用できる
・コードが擦れた時のタッチノイズが起こらない
・汗がたまりにくく、耳穴が蒸れにくい
しかし一番ユニークなのは、「耳を塞がないので周囲の音や会話が聞こえる」ということを最大の売りとしていることです。
「周囲の環境に関わらず音を楽しみたい」というニーズから、市場の主流が周りの音が聞こえないようなイヤホンになっていったことで、全く逆のニーズが生まれ、商品化されました。発売から4日で初回生産分が完売となったこの商品も、もし密閉型のイヤホンが主流になる前に販売されていたら、ここまでの人気は出なかったかも知れません。
商品の差別化とPR
商品・サービスの価値は、その時々のニーズや需要に大きく左右される場合があります。それを見逃さず、上手く商品・サービスに取り入れることで、大きな差別化を図り、同時にPRしやすい商品・サービスにすることができます。
市場における需要・ニーズと、それに対して自社が何を提供でき、どうPRしていくのか、ルグランと一緒に考えて見ませんか?