2017.07.13 | コラム

常識というのはいつも少しずつ移り変わっていくものですが、最近旅行の際の新常識となりつつあるのが「Airbnb」。宿泊する場所を提供するホストと、お金を払い利用するゲストとをつなぐサービスです。ホテルよりずっと安く宿泊できるだけでなく、実際にその国で暮らしている人の家に泊まることが出来るので、よりその国の文化にも触れることが出来るのも人気の理由です。こうした宿泊形態は「民泊」と呼ばれ、2020年にオリンピックを控えた日本でも注目を集めています。

ホテルにできて民泊のホストにできないこと
民泊はホテルと比べると安価な分、部屋の数や設備が小規模であるため融通が利かない場面もあります。例えば帰りのフライトまで時間がある時、ホテルであればチェックアウトを遅らせたり、荷物を預かってもらったりすることが出来ますが、民泊の場合は次のゲストを迎える準備をしなくてはならないため、そういったサービスを提供することが出来ません。その結果、ゲストは旅行の最終日に大きな荷物を抱えながら観光して回らなければならないのです。

空港まで荷物を配送してくれるサービス「Airporter」
そんな民泊ゲストの問題を解決してくれるのが「Airporter」というサービス。チェックアウト当日に荷物を宿泊施設から空港へ運んでくれるので、利用者は帰りのフライトまで大きな荷物を持ち歩く必要がなくなります。
こういったサービスのプロモーションを考える時、いかにして民泊のゲストに自分たちのサービスの良さを伝えるかということにばかり気を取られてしまいます。しかしAirporterのホームページでは民泊のゲストだけでなく、ホストに対しても自分たちのサービスをアピールしています。

メリットがあればそれはサービス
Airporterのホームページには民泊のホストに対して、「無料で稼働率対策・レビュー対策・近隣苦情対策の効果が見込めます」というPRをしています。Airporterをゲストが利用すると、ホストはチェックアウトを遅らせるなどの対応をする必要がなくなるため、稼働率が上がります。また、ゲストの満足度が上がり自分たちの宿泊施設のレビューも良くなります。さらにスーツケースなどを引きずる音がなくなるため、騒音もなくなります。
つまり、「荷物を運んでもらう」というサービス自体を受けるのはゲストですが、それを紹介することによりホストにも多くのメリットがあるということをアピールしているわけです。ホストがゲストに自分たちのサービスを勧めてくれれば、その分手間とコストをかけずに効率的にPRすることができます。
サービスを提供する側、受ける側の2者に分けて考えてしまうと、PR戦略の幅は限られたものになってしまいますが、そこに関わってくる人にまで視野を広げると、PR戦略にも様々な工夫ができます。

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